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#12 本気で社会を変えるにはー求められる社会像

著者は今の社会の在り方を良しとしません。この現代社会をどう形容したらいいかと悩むのですが、今のところ"成長を前提とする資本主義"と呼んでいますが、地球が有限である以上、このシステムはいつまでも続けられないおとぎ話だと考えています。俗にいう社会主義や共産主義でもありません。ただ、次のことが前提の社会だろうと思います。

①物質的に循環した社会であること
②一人一人が自立していること
③情報と意思決定プロセスが透明であること
④失敗を前提に、冗長なシステムを作ること

①は再生しない資源に対する依存度を減らし、物質がぐるぐるとこぼれることなく循環している社会です。化石燃料に依存し、それを燃やして大量に二酸化炭素として排出し続けること、大量にプラスチックを合成して海洋を汚染すること、生物資源を使い捨てのように利用することをせず、物質が無駄なく再利用された持続可能な社会を目指す必要があります。

②は精神的な自立・経済的な自立です。それぞれが悪意をもった第三者にだまされずに自分自身で考える・検証する能力、またシステムに依存し過ぎてそこから逃れられない状態でなく、いざとなれば市民が立ち上がって道を切り開ける力を持っていることです。

③は選挙が正当に行われていること、政治が透明性を確保し、その意思決定プロセスがいつでも検証可能であることを指します。政治資金の用途が不明であったり、公文書が開示されない・勝手に破棄される、時の政権の解釈で恣意的に法律が運用されることがあったりしてはいけません。これを守らずして、政権の正当性は一切証明できません。

④は失敗しても立て直せる状態を作ることです。失敗を恐れるがあまり、何もできないという状態にだけは陥ってはいけません。何もしないのはとても楽で、ある意味で効率的な生き方です。今までと違ったことを非難することも容易なことですが、非難ばかりでは何も生まれません。正解は状況次第で変わり続けます。完璧なもの・不変なものはなく、過ちを認め、更新し続けられる仕組みが何より重要です。

(#13へ続きます)


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