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将来のドジャースを担っていく強者たち。

どうも、こんにちは。雨宿りです。

今回はドジャースのプロスペクトたちを紹介しようと思います。ドジャースはMLB屈指の名門であり、人気も実力もリーグトップクラスです。最近は金満球団のような扱いを受けていますが、ドジャースが強い理由はお金だけではありません。ここ10年以上ドジャースが圧倒的な力を見せつけることができているのは、ズバリ育成力スカウト力にあります。

今回は若手選手を紹介していくのですが、ここで言う育成力とスカウト力は若手選手のみならず、ベテラン選手にも寄与されています。これがドジャースが再生工場とも言われる所以です。今季で言えば、Tyler Anderson, Evan Phillips, Yency Almonte, Andrew Heaney, Trayce Thompson などが再生された選手たちと言えるのではないでしょうか。

今季ユーティリティ外野手として才能を開花させた Trayce Thompson

そして過去にも Justin Turner, Chris Taylor, Max Muncy などの選手がいます。ドジャースは自慢のスカウト力で、まだ才能を開花させることに成功していない大きなポテンシャルを持つ選手に目をつけ、自チームの分析に基づいたメカニクスの修正を施すことにより、選手たちのポテンシャルを最大限に発揮させるのです。

少し話が逸れましたが、ここからは本題に戻りプロスペクトたちの話をしていきます。ドジャースのファームシステムは優秀です。

過去8年間のファームシステム・ランキング

ドジャースはファームシステム・ランキングにおいてほとんど毎年トップ10入りを果たしており、今年のプロスペクトランキングのトップ100には、ドジャースから30球団唯一で最多の7選手が選出されていました。ここからも分かる通り、ドジャースには優秀な若手選手がたくさんいます。ということで、今回はそんなドジャースの若手選手トップ30を今季のマイナー合計成績とともに紹介していきます。

【AGE】年齢
【POS】ポジション
【B/T】打/投
【HT】身長 (フィート&インチ)
【WT】体重 (ポンド)
【ETA】予想昇格年(2022年時点)
【GAME】出場試合
【AVG】打率 【HR】本塁打
【OPS】出塁率+長打率 【SB】盗塁
【IP】投球回 【ERA】防御率
【K/9】奪三振率 【BB/9】与四球率


No.1 Diego Cartaya (C)

今季の Cartaya のマイナー成績

2019年に17歳の若さでマイナーデビューを果たした Cartaya は19歳の昨夏A-クラスで怪我に見舞われたものの31試合に出場し.298/.409/.614と期待通りの結果を残した。彼は Salvador Perez と比較されることもあり、22歳を前にしてメジャーデビューできるかが注目されている。Cartaya の持ち味は、鋭いスイングと目の良さだが、今季は守備面での指標も大きく改善され、選手としての評価は鰻登り。

No.2 Bobby Miller (RHP)

今季の Miller のマイナー成績

時には100マイルを超えることもあるフォーシームに加え、キレのあるツーシームと2種類のスライダーを軸に投球を展開。またチェンジアップも進化しており、空振りを量産している。今年のSTで大谷翔平から100マイルの直球で三振を奪ったことも記憶に新しい。コマンドもドラフト当初と比べて大きく改善され、来季中のデビューが期待される。

No.3 Miguel Vargas (1B)

今季の Vargas のマイナー成績

Vargas はドジャースのファームが誇るピュアヒッター。マイナー通算で3割を超える打率を残し、今季メジャーデビューを果たした。メジャーでは出場機会も少なく、思うような結果が残せなかったものの、優れたコンタクトスキルは本物。2019年には7本塁打だったのを、昨季は23本塁打とパワーもつけた。守備にはやや課題を抱えるものの、打撃と走塁はメジャーでも活躍できる高いポテンシャルを持つ。来季レギュラーへ定着できるか注目。

No.4 Michael Busch (2B)

今季の Busch のマイナー成績

昨シーズンの序盤に負った怪我が足枷となったものの、最終的には61試合で打率3割、14本塁打と結果を残した。そして今季も32本塁打を放ち、Max Muncy とも比較される打者でもある。打者としての能力は Muncy よりも高いとの声もある彼は、バレル率が高く、また選球眼も良い。本来は一塁手であったが、今季は2Bを守り、守備力も改善された。来季中のデビューが期待される。

No.5 Andy Pages (OF)

今季の Pages のマイナー成績

キューバ出身の21歳は昨季にA+クラスで31本のホームランを放ちMVPを受賞した。パワーが最大の武器ではあるが、打席中にスイングを調整できる賢さも併せ持つ。まだ粗さはあるものの、選球眼も改善され、打者としての完成度を日々高めている。足の速さと肩の強さは平均的で、守備では安定性にやや欠けているため、そこでの改善が必要である。

No.6 Ryan Pepiot (RHP) 

今季の Pepiot のマイナー成績

Pepiot のチェンジアップは落差も大きく、一級品と評価されている。95マイル前後のフォーシームに加えて、スライダーの質も高く、メジャーでも十分通用するレベルにある。ただコマンドに課題を抱えており、そこが改善されれば簡単には打たれないはずだ。今のところは来季のローテ候補だが、回またぎリリーフとしての起用も考えられる。

No.7 Gavin Stone (RHP)

今季の Stone のマイナー成績

大学時代にクローザーから先発に転向した Stone は、プロ入り後に球速を大幅にアップさせ、今ではフォーシームは100マイル近くを計測する。チェンジアップとのコンボは簡単には打たれない。今季はさらに他の球種にも磨きをかけ、121.2回で防御率1.46、168奪三振を記録。ただ体力面では、他の先発投手よりも劣るため、そこでの改善が求められる。来季中のメジャーデビューが期待されるが、初めはリリーフとして起用されるかもしれない。

No.8 Jose Ramos (CF)

今季の Ramos のマイナー成績

昨年のマイナーデビュー戦で打球速度111マイルと114マイルの2本塁打を放ち、すぐさま注目を浴びると、A-クラスで.329/.396/.577を記録し大活躍。17歳で契約後、身体は一回り大きくなり、すでに紹介した Andy Pages と比較されることも多くなった。パワーは申し分ないが、選球眼と変化球への対応を改善させる必要がありそう。身体を大きくすることでスピードを落としてしまったが、肩は強く、外野手としての嗅覚にも優れており、守備面での評価は高い。

No.9 Dalton Rushing (C)

今季の Rushing のマイナー成績

Rushing は2022年のドラフトでドジャースが1巡目指名した捕手。打撃に定評のある Rushing だったが、マイナーでのデビューイヤーは.404/.522/.740と期待以上の活躍をし、周囲を驚かせた。Rushing は全方向に強い打球を打つことのできる鋭いバットスピードを持ち、また選球眼にも長けており、今季のマイナーでは出塁率は5割を超えた。ドジャースにはすでに将来有望の Diego Cartaya がキャッチャーのポジションにいるため、もしかすると1Bへのコンバートもあるかもしれない。

No.10 Eddys Leonard (SS)

今季の Leonard のマイナー成績

Leonard は20歳の昨シーズン、.297/.390/.539、22本塁打をマークし、一躍注目を集めた。彼は体格以上にパワーがあり、安定してハードコンタクトする能力に長けている。今季はやや調子を落としたが、依然として選球眼の良さには目を引く。守備では軽率なエラーが目立つ印象があるため、そこでの改善が求められる。

No.11 Landon Knack (RHP)

今季の Knack のマイナー成績

2020年にドラフト2巡目で指名された右腕は、大学時代から現在に至るまで着実に球速を伸ばし続け、今では98マイルに到達する。スライダーとチェンジアップとのコンビネーションも効果的で、奪三振能力も高い。今季は調子を落としたが、来季は26歳を迎えるシーズンであるため、なんとしてでも結果を残したいところ。

No.12 Nick Nastrini (RHP)

今季の Nastrini のマイナー成績

UCLA出身の Nastrini は、平均96マイルのフォーシームとスピンの効いたカーブ、スライダーを武器に三振の山を築くタイプのピッチャー。今季はチェンジアップも交え、K/9は13.04にも及んだ。コマンドさえ改善することができれば、ローテーションの一人としてチームに貢献できるポテンシャルを持ち合わせている。

No.13 James Outman (OF)

今季の Outman のマイナー成績

Outman は大学時代の通算打率.249だったが、ドジャースは彼のオールラウンダーツールを評価し、2018年に7巡目でドラフトした。プロ入り後は、打撃能力を開花させ、去年の後半に.297/.392/.568と活躍した。今季の途中に3Aに昇格してからも57試合で15ホーマーと長打力を発揮しOPSは1.017を記録した。その活躍とメジャーで怪我人が出たことで、今年の7月に Outman は念願のメジャーデビューを果たすと、初打席初ホーマーを記録し、4試合で.462/.563/.846をマークした。守備と走塁も平均以上で、来季は開幕ロースター入りが期待される。

No.14 Maddux Bruns (LHP)

今季の Bruns のマイナー成績

Clayton Kershaw 以来のドラ1左腕 Bruns は、時には98マイルにも到達するフォーシームに加え、カーブ、スライダー、チェンジアップを投げ分ける。今季、K/9は脅威の13.60を記録したが、一方でBB/9は9.14と制球に苦しんだ。持っているボールはどれもハイクオリティだが、Bruns が目標とする Kershaw に近づくためには、やはり安定したリリースとコマンドの改善が求められる。

No.15 Jacob Amaya (SS)

今季の Amaya のマイナー成績

Amaya は昨年2Aでキャリアワーストのシーズンを過ごしたが、今季の前半は2Aで.264/.370/.500をマークし、好スタートをきった。しかし3Aに昇格後は、長打があまり出ず、長打率は.381だった。シーズン最終盤に調子を戻したが、最終的には物足りない成績で今季を終えることになった。ドジャースは Trea Turner が今オフにFAとなったため、その穴をFAで埋めないとなれば、Amaya にも来季中にチャンスが訪れるかもしれない。

No.16 Jorbit Vivas (2B)

今季の Vivas のマイナー成績

Vivas はデビューシーズンで苦戦してからは、ファーム内でも屈指の打者として活躍してきた。2019年に打率.327をマークすると、2021年には打率.312、44長打を放ち、11月に40人枠ロースターに入った。コンパクトで素早いスイングと抜群のバッティングセンスは同郷の Luis Arraez を彷彿とさせる。守備は平均的で、UT性はあまりないが、シュアなバッティングを武器にメジャー昇格を狙う。

No.17 Ronan Kopp (LHP)

今季の Kopp のマイナー成績

身長200センチの長身左腕は、最速99マイルの直球と曲がりの大きいスライダーを武器に奪三振の山を築くピッチャー。今季のK/9は15.59と脅威的。スライダーはやや安定性に欠けるが、新たに覚えたチェンジアップとともにパワーアップを遂げている。現在はスターターとして育成しているが、将来的にはリリーフに転向する可能性もある。

No.18 Nick Frasso (RHP)

今季の Frasso のマイナー成績

ドジャースは今夏のトレードで Mitch White と引き換えに Frasso を獲得。100マイル近い直球と85マイル前後のスライダーのコンビネーションは効果的で、奪三振能力の高い投手。最近ではチェンジアップにも力を入れており、投球の幅が広がってきている。プロ入り後は5イニング以上を投げたことが未だになく、リリーフとして起用される可能性も高い。改善点はあるが、ポテンシャルは最高級。

No.19 Carlos Duran (RHP)

今季の Duran のマイナー成績

16歳で契約したときからすでに身長200センチ、体重105キロの Duran は、昨年フルシーズンデビューを飾り、防御率は5点台だったものの81イニングで115奪三振を記録した。直球の球速は98マイルにも上るが、彼の武器は変化の大きいスライダーであり、マイナーでNo.1との声もある。94マイル前後のシンカーとチェンジアップも交えたピッチングで打者を翻弄する。ただし左打者を苦手としており、コマンドとそこでの改善が必要である。将来のクローザー候補とも言われている。

No.20 Yeiner Fernandez (C)

今季の Fernandez のマイナー成績

Fernandezは2021年のデビューシーズンに.355/.414/.488をマークすると、今季も若干20歳ながらAクラスで.292/.383/.430と安定した成績を残した。ファーム内に Diego Cartaya, Dalton Rushing という有望なキャッチャーがすでに二人いることもあり、今季は2Bもプレーした。優れたコンタクトスキルとUT性を活かし、来季は2Aへの昇格を目指す。

No.21 Kyle Hurt (RHP)

今季の Hurt のマイナー成績

2021年に Alex Vesia と共にトレードでドジャースに来た24歳右腕。Hurt の武器は4つの球種(フォーシーム、チェンジアップ、スライダー、カーブ)でいずれも平均以上の評価。リリースポイントが低いのが彼の特徴。A+クラスでは打者を圧倒したものの、2Aに昇格後は制球に悩まされパッとしない成績だった。将来的にはリリーフとしての活躍が期待されている。

No.22 Emmet Sheehan (RHP)

今季の Sheehan のマイナー成績

2021年ドラフトで6巡目指名された Sheehan は、低いリリースポイントから放たれる最速99マイルのフォーシームと落差の大きいチェンジアップを武器とする投手。球持ちも非常に良く、球速以上にボールが速く感じる。カーブを捨て、ハードスライダーを覚えたことで、効果的にバッターを抑えられるようになった。すでに奪三振能力は高く、ここからコマンドを改善できれば、ブルペンで大事な駒として起用されることも考えられる。

No.23 Edgardo Henriquez (RHP)

今季の Henriquez のマイナー成績

最速101マイルの直球を投げる20歳右腕は、過去に前腕と肘の故障歴があり、それ以降はあまり目立った成績を残せていない。カーブ、スライダー、チェンジアップを投げられるが、直球とカーブが軸。制球力が課題とされており、先発投手とリリーフのどちらで今後育成されるかは未定だが、リリーフとしてであれば、後ろのイニングを任せられるポテンシャルがある。

No.24 Michael Grove (RHP)

今季の Grove のマイナー成績

プロ入り後の2シーズンは期待以下の成績だったが、リリースポイントを低くしたことで制球が大幅に改善され、昨年8月に40人枠ロースター入りを果たした。速球は最速99マイルに到達し、落差が大きく高スピンレートの変化球も武器である。今季はメジャーで29.1イニングを投げたものの、目立ったピッチングはできなかった。来季はローテの一員として活躍できるかが注目される。

No.25 Jesus Galiz (C)

今季の Galiz のマイナー成績

2020年にヤンキースとの契約が一時決まっていた Galiz だったが、それを撤回し2021年にドジャースと契約。元々内野手だったこともあり、平均的なキャッチャーよりも俊敏で、肩も強い。打撃面でもコンタクトに優れ、もう少しパワーをつけることができれば、シーズン20ホーマーを記録できるポテンシャルを持つ。まだ年齢は18歳と若いため、今後の成長に期待される。

No.26 Wilman Diaz (SS)

今季の Diaz のマイナー成績

ベネズエラ出身の Diaz は、獲得当初は1シーズンで打率.280、20本塁打を打つポテンシャルを持つ選手として期待されていたが、プロ入り後は思ったように結果が残せていない。来る球すべてをスタンドに飛ばそうとする悪い癖もあり、ここ2シーズンは空振りの多さが目立っている。今のままでは活躍は難しそうだが、まだ18歳と若いため、今後の成長に期待したい。

No.27 Rayne Doncon (SS)

今季の Doncon のマイナー成績

Doncon は2020-21のインターナショナルクラスでは Wilman Diaz や Jesus Galiz の影に隠れていたが、いざデビューするとその2人を上回る活躍を見せた。ボールをバレルゾーンに飛ばす能力に長けており、将来は1シーズンで25ホーマーを期待できる逸材。肩が強いため現在はSSを守っているが、将来的には2Bや3Bへの転向もあり得る。

No.28 Logan Wagner (3B)

今季の Wagner のマイナー成績

今年の夏にドラフトされた18歳のスイッチヒッターは、アベレージも残せる一方でパワーもあると評価されている。左打席よりも右打席の方を得意としているが、いずれの打席もバレル率が高く、スイングスピードも速い。高校ではSSを守っていたが、プロ入り後は3Bに転向した。2Bや外野を守れるUT性も備える。

No.29 Peter Heubeck (RHP)

今季の Heubeck のマイナー成績

2021年に3巡目でドジャースに入団したHeubeck の武器はなんといっても落差の大きなカーブボール。スカウトからの評価も高く、最速95マイルの直球とのコンビネーションは抜群。コマンドと球速に改善の余地はまだまだあるが、潜在能力は高く、高卒ピッチャーにしてはスムーズに昇格の道を歩めている。来季はA+クラスでのピッチングに期待がかかる。

No.30 Ryan Ward (OF)

今季の Ward のマイナー成績

Ward は元ドジャースの Matt Beaty と比較されることもある打者だが、遠くにボールを飛ばすことに関しては Beaty よりも優れており、今季は2Aで28本塁打を放った。当初はプラトーンプレーヤーかのように見えたが、最近では左投手相手にも鋭いバッティングを見せている。守備と走塁は平均以下の評価。来年25歳を迎えるため、そろそろメジャーに昇格したいところ。


ざっと簡単に30人を紹介してきました。もちろん今回紹介できなかった選手の中にも将来有望な選手はたくさんいます。ですがこの30人が今後のドジャースの未来を背負っていく選手になることは間違いないと思います。ときにはトレード要員として放出されるプロスペクトですが、やはり個人的には生え抜きのプロスペクトがそのチームで活躍する姿を見てみたいです。

今年のWS MVPを獲得した Jeremy Pena のように、ルーキーながらもチームを引っ張っていく選手が来年ドジャースから出てくることに期待です。

では今回はこんなところで失礼します。

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