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中南米バックパッカー旅⑤🇲🇽世界遺産グァナファトで愛の告白をされた話
ケレタロシティで大親友のエドガーとの再会を果たした後、私たちが次に向かったのはグァナファト(Guanajuato)と言う街。
グァナファトはカラフルな街並みが美しいことで有名で、その美しさは世界遺産にも登録されているほどのもの。かつては銀鉱の産地として栄えていたらしく、建物のカラフルなペインティングは太陽の日差しを跳ね返すための工夫だとかなんだとか。ケレタロからは高速バスで約2、3時間程で辿り着くことができるので、1泊2日で寄り道してみることにした。
坂ばかりの道
ひたすらにメキシコらしい、のどかな乾燥地帯に真っ直ぐそびえる道をバスで3時間ほど走ると、山々に囲まれた小さな街に辿り着いた。バスターミナルは人は多くなく、近くの街とを行き来している地元民がほとんどといった印象。観光客らしい格好をしている人は私達だけだった。Uberでタクシーを拾い、昨日急いで予約したゲストハウスへ向かう。
グァナファトはとにかく坂だらけだ。山間の盆地+扇状地にある街なので街の中心部から離れるに連れてどんどん坂を登っていく。ぐるぐると張り巡らされている坂道の間でタクシーを降り、大きなバックパックを背負ってさらに細い坂道を進みながらゲストハウスを探した。迷路のような坂道をひたすら進み、汗だくになってきたところで、ようやく可愛いカラフルな壁が立ち並ぶ小道にゲストハウスが現れた。良かった、可愛い宿で。これで期待外れな宿だったら機嫌を損ねていただろう。グァナファト観光には動きやすい涼しい服装をオススメしたい。そして宿泊先も街の中心に近いところをオススメしたい。
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ピピラの丘は夜も登れ
グアナファトの観光名所といえば、カラフルな街並み全体を見渡すことができるピピラの丘。ピピラはグアナファトの鉱夫でメキシコ独立戦争の英雄らしい。そんな彼の大きな銅像が丘の上に立っていて、銅像の周りを地元民も観光客も囲んで座り、街の絶景をひたすら眺めている。丘まで登る手段はケーブルカー、または地獄の階段だが、元気な人にはぜひゼーハー言いながら階段を登ることをオススメする。階段の続く道を登る途中で、地元民がたむろしていたり、いきなり素敵なストリートアートが現れたり、細い曲がり角で誰かにワッと遭遇したり。とにかく、知らない街の細いカラフル迷路道を進むのがとても楽しいのだ。
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丘の上から見る景色は、日中に見渡す綺麗な色のコントラスト、夕暮れ時のちょっとエモい色のコントラストも素敵だった。そして、夜景はさらに素敵だった。色彩のコントラストは見えないが、街中に優しく灯るちいさな光の粒が海のように広がっていて、とてもロマンチックな景色を見ることができる。高校の修学旅行で見た函館の夜景も綺麗だったが、先進化された建物ではなく昔ながらのコロ二アルな街並みが生み出す光の夜景はまた違った良さを出していた。ピピラの丘は夜も登れ。
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オフィシャルな関係
グアナファトはメキシコで訪れたいくつかの街の中でも、私にとって特別な街と感じている。なぜならば一緒に旅をしている相方Adiと私が、新たな形の関係をスタートさせた始まりの場所となったからだ。
グァナファトの街で久しぶりに美味しいディナーを食べることにした私達は、市の中心地にあるアンティーク調のインテリアが溢れる素敵なメキシコ料理屋さんでメキシコのカカオを使ったシチューのような郷土料理のモーレ、チーズたっぷりのチラキレス、そして赤ワインで乾杯した。カナダにいる時からずっと友達のような恋人のような適当な関係を続け、遂に一緒に中南米バックパッカーまで一緒にすることになった私達。中南米生活にも少し慣れ始めて余裕ができてきた頃だった。美味しいメキシコ料理を堪能し、お腹もいっぱい心もいっぱいでワインもまわり、気持ちのいい雰囲気を楽しんでいた時、ふと無言で彼と目が合う。いきなり真剣な顔をしたAdiが、「君のことすごい好きだと思う。彼女になってくれない?」と言ってきた。断る理由なんてないので、もちろんYesで回答。そして私達は旅のパートナー兼オフィシャルな関係になった。
日本では告白が先、とか、西洋では告白という文化がない、とか、別にどっちでもいい派だけど、曖昧な関係の先にしっかりと気持ちを伝えてくれて、関係を明確化してくれたのは、彼の中で何か気持ちの変化や確信があったんだろうなと感じて、嬉しかった。そんなこんなでグァナファトで恋愛のパートナーができた私は、カップルバックパッカーとして彼とこの先旅をすることになった。(実際、特に何も変わることはない。)(喧嘩はより一層増えた。)
つづく