#10 本気で社会を変えるにはー精神的自立と経済的自立
自分の意志を持ち続けることは大変です。人と違うように考え、行動していると、間違った方向に進んでいるかもしれないと恐怖します。意志を強く持ち続けるためには、精神的・経済的な自立が不可欠です。学校はよく言う職業訓練をする場所ではなく、精神的・経済的な自立を目指す場所であるべきです。
精神的自立とは、相手の考えに流されず、自分自身で考えられる力を指します。常に政府が国民の味方とは限りません。間違えることもあるし、都合の悪い情報をもみ消すこともあります。事実を客観的に判断し、誰でもない自分自身の力で組み立て直し、何が正しいかを判断する能力です。運命の存在を否定し、自分たちで未来は決められると認識することです。
経済的な自立とは、生活をするために必要な技術を身に着けることを指します。これは、必ずしも現行の経済システムに合わせた技術の習得を指しているわけではありません。今の経済システムが間違っていたらそれを正す。ルールを守ること、ルールを疑うこと、ルールを作り変えること、実利的で全般的な生きる力が求められます。
経済的に自立していなければ、システムは到底変えられません。そのシステムに依存し、その環境での生き方しか知らないからです。現実社会がどのようなシステムに変わっても適応できる力が経済的な自立です。
アメリカでは銃の保持が憲法で認められています。これは革命権とも言われ、政府が間違ったと判断したならば、市民がそれを力でもって是正できるようにという考えから来ています。例え銃がなかったとしても言い訳にはなりません。国民が精神的・経済的に自立し、金銭的な果実や脅しに屈することなく、間違っていると感じたらしっかりと主張すること、間違いを正すこと、それが民主主義のあるべき姿です。
家庭があるから、会社員だから、お金がないから、年金暮らしだから、は言い訳にしてはいけないのです。たとえ今は力がなく、自立ができなかったとしても、自立に近づくために頑張ることはできます。知識は闘うための最大の武器です。知識を身につけるほど、選択肢は増え、活路が現れます。
(#11へ続きます)