日本とちょっと違うマレーシアの点心
点心や飲茶と聞いて、思い浮かぶ場所はどこだろうか。
香港や中国本土、横浜中華街かも知れない。
マレーシアで暮らし始めるまで、まったくイメージはなかったが、意外とここは点心(Dim Sum)天国だ。
美味しくて種類豊富で、そして驚くほど安い。
点心専門の大型店はもちろん、コピティアムと呼ばれる街の食堂兼カフェでも気軽に点心を頂くことが出来る。
日常に溶け込んでいるマレーシアの点心だが、日本とは大きく異なる点が2つある。
ここでは、その文化的差異を2点紹介したい。
文末に筆者が気に入っている点心店を2店紹介しているので、機会があればぜひ訪れて、この違いを実感していただきたい。
もちろん、種類豊富で美味しい点心を存分に楽しめるだろう。
では、異なる点の1つ目を紹介しよう。
それは、点心を食べる時間帯だ。
マレーシアでは、点心=朝食というイメージがあるそうだ。
遅くとも昼すぎまでが一般的。
人気の点心レストランは朝7時から営業していて、週末ともなると多くの人が家族連れで朝早くから列をなしている。
筆者は、飲茶と表記する事もあるし、おやつの一種で昼下がりに食べるものかな程度の認識で、そもそも点心を食べる時間について考えたことなんてなかった。
なので、初めて朝っぱらから点心をいただいた時は、正直違和感があった。
しかしながら、朝食と言うだけあり、蒸籠に入った焼売や餃子だけでなく、お粥など胃に優しい系の種類も多い。
大半の人は家族連れでテーブルを囲んでいるので、シェアしやすく食べる量が調節しやすい。
みんなが同じ、ごはん+味噌汁+焼き魚+納豆というメニューでなく、食べたい人はがっつり頂くが、食欲がなければ焼売1つでも全然問題ないのが点心朝食の良さだ。
こういう背景もあり、点心は「夜に食べると落ち着かない」と中華系マレーシア人の友人は言う。
「夜に食べると落ち着かない」って、和食だと何に該当するだろう…。
例えば、シリアルを夕食に食べるような感じだろうか。
もしそうだとすると、落ち着かないというよりは、筆者の場合は、侘しいという感じがしっくりくるかも知れない。
あなたは、夕食に食べると落ち着かないものがあるだろうか?
続いての2点目は、添えられている調味料だ。
日本の点心では、お醤油が添えられていることが多いと思う。
一方、マレーシアでは、明るいオレンジ色のチリソースと濃厚な醤油系タレの2種類がセットで添えられている。
チリソースは、マックやKFCなどのファストフードでも、日本のケチャップ的立ち位置で添えられているし、スーパーの調味料コーナーではケチャップより圧倒的に優位な棚割りを占める国民的調味料だ。
もう1つの濃厚醤油系タレは、お店によって多少違いがあるが、基本的に海鮮醤(Hoisin sauce)と呼ばれる醤油ベースの調味料に、オイスターソースや薄口醤油などでブレンドされたものが多い。
味は、より醤油みを増したお寿司の鰻ダレが近いかな。
マレーシアに来た当初、このチリソース&濃厚醤油ダレにも少々違和感を抱いた。
しかし、今となってはこのダブル調味料込みが点心の味になってしまった。
日本に戻って点心を食べる時、添えられた醤油に物足りなさを感じるかもしれない。
かといって、マレーシアのチリソースを日本に持ち帰り、日本の点心をそれで食べたとしても、なにかが決定的に違うのだろう。
空気感や何もかもを含めて、そこで頂くものが一番美味しく感じるのだろうから。
筆者おすすめKL近郊の点心店
1.jin xuan Hong Kong
2.Foo Hing Dim Sum
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