PART-TIME-DREAMER/真っ白なキャンバス

各アイドルソングのテーマを少し分類してみると、「恋愛」と「夢」を語る日本のアイドルソングが数多く存在することに気づきます。恋愛に関して言えば、日本のアイドルソングのパターンは、恋愛の美しさや甘さを強調することが多く、夢については、桜のように美しくも儚い夢を描くことが多いです。しかし、そんな中で異彩を放ち、常識に逆らう作詞家「シロトリリオン」がいます。彼は美しいものよりも、言葉にできない苦しみに焦点を当てることが多く、その深い苦痛が唯一無二の歌詞を生み出し、他に類を見ない「真っ白なキャンバス」を創り上げました。「SHOUT」は恋愛について語り、「PART-TIME-DREAMER」は夢について語っています。

さらに、「PART-TIME-DREAMER」は「アイドルとは何か」を伝える曲でもあります。一般に「アイドル」という概念は、ステージ上で輝く存在を指し、そうした輝きを求める憧れが歌われることが多いです。このような曲において、アイドルは「理想化された」存在であり、すべての美しさを集約した存在として描かれます。指原莉乃が=LOVEの歌詞やパッケージングで時折示すのは、このような「理想化されたアイドル」です。このようなアイドルは「儚くて美しい」という、日本の生命観に合致した存在です。これは、彼らがアイドルや人生を桜になぞらえることが多い理由でもあります。

こうしたアイドルの「理想化」という背景の中で、「シロトリリオン」は「PART-TIME-DREAMER」で全く異なる「アイドル」を描こうとしています。タイトル「PART-TIME-DREAMER」には、主人公が「アルバイト」や「中途半端な」アイドルであることが暗示されており、このタイトルだけでも「理想のアイドル」に及ばないという深い劣等感が感じ取れます。

この「劣等感」と「孤独感」は、「PART-TIME-DREAMER」の歌詞の中で最も強烈で輝いている感情ですが、歌詞は意図的に感情の原因を隠しています。そのため、歌詞は場面によっては突然に感じることがあります。例えば、「出発前の電車  駆け込むはいいけど  僕の心のように空っぽだ」、「カーテンから漏れてる  光を見て孤独を知ったの」、「なぜだか眠れないな」などです。

これらの感情は、歌詞の中で「この世界で勝ちたい ひとりでは無理だな」というフレーズによって明らかにされ、「誰かと手を取り合う勇気があればな」という部分では、誰かの同伴を望む孤独感が示されます。この強烈な劣等感と孤独感に直面し、自分が望まれていない中途半端な存在であると感じると、自分が夢を持つべきか、アイドルであるべきかという自己疑問が生じます。

シロトリリオンは、アイドルを完璧でなければならないという一般的なイメージとは異なり、別の可能性を描いています。彼は歌詞で、自己疑念、劣等感、孤独感と心理的に向き合っていることを繊細に表現していますが、「たまには病んでしまうこともあるけど」と軽く触れるだけです。

彼はアイドルの「理想化」を完全に捨て、夢を持つが自卑感に満ちた、臆病な人々が「PART-TIME-DREAMER」として存在することを描写しています。

歌のDメロである「何気ない日常、瞬く間に過ぎてゆく ふとした瞬間、どんなに幸せだろう Woah」という歌詞は、前後の文脈と完全につながらないが、聞いたときに泣きたくなるほどの影響力があります。この曲は、自卑感と孤独感に満ちた人が夢を見ることに葛藤しているが、なぜかその瞬間に幸せを感じるのです。

一方で、ステージでのパフォーマンス中にこのフレーズを歌うことで、周囲の雰囲気や他のメンバーやファンを見て、幸せを感じるかもしれません。また、主人公が多くの欠点を持っているにもかかわらず、心には「夢」があり、その夢によって悩んだり、自卑したり、孤独を感じることも幸せの一形態かもしれません。「夢を成し遂げる」ことが幸せではなく、「夢を見ること自体」が幸せなのです。

歌詞の最後、「いつか同じ夢を見よう 醒めなくてもいい夢を」というフレーズで、現実を忘れて夢に浸る価値観を示しています。彼は夢を現実に変える「夢を叶える」という言葉を使うのではなく、夢を見続けることを選びます。

PART-TIME-DREAMERは、異なる「アイドル」の形を示すだけでなく、すべての夢追い人に優しく励ましを与えています。

Che (translated by ChatGPT-4o)

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