見出し画像

世界トレンドのブロック戦術

バレーボールにおいてブロックは最大の防御であり最速の攻撃という中な特殊なプレーです
攻撃的な側面もディフェンス的な側面も併せ持ったプレーです

トップレベルのスパイクはとても速さも勢いもあるのでブロックに当てて勢いを緩めなければ中々取るのが困難なのでブロックには止めるだけではなくワンタッチをとってレシーブしやすくする、コースを絞るといった多様な役割があり、まさに止めるだけがブロックじゃないという感じになってます

ブロックはスパイクが高速化、多様化するにつれてそのシステムを絶えずイタチごっこのように変化させ今ある形も数年後には世界最先端ではなくなってる可能性も大いにあります

今回はそのブロックについて基本的な用語から世界最先端の戦術まで書いていきたいと思います

1飛ぶ位置を決める

ブロックにおいてまず第一に大切なのはどこに飛ぶかを決定することです
レフトから攻撃してるのにセンターにブロックが飛んでも意味ないですよね??
だからブロッカーは飛ぶ攻撃の位置を外さないように努めます

❶リードブロック

リードブロックとはトスを見てから飛ぶブロックです予測型のブロックと違って間違った場所に飛ぶ可能性がほぼ無い一方で少し遅れてから動き出すのでブロックをしっかり完成させるには横移動が速くなければなりません

リードブロックは世界最先端では既に常識となりつつあるブロックで日頃から僕もバレーの試合を見る時には口うるさくリードブロック、リードブロックと言っています

また、リードブロックは相手の攻撃の速さに段々順応していくため、試合が進むにつれてブロッカーが適応するので試合が終盤になるにつれて完成度が高くなっていきます
ハイキューでは最後に咲うブロックと表現されています

一方で試合序盤は中々ブロックが完成しないことも多く我慢も必要なブロックです



❷コミットブロック

コミットブロックはトスを予測して予め決まった選手に飛ぶブロックです

後述のゲスブロックとはチーム戦術か個人戦術かというか違いが大きいです

コミットブロックは当たった時止められる可能性が高いというメリットがありますが外れた時ノーブロックや一枚ブロックになりやすくリスキーでもあります

トップレベルでは攻撃が絞られた時にたまに使う時があります

ハイキューでは音駒、和久谷南が烏野の変人速攻に烏野の日向が稲荷崎の双子速攻にやっていましたね


❸ゲスブロック

ゲスブロックはスパイカー個人がトスが上がる先を予測して飛ぶブロックです
ハマれば強い一方で外れた時のリスクもでかく個人戦術のためフロアディフェンス(レシーブ)を整えにくいというデメリットもあります

ハイキューでは白鳥沢の天童が行ってましたね


❹世界トレンドは?日本では?

世界トレンドはさっきも言いましたがリードブロックが主流ですがそれに加えて時折コミットブロックを混ぜるなどリードブロックを基本としつつコミットブロックの使い時で個性を出すという感じです

日本では代表やVリーグはリードブロックを行ってますがたまに選手が我慢しきれなくなってゲスブロックをしたりと徹底までは仕切れてないところが多いです

2ブロック陣形


❶スプレッドシフト

スプレッドシフトとは文字通りブロッカーが広がっている陣形です
真ん中、レフト、ライトとブロックがいるのでブロッカーが各攻撃に必ず一枚はいるのがメリットです
一方で真ん中に一人しかいないため一番トスされてから打つまでが速い真ん中からの速攻に弱いのがデメリットです

また、最初散らばってるのでブロックの間が空きやすいというデメリットもあり後述するパンチシフトよりはトータルディフェンスとの親和性が低いです

ハイキューだと烏野はこちらですし多分大抵の高校はこちらという設定だと思います

女子や男子の一部の国でスプレッドは採用されてます
男子では数年前まではこっちが主流でした

❷パンチブロック

パンチブロックはブロッカーが最初は真ん中に固まっている陣形です
スプレッドシフトでは弱かった真ん中からの攻撃に強い一方でサイドからの攻撃に対応するためには横移動の速さが必要です
こんな感じで真ん中に集まります
また、パンチシフトは固まって動くためブロックの間が空きにくいシフトです
そのため、トータルディフェンス(ブロックとレシーブが連動したディフェンス)

横移動さえ速ければ常に複数の壁を形成できるため最強と言えるでしょう
男子の世界トレンドはこちらです

ハイキューだと伊達工や鴎台のブロックがこちらです

❸ディディケート

ディディケートシフトはその名の通り専念するシフトで3人のブロッカーがレフト、ライトどちらか一方に偏るシフトです

偏った方の攻撃には極端に強い一方で反対側の攻撃には当然弱いというデメリットもあります

ライトからのバックアタックのない中学、高校予選レベルなら採用する学校もあります

ハイキューでは鴎台が序盤に旭さんをマークするためにレフトにディディケートを敷いたり、音駒が練習試合でやってましたね(あれは日向の誘導が主目的でしたが)

❹リリース

リリースは一人だけレフト又はライトに寄せておいて残り二人は真ん中にいるというシフトです
一人を徹底してマークしたいが反対方向もケアしないといけないという場面で使われます

ハイキューでは鴎台が2セット目に使ってましたね


3マンツーマンブロックとゾーンブロック

ここからは少しレベルが上がります

❶マンツーマンブロックシステム

マンツーマンシステムは相手の攻撃一人にブロッカー人をマークさせる戦術です
高校レベルでは使われる事が多く確実にブロックを一枚つける事ができるというメリットがあります

一方で攻撃が4枚以上になった時ブロッカーは3人しかいませんから請け負いきれないスパイカーが出たり
次の図のようにレフトが真ん中にセンターがレフトに移動して打つようなスパイカーの位置が入れ替わる時にブロックも入れ替わらないといけないという面倒さもあります

そのためトップレベルでは中々行いません

❷ゾーンブロック戦術

バレーボールには図のようにコートを縦に割って9つのスロットに分けて考えます

ゾーンブロック戦術はブロッカーが受け持つスロットを事前に分担して(分担スロットは被っても良い)このスロットからこのスロットまではこいつが対応という風に分担する戦術です

これならさっきの様に4枚以上の攻撃も入れ替わり攻撃にも対応できますね

また、ゾーンブロックはコミットで飛ぶとフリーなスパイカーが4枚以上の攻撃の時に出来てしまうのでリードブロックが基本になって初めて効果を発揮する戦術です

4横っ飛びはせず上に飛べ

従来のバレーではブロックの間を開ける事が禁忌とされており間を開けるなら横っ飛びしてでも詰めろというのが基本でした

しかし横っ飛びしたブロックは縦に飛んだブロックに比べて高さがです手にに力が入ってなく形が整ってないためスパイカーに利用されやすいブロックでもあります

そのため、間を空けてもいいから現代のトレンドでは横っ飛びせず止まって上に飛べというものとなってます

勿論空けないことに越したことはないんですがね
また、空いたブロッカーの間にはレシーバーが回り込んで対応ということで補ってます

ハイキューだとこのシーンが良いですね

以上ブロック戦術について初心者にも分かりやすいように書きました
バレー観戦の時各チームがどんなブロックシステムを採用してるのかに着目すればかなり深く楽しめるのではないかと思います(あっっこいつ今ゲスってしまったなとかケチをつけることも出来ます笑笑)

お読みいただきありがとうございました!!

いいなと思ったら応援しよう!