一人ひとりの負担を、一人ひとりの充実に変えることができているか。
「手渡しをするように伝える」
「相手の話を熱烈に聞く」
「もっといい言葉はないか」
画面越しの阿部さんの言葉が、じんじんと胸に響いてくる。
約1年ぶりに参加した企画メシの講義は、反省したり、腑に落ちたり、ワクワクしたり、それはもう、ものすごく刺激的な時間だった。
コピーライター・作詞家である阿部広太郎さんが主宰の「企画でメシを食っていく2024」(通称:企画メシ)の第5回は「チームの企画」と題してチームで企画をする課題。
10年目を迎える企画メシの今年のテーマは、「いいチームを作るための連続講座」!
今期の軸ともなりそうなこのタイミングに、昨年の企画メシ2023企画生の北島が飛び入り参加させてもらったので、その様子をみなさんにお伝えしていきたいと思う。
まず自分と組むこと
今回の課題は、「2024年 せっかくだから何かひとつ企画する」。
この課題は私たちも経験させてもらったが、本当に難しかった。私自身どんなスタンスで会議に参加しようか、何を企画にするか全く定まらなかったことを、よく覚えている。
課題を出してくれた企画生たちに、いいチームをつくるための3つの大切なポイントについて阿部さんは話してくれた。
1つ目は「まず自分と組むこと」。
新人コピーライター時代の阿部さんは、上司に「当たり前のことを当たり前に書いていたら、君が書いている意味がない」と言われた経験があるそうだ。
その言葉から、自分の企画が、自分の心に触れているか、自分の心を通過しているか?と自ら問うことの大切さに気付いたという。
だからこそ、チームで企画を考える前にまず一人で考える。
「初回から120%で行うからこそ、インパクトや相手の熱量を引き出すことができる」と語る阿部さん。
そして、自問自答するために、意識していることを教えてくれた。
真逆の自分と組み、自分で自分と向き合う時間があるからこそ、チームが動いていく、始まっていく。
「初回こそ120%」という言葉を初めて聞いたときはまるで頭の中に稲妻が走ったようだった。やはり、何事も準備が必要で、それを突き詰めていける人が強いのだと考えさせられた。
互いを引き出しあう
2つ目は、年齢も経歴も関係なく、相手から何を学べるのかというスタンスでいることだ。つまり、互いに敬意を持ち、聞きあえる関係でいるということ。
「常に相手の話を聞けているかな?」
「相手はどう思っているのかな?」
というところを意識していると言う。
阿部さんは、こんな偉人たちの言葉も紹介してくれた。
チームで話し合うときに、「何か言わなくちゃ!」というマインドになりがちだが、それよりも、聞きあうことが大切で、「自分はこう考えているんだけど、どうかな?」と伝えることによって、相手から引き出すことの重要性を伝えてくれた。
その相手は敵ではない
自分の意見と相手の意見が一致しないとき、険悪なムードになってしまうことがあるかもしれない。そんな時に大切にしていることがあるという。
チームで話し合うときに、「何か言わなくちゃ!」というマインドになりがちだが、それよりも、聞きあうことが大切で、「自分はこう考えているんだけど、どうかな?」と伝えることによって、相手から引き出すことの重要性を伝えてくれた。
自分の気持ちを押し込めていたら、いつか爆発してしまう。相手の意見に折れることは簡単だからこそ、配慮しながら、遠慮せずに相手に自分の意見を伝える。どうしても伝えたいことがあるという時は、手紙を書くように丁寧に伝えていく。手紙を書くことだってある。
そういう愚直さも大切だと話されていた。
いいチームは、一人ひとりの負担を、一人ひとりの充実に変えることができる
いよいよ今回の「チームの企画」の課題について好評が始まった。
企画書は、仲間がいるからこそ書けるもの。
仲間でやるからこそ、一人ひとりに負担がかかる。
その負担を、一人ひとりの充実に変えることができるチームこそ、いいチームだと考えている阿部さん。
チームの好評を行うなかで、心に残ったものを以下に記載した。
聞いていて、冷や汗をかいた。私は、それができているかな…と、とても心配になった。というのも、現在私は同期の有志メンバーで「てがみの湯」という企画を行っている。ありがたいことに今回の講義では、なぜこの企画をしようと思ったか、どんな思いで活動しているかなどについて話しをする時間をいただいた。
てがみの湯は、温かいお風呂に浸かって自分を労わったり、ゆるめてあげれば、いつもより少しだけ優しく、温かくなれるのでは…という考えから生まれた。
というのも、私自身が社会人になりたての頃、何度も銭湯に救われた経験があるからだ。
カランの音、常連さんの話し声、ひろーい天井から降ってくる音たち、熱湯のブクブク、水風呂に入ったときの爽快感…。
その日嫌なことがあっても、湯舟に浸かれば、「大丈夫!」と思える。些細なことでパートナーと喧嘩しても、帰るころには自分の間違いを認められる。銭湯の暖簾を再びくぐるころには、「色々あったけど、今日も頑張ったよね」と思える。ただ、お風呂に入っただけなのに、なんだか心が軽くなる。
だから、銭湯に通うことは、自分にやさしくすること。そう思うようになった。そんなときに、銭湯であったかい言葉に出会えたなら。その言葉を手紙にしたためて、送ることができたなら。私は、もっとたくさんの人に銭湯文化とやさしさを広められると感じた。
企画メシ2023に参加しているとき、そんな思いを課題を通して周りに伝えたところ、一緒にやりたいと手を挙げてくれた仲間や、力を貸してくれる仲間もどんどん増えていった。いろいろな人の力を借りながら、コツコツとあたためてきた。
企画メシに入っていなかったら、この企画は存在していない。湯舟と言葉に包まれる空間を沢山の人に体感してほしいとの思いから、企画メシを卒業してからも、ミーティングを繰り返し行い、5人の大切な仲間たちと共に、心を込めて、育ててきた企画だ。
一人だったら、ここまでできなかった。チームだからこそ、できたと強く思う。
みんながいたから、ここまでできた。
実は、てがみの湯の企画段階で阿部さんに相談させてもらったことがあり、「実現したいという思いがあれば大丈夫ですよ」という言葉をいただいたことがある。
本当にそうだと思う。私たち「てがみの湯」メンバーは、その思いに突き動かされてここまで来た。
私は昨年企画メシの講義を受けて、企画することの面白さを知った。たくさんの人の企画書を見て、わくわくした。やってみたい!と何度も思った。それと同時に強く思い知らされたことがあった。
「実際に行うのが一番難しい」と。どんなに面白い企画も、実行しなければ机上の空論だ。せっかく企画メシに参加して、こんなにも尊敬できる人たちと出会えたのに、このまま終わるのはもったいない。100%やりきりたい。いまやらなきゃ、ずっとできないだろう。そう思った。
企画の実現まで、ちょうどあと1ヶ月というタイミングで、この講義に参加できて、心からよかったと思う。今の自分に足りないものがよく分かった。反省の連続だった。
今回、チームの企画の講義を受けさせてもらって、1年前の自分を思い出した。
だけど、阿部さんの厳しくもあったかい言葉の中に、悩んでいたことの答えがあった。
企画メシ2024のみなさんも、この機会に立案した企画を育てていくのだと思うと、なんだかワクワクする。微力だが、企画の実現を応援している!!
阿部さんは、最後にこんな一言で講座を締め括った。
「自分の人生の目の前の景色を変えていくチャンスとして、取り組んでいただきたいと、そう強く思っています」。
一つひとつ思いをもって取り組めば、きっと大丈夫!
一緒に楽しくのたうちまわろう!
執筆:企画メシ2023 北島
編集:河野瑞紀
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最後に「てがみの湯」の告知をさせてください!
\ 十條湯さんにて!「てがみの湯」開催♨ /
11月23日は、いい文(ふみ)の日。
この日に合わせ、19日(火)~24日(日)でイベントを開催します!
期間中は、浴室に「明日の自分へおくる言葉」に関するてがみを展示します!お湯と言葉につかって心も身体もリラックスしてくださいね。
会場は、北区にある銭湯 十條湯さん♨ 同じ施設内に喫茶が併設されている、都内でも珍しい銭湯です。喫茶「深海」には、レトロ可愛いメニューがいっぱい!イベントでは、お風呂だけでなく、ぜひ喫茶「深海」でもゆるまっていただけると嬉しいです!
22日(金)には、水を抜いたお風呂で展示会を行います。十條湯さんのタイル絵は圧巻!男湯と女湯を入れ替えない十條湯さんで、どちらの湯も見られる貴重な機会です!
写真を撮ったり、展示と向き合ったり・・・ ゆっくりと言葉につかってください。
また、クリームソーダを贈ることのできるレターセットも用意しました。1年後の自分や、大切な方へのプレゼントにいかがでしょうか。
イベントの詳細は、X(旧Twitter)やInstagramで発信中!
X ※明日の自分に贈る言葉」を募集中!こちらのご参加もお待ちしております。
十條湯でまってるよ~!