【ゆる読書日記】探花/今野敏
今野敏の隠蔽捜査シリーズの第9弾。
珍しく、ドラマで起用されている俳優さんが、小説のイメージにぴったりで、小説もドラマも好きな作品です。
主人公の竜崎は、柵(しがらみ)や忖度とは無縁の道を歩き、誰にでも公平に接する警察官僚。
幼馴染かつ警察官僚の同期である伊丹とはなんだかんだで困った時にはお互いに助け合える程よい距離感。
シリーズ10作目は横須賀が舞台。
地元にも程近く、米軍基地という独特の土地柄の雰囲気もなんとなく分かるだけに、竜崎の公平な大岡裁きには今回も感服。
組織で働いていると、ついつい色々な力学が働き、長いものに巻かれがちですが、竜崎のような潔さを持ち合わせたいなと思うのはサラリーマンの悲しい性なのか、憧れか。
このシリーズの中で大好きなキャラクターは、竜崎の妻、冴子。
「貴方は国のためにしっかり働きなさい」と竜崎を叱咤激励し、息子が悪の道に入りかけたら目一杯の愛情で引き戻す。
内心は不安でも捜査本部に詰めてる夫にはそんなことを微塵も感じさせずにどーんと構えている肝の座り具合に、思わず惚れます
次回作も楽しみです。