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赤い乗りにくそうなやつ①
毎度毎度辛い話を書いてもしょうがないので今回は楽しい話を書こうと思う。不幸の蜜を吸われ続けるのは嬉しいことではない。
今回は私のクルマ・バイク遍歴と初めての愛車に選んだDucati M900の話だ。「赤い乗りにくそうなやつ」というのもM900のことである。ただ、長い話になると思うので、複数回に分けると思う。
私のクルマとの出会いは、部活に明け暮れていた高校3年生まで遡る。(実はそれ以前にも父がスポーツカーを買ったりしてクルマには触れていたのだが、それを車好きとしては認識していなかったので今回は省こうと思う)
当時、なんとなくYoutubeを眺めていた私はMichael Ferrariという方がFerrari 458 Spiderで横浜みなとみらいを走る動画をたまたま開いてみた。
内容としては人通りの多いみなとみらいを、注目を浴びながら爆音で走るというものだったので人によっては金持ち自慢か😇となる動画なのだろうが、私は458 Spiderの快音に釘付けになった。458 Spiderが搭載する自然吸気V型8気筒エンジンは甲高い高音が特徴である。
それからはMichael Ferrari氏の動画をイヤホンで聴く毎日。いつかはフェラーリに乗りたいなぁと思っていた。スーパーカーに心惹かれるのはいつの時代の少年たちも同じなのかもしれない。私の父にとってもランボルギーニ カウンタックはいつまでも少年時代のヒーローだそうだ。
さて、Youtubeにはおすすめ機能があり、関連する動画がおすすめとして表示される。Ferrariの動画を見漁っていた私のおすすめにはクルマに関連してバイクが表示されるようになった。
そんな中で一撃で目を奪われたバイクがある。それがKawasaki Ninja H2Rである。
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JSAE:日本の自動車技術330選 Ninja H2R スーパーチャージドエンジン より
わかるだろうか。このいかにも厨二病的な外観。カッコ良すぎる。このデザインも10年経とうとしているのだから驚きである。そして外観だけでなく、このバイク300馬力を超えるパワーと350km/hを超える最高速度を誇る。
H2Rに心を持っていかれた私はクルマだけでなくバイクの動画も漁るようになる。年齢的には免許も取れたが、部活一本だった私はアルバイトをしていなかったし、高校はバイクが禁止だったのでしばらくは無免キッズをやっていたわけだ。
高校からの帰り道にBMW Motorradのディーラーがあり、毎日のようにS1000RRやR nine Tを眺めてから帰っていた。BMWはほとんどが大型車だったので、高校生からすれば雲の上の存在であった。
さて、そんなこんなで大学生になった私は祖父母からもらった合格祝いでまずはクルマの免許を取ることにした。バイクではなくクルマからにしたのは単純に実用性の問題である。
普通自動二輪も大型自動二輪も一回ずつ卒検に落ちた私であるが、クルマは一度も引っかかることもなく非常にスムーズに進んだことを覚えている。もちろん卒検も一発合格だった。
教習と並行して、父とは普段は父が通勤に、休日には私が使える車を買おうという話になっていた。父の希望はオープンカー。候補にはマツダ ロードスター。BMW Z4(E85 or E89)。加えてたまたま安く転がっていたRX-7 FD3Sも一瞬候補に上がったが、安く買えても維持費がバカにならんということで却下になった。
そこからは教習と大学の授業の合間を縫って車屋を巡る日々だった。当時はCOVID-19が最も人々に恐怖を与えている時期。授業は完全にオンラインであったので車屋巡りは非常にしやすかった。
散々車屋を巡った結果たどり着いたのがこの車である。
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マツダ ロードスター。当時現行のND前期のNR-Aである。NR-Aはこの車だけのパーティーレースに出場するためのグレードで、快適装備が一切排除されている代わりに走りのための各部が強化されている。当初はNR-Aは全く眼中になかったのだが、フラッと立ち寄った埼玉の販売店に置いてあり、来歴もしっかりした個体だったので即決した。
前オーナーは普段はロータス エリーゼでサーキットを走っている方のようで、このロードスターは長らく車庫で保管されていたようであった。登録年は2015年で我々が購入したのが2020年。その間の走行距離はわずか8,600kmであった。
クルマ選びにおいて過走行であることは不安要素の一つであるが、実は走行距離が少なすぎることも心配するべき要素の一つである。なぜなら、機械の塊であるクルマは放置されすぎていることでも痛むので、定期的に動かしているほうがいい。だから旧車では走行距離が少ない放置車よりも、定期的にメンテナンスをされている過走行車の方が状態がよかったりするようだ。
さて、このロードスターのオーナーは年間2,000kmも乗っていなかったようだが、それでも一年に一回以上はオイル交換をするほど丁寧にメンテナンスをする人だった。(記録簿を参照した)そんなわけもあって、サーキット走行歴のある低走行車であったが安心して購入することができた。
ここから大学の4年間は私はクルマに熱中することになるわけであった。