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【LAD】Gavin Stoneってどんなピッチャー?
どうも、こんにちは。雨宿りです。
今回は急遽ドジャースのプロスペクト投手 Gavin Stone について書いていこうと思います。というのも日本時間の5月4日、つまり明日のフィリーズ戦でメジャーデビューを果たすことがつい先日報道され、合同 note 企画の LAD 担当兼 Stone 推しのわたくし雨宿りがこの件について書かないのはあるまじき行為だと思ったので、前日ではありますが急遽キーボードをカタカタとしているところでございます。読みやすさも考慮し(長い時間書いていられない言い訳)、今回は簡単に Gavin Stone という投手がどんな投手なのかについて書いていきます。
メジャー昇格までの背景
Stone は2020年のドラフトでドジャースから5巡目全体159位指名を受け、ドジャースに入団しました。セントラル・アーカンソー大学出身の Stone は2年生のときにはクローザーを務め、翌年からはそこでの実績が買われ先発投手として活躍しました。
2020 MLB Draft: Dodgers reportedly sign 5th-rounder Gavin Stone and UDFA Robbie Peto - Via @DustinNosler - https://t.co/ZXho39A6R7 pic.twitter.com/s2i8Ftcczt
— Dodgers Digest (@DodgersDigest) June 18, 2020
ドジャースに入団した翌年の2021年には A/A+ レベルで91イニングを投げ、防御率3.76、K/BBは5.52と初年度からかなり期待のできる数字を残し、翌2022年には A+/AA/AAA で121.2イニングで防御率1.48、K/BB も3.82と素晴らしい成績を残しました。順調すぎるくらいのペースでマイナーの階層を登っていく Stone の評価も鰻登り。24歳の右腕は MLB Pipeline によるプロスペクトランキングでは49位、Fangraphs では60位、Baseball America では51位と全媒体で100位以内となりました。
Gavin Stone closed out his 2022 minor league regular season in brilliant fashion, tossing 6.0 scoreless innings, he allowed 3 hits, no walks, and struck out 11⬇️
— Josh Thomas (@jokeylocomotive) September 27, 2022
He generated a whopping 22 whiffs, which came at a ridiculous whiff rate of 54% 😳 pic.twitter.com/dE7kzpLNTW
そして2023年のスプリングトレーニングにも当然のように招待され、蓋を開けてみれば、6.2イニングを投げ防御率は0.00、K/BBは7.00、評価の高さに見合った、あるいはそれ以上の成績で周囲を驚かせました。開幕ロースター入りを果たすことはできませんでしたが、AAA では開幕投手も務めていました。Stone は AAA での直近2試合では安定感のあるピッチングを披露できており、またドジャースのローテ4、5番手が計算できていないこともあり、予想していたよりも早くメジャーに昇格することが決まった次第です。
Stone はどんな投手?
ではここからは Stone がどのような投手なのか簡単に説明していこうと思います。マイナーでの数字を見ても分かる通り、奪三振能力の高い投手であることは間違いないです。また四球率も決して高いわけではなく、制球力もそれなりにあることがわかります。続いては球種ごとに詳しく見ていきましょう。
4シーム
Stone の4シームは最速は98mphに上るものの平均では93.3mphと至って平均的です。また球速や変化量をもとに算出されるドライブラインの用いるピッチモデルの一種である Stuff+もMLBの平均をやや下回ります。実際4シームでの空振り率も平均的で、わたし雨宿りがマイナーの試合やスプリングトレーニングの試合で投げる Stone を観る限り、4シームはまだまだ伸び代がありそうです。Stone はもともと球種の多いピッチャーではないので、メジャーで通用するためには4シームに磨きをかける必要があると言えそうです。Stone はまだ若く、シーズン序盤であることも加味すると、この点においては今後の成長に期待ができます。またドジャースのピッチングスタッフがこの点を無視し続けるはずもないので、4シームのパワーアップにはぜひ注目したいです。
Gavin Stone, 98 ⛽️ pic.twitter.com/C3dcpfzNn4
— Josh Thomas (@jokeylocomotive) August 13, 2022
チェンジアップ
Stone といえばチェンジアップ。チェンジアップといえば Stone 。彼の三振のほとんどはチェンジアップによるもので、今シーズンの AAA でのチェンジアップによる Stone の空振り率は脅威の49%(MLB平均は32%)です。Stone の代名詞とも言えるチェンジアップですが、彼は大学までチェンジアップを投げたことはなく、マイナー時代にコーチから教わった握りで投げているだけだと話していました。さらに面白いことに、彼のチェンジアップはさほど落差があるわけでもありません。先ほど紹介した Stuff+も平均以下の評価です。ではなぜこんなに空振りが奪えるのか。MLB での登板がないため分析するのに十分なデータもなく、単なる仮説にしか過ぎませんが、個人的には腕の振りと4シームとの球速差が鍵なのではないかと考えています。ここら辺については MLB での登板が増え、十分なデータを得られるようになったときに答え合わせをしたいですね。
Gavin Stone's 8Ks in 3 innings. 😯
— Rob Friedman (@PitchingNinja) March 20, 2023
That changeup is gonna be a problem. pic.twitter.com/AlfrjBgh0O
スライダー
Stone の3つ目の球種はスライダーです。スライダーも Stuff+は平均的で特に高い空振り率を記録しているわけではありませんが、彼のスライダーの面白いところは変化の仕方がややバラバラ(特に左打者に対して)だということです。どういうことかというと、バックスピンの効いた横に滑るようなスイーパー気味のスライダーを投げるときもあれば、カーブのようなトップスピンの効いた落ちるスライダーを投げるときもあるということです。これを意図的にやっているのかはわかりませんが、仮にこれらを差別化でき、別の球種として投げ分けることができるようになれば投球の幅も広がるはずです。明日の試合はスライダーの変化の仕方にも注目してみると面白いかもしれないですね。
Gavin Stone had another great outing for Great Lakes, tossing 5 scoreless innings, and lowering his ERA for the season to 1.93. After starting off slider-heavy, he got quite a few bad swings on FBs in non-FB counts. (The man pitched)
— Josh Thomas (@jokeylocomotive) April 30, 2022
The line:
5.0 IP
2 hits
0 runs
2 BBs
7 Ks⬇️ pic.twitter.com/nYe0qlEJVA
最後に
ついに明日デビューとなる Gavin Stone ですが、昇格していきなり活躍するのはいくら優れた投手であっても難しいと思います。ドジャースファンの Stone への期待はかなり高いものだとは思いますが、まだまだ成長途中の投手なので、大成するまで気長に待ちましょう。明日の試合は、4シームの球速、チェンジアップの腕の振り、スライダーの変化の仕方などに注目して観戦すると、試合がより一層面白くなるかもしれませんね。こんなことを書いている当の本人は明日の試合はライブで観ることができなそうですが、試合が終わってから家に帰ってゆっくり観ようと思います。
さあ羽ばたけ Gavin Stone。
ヘッダー画像:Photo by Ric Tapia/Icon Sportswire via Getty Images