データで見る広島投手陣
1はじめに
野球というものは面白いもので主観での印象とデータで出ている数字によって導き出されたものとの乖離が起きることが多々あります
データを用いても完全に客観的な分析は出来ません
しかしある程度の客観性を保つことは可能です
今回はデータから見た今シーズンの広島の投手陣について見ていこうと思います
2まずは大まかな指標から
今シーズンの広島のチーム防御率は3.59とリーグ二位で、両リーグでも二位です
チームUZRが-3のリーグ三位と守備がまずまずの中でこの数字なのでかなり優秀な数字だと言えるでしょう(チーム両リーグダントツの最下位のUZR-32.3でチーム防御率一位の阪神は甲子園の特性に助けられてるとは言え異次元の投手力)
DER(ホームランを除くフェアゾーンに飛んだ打球の中でアウトになった割合)も.694でリーグ三位と本拠地を考慮したら特別運が良く来年揺り戻しが来ると言ったこともなさそうです
このように今季の広島は全体的に投手のレベルの高いチームであったことが伺えます
2セイバー映えしない投手陣
広島の投手陣の特性としてまず奪三振力の低さが挙げられるでしょう
奪三振率はリーグ5位の19.8%と低い水準です
また四球率はリーグ5位の9%と四球が多いのも特徴の一つで所謂セイバー映えのしない投手陣ではあります
三振を取れる投手だけが良い投手ではないですがここら辺はチームとして改善すべきポイントではあるでしょう
特に四球率の高さは四球の価値が他の球場に比べて高いナゴヤドームに弱い大きな理由になっていると思われますし要改善でしょう
3ゴロボーラーでもなければフライボーラーでもない
広島の投手陣といえば2016年辺りはゴロボーラーがかなりおり、ゴロボーラーがゴロを打たせて強力な内野守備でアウトを稼ぐというのが大きな特徴でしたが今シーズンはGB %がリーグ4位の47.3%と決して高いわけではなくFB%もリーグ3位の43.4%と打たれる打球の性質にあまり特徴のない投手陣になっています
4スラッター軍団
ピッチバリューを見ていくとwFAはリーグ3位の-15.7とストレートの効果は平均的(ただwFAは球種間の相乗効果を考慮できてないのでそこまで信頼には値できない)
傑出してるのがwCT(カットボール系統)の球の効果で33.5と両リーグダントツの一位の数字です
スラッターはカットボール表記が多い上スラッター使いが広島にはとても多い事から広島はスラッターを最も有効に利用できているチームと言えそうです
5終わりに
こうしてざっくりと見ていきましたがセイバー映えはしないものの広島投手陣は非常に今季は素晴らしい成績を残してくれ、それが今年大誤算続きであった野手力の低下をカバーし曲がりなりにもAクラスに留めてくれた大きな要因であったことは間違いありません
来季以降もこの投手力が維持されますように、、