エクスカリバー 現る
「出でよ・・・」
若い男性の声がする。
耳から聞こえてくるのではなく
頭の上から降ってくる感覚だ。
いつしか小高い丘に立っていた。
草が生えているが、土も見えている。
その景色に佇みはするが、
とにかく前へ進まねばならない、、、
と 気持ちが逸る。
踏み出すと 細い道に変わり、足元を見れば古代の履物。
周りには誰もいない。
小走りに進めて行く間にも、「出でよ・・・」という声は消えない。
その先に、白い服を着た男性が見えた。
顔は分からないが、その人は私に 剣を差し出す。
あなたは・・・?
「私は同志だ」
これは・・・?
「聖なる剣だ」
その男性は、私に何か大切なことを早口で教えてくれた。
が、今となってはわからない。
なぜなら、これは私の中で 一瞬、見たものだから。
夢でも空想でもなく、見た物語の世界でもない。
私の中にある、無意識のゾーンから出てきたものだ。
でも、聞こえた声は 私の身体を響かせるものがあった。
こんな感覚は今まで、ない。
瞑想の中だが、それまでこんなにハッキリしたことは かつてない。
気のせいだと思っていた・・・この時までは。
でも、後に気のせいではないことが色々と起こる。
新たな冒険は、此処から始まっていたのだ。
次回【コトの気づきは "仙骨びらき” 】
お楽しみに。