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私、毒親に育てられました(中村淳彦著)

毒親なんて、人並みな親であると思っていた自分にはまさか当てはまらない、とたかをくくっていた。
ゾクッとしたのが、
高偏差値、高学歴の女性の親の多くが異常に教育熱心なこと(教育虐待)。
『親が過度な期待を子どもに負わせ、思い通りの結果が出ないと厳しく叱責したり、体罰や暴力を振るったりすること』とある(書籍より)

子どものやりたいことを考慮しないで、自分の理想を一方的に押し付ける傾向がある親はかなり多いのではないか。
子のため子のため、と思いながら自分の理想を洗脳し、レールを目の前に敷く。
ありがちだろう。

そこに暴力が加われば虐待とあらわになるが、心身的な暴力もおそらく蔓延してるのではないか。
筆者は終章に「誰でも毒親になりうる」と警告している。

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この書籍は、毒親に育てられました、と言う女性15人の声だ。年齢層も20代から60代までと幅広い。「毒親」は貧困問題の一因ともなる。

正直読めば気持ちは重たく、同じ女性として胸がとても痛む。
家庭だけでなく、日常生活の大半を過ごす学校という現場でも凄まじい暴力を受けている告白もかなりある。

毒親に育てられた子は心身的にも病む傾向はある。また自分が体験してきたことを我が子にする傾向もある。負の連鎖しかない。

医療現場でも彼女らが患者の中にいるであろうことは想像できる。だから、医療関係者には読んでほしいと切に思う。教育現場にもいるはずだ、だから教育関係者にも。

貧困問題同様、表からは見えない事実に愕然とするが、この気持ちこそ自分がなんとなく思っている世界との大きな「差」なのだ、と気づく。ほんとうに知らないことだらけ。

しかし、正直、タイトルを見て「この本を出す意味って何」って思った。

それは終章に著者が書かれているように、これから子育てをされる人や、子育て中の人も「こんなことをしてはならない」
と気づいて子育てに反映してほしいということだとわかる。

以前に出た傾聴本の内容を実践した自分は、親子関係を好転させている。子どもらはすでに成人しているが、ほんとうに関係がよくなり、周りの人も変わった。

この本も非常に重たい内容で、気持ちの向かない話ではある。

そうならないために、

という思いで読めば、自分なりに気づき、得るものはあると思う。