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「こんなサービスあったらいいな」が生んだビジネス―夜型人間ノための【夜活カフェ】への挑戦

清水 絢吾 さん
東京都在住
30代
Web系の広告代理店で経験を積んだ後、事業会社にマーケターとして転職。会社主催のセミナーで細野に出会い、2023年Fukusenに加入。夜に活動ができる場所がほしいと夜活カフェを起案。25日間のテスト営業を経て、今は次なるビジネス実験に向けて協力してくれるカフェを開拓している。Fukusenを通じて、自分で事業を考える面白さを体感し、2025年1月にフリーのマーケターとして独立。

●清水さん主催の夜活カフェ instagramアカウントはこちら
https://www.instagram.com/yorukatsu.cafe/?hl=ja

Fukusenに入ったから、動き出せた

私にとってFukusenは、始まりの場所です。Fukusenに入ったから動き出せた。まさか自分でビジネスを考えて、実現に向けて動き出せるようになるとは思ってもいませんでした。

自分とは異なる分野でのチャレンジを聞けるのもFukusenの魅力

Fukusenとの出会いは、事業会社でマーケターをしていた前職。会社主催のセミナーで細野さんのお話を聞いたのがきっかけです。
「スモールグッドビジネスを自分で持つ新しい生き方」というテーマで、最後にFukusenが紹介されて。会社員生活に対するモヤモヤもあって、いつか自分でビジネスをやりたいという、漠然とした思いがありました。
1ヶ月無料と聞いて試しに入ってみようかと。2023年の9月だったと思います。
入会後は何回か視聴者として壁打ち会に参加しました。
この手の場って、堅苦しいプレゼンっぽい場が多いと思います。私も最初は緊張しながら参加したのですが、入ってみると雰囲気がすごく良くて、話しやすくて。
テーマは違えど、参加者の目指す方向が同じだからこそ、失敗もポジティブに共有し合えるすごく居心地のいい場でした。何度か視聴者として参加したあと起案したのが「夜活カフェ」です。

朝活の良さはわかるけど、早起きは辛い…。夜型人間のための夜活カフェがあったら

夜活カフェとは、その名の通り、夜活の質を高めてもらうことを目的としたカフェです。

夜活カフェとは

早起きの大切さは散々語られていますし、朝活を薦める本はたくさんありますが、私は早起きができません(笑)。良さは十分わかっているのですが、夜型人間なんです。
夜型生活の難点は、朝活と違って活動場所が限られること。
作業をするのに最適なカフェは夜には閉まってしまいます。
スタバの閉店時間は、都内だと大体22:00~22:30。だったら家で何かしようと思うのですが、帰ると疲れて寝てしまったり。ダラダラと動画を見てしまったり……。
こういう人って多いのではないかと考えて起案したのが、「夜活カフェ」です。夜活の質を高めるべく、閉店時間の早いカフェを開放して作業に集中できる空間をつくれないかと考えました。
イメージは深夜営業の図書館です。こだわりのカフェ空間を無人で開放して、勉強をしたり、仕事をしたり、副業をしたり。夜の時間を有意義に過ごせる人が増えたらいいなと。
夜活カフェの売上の一部をカフェオーナーに還元することで、利用者も、カフェオーナーもwin-winになるのではないかと考えました。

ニーズ調査のため、駅前で300枚のチラシをまいた

壁打ち会で起案をすると、細野さんからニーズ調査をすすめられました。
夜活カフェはオフラインの店舗型なので、そもそも予定しているエリアにニーズがあるかを確認した方がいい。
ニーズ調査のため、チラシをまいてはどうかとアドバイスをもらいました。
チラシはcanvaというデザインツールを使うといいと聞いて、見様見真似で自作しました。

自作のチラシ

実験エリアに選んだのは中野坂上・東中野周辺です。
都心に近くて20代後半ー30代前半の方が多く住んでいて、深夜営業のカフェが少ない。
早速、東中野駅から商店街に行く導線で300枚のチラシをまきました。当時は会社員だったので、テレワークの日の昼休憩とか、空き時間に足を運んで1ヶ月くらいかけて手渡しでまききりました。
チラシには、夜活カフェを始めようとしていること。利用するかもという方はLINE登録をお願いします、と記載しました。
あくまでニーズ調査を目的としたチラシです。
チラシ配りなんてしたこともなかったので、面白かったですね。
ほとんど素通りされてしまうんですけど。何とか足を止めてもらえるように、「夜活カフェ」というキーワードに目がいくように渡し方を工夫したりして。最初は素通りをした方が「ん!?」と取りに戻ってきてくれたこともありました。
結果、300枚のチラシから30人の登録がありました。
10人に1人の反応。
これを多いと取るか、少ないと取るかは判断が難しいところですが、リアクションがあったこと自体がすごく嬉しくて、「夜活カフェを実現したい」という気持ちが一気に高まりました。

半年かけて、カフェを開拓。25日間、自力で夜活カフェを営業

チラシの反響結果を壁打ち会に持ち込んで、次のステップを相談しました。細野さんからは、軍資金を出すからテスト営業をしてみようと言ってもらって。協力してくれるカフェを探すことにしました。
個人経営のカフェで、夜は営業をしていなくて、座席数もそれなりにあるカフェを探して、20件程アプローチしました。
何件か話はできたのですが、実施には至らず……。
3ヶ月程かけて探したのですが、難しくて。
エリアを変えたほうがいいとアドバイスをもらって、対象エリアを一気に拡大しました。
さらに3ヶ月程かけてようやく見つかったのが、狛江市にあるカフェです。オーナーさんから割とすんなり「いいよ」と言っていただいて。

協力してくださったkomae cafe

そこからは、どういった形でテスト営業するかを組み立てました。
入場料は一人500円。ドリンクはセルフサービスにしてドリップコーヒーと紅茶のティーパックを用意することに。
カフェ側にも謝礼をお支払いして。営業時間は19時から27時にしました。

ドリンクはセルフサービスに

集客はFacebook広告でエリアを絞って配信して、チラシも作ってまきに行きました。

営業は週に2回、水曜日と土曜日。
2ヶ月で25日間営業しました。
最終的には無人営業を考えていますが、テスト期間ということで私が全営業日カフェに行って、運営しました。と言っても、ドリンクはセルフサービスなので、受付でお金をいただくくらいでしたが。
水曜日は27時にお店が閉まって、その数時間後には仕事があったので、リモートワークに助けられました(笑)。

応援に駆けつけてくれた細野さんと

ビジネス実験にかかるコストを出してもらえるから、挑戦のハードルが下がる

25日間、営業をしてみて色々な気付きがありました。
来店数は1日あたり平均7名。2-3人の日もあれば、入れ替わり立ち替わりで10人くらい来店した日もありました。
スタバなど大手チェーンが閉まる21:00頃に来て、23-24時ごろ退店する方が多かったのは予想通りでした。
逆に意外だったのが、女性客が多かったこと。6割以上が女性のお客さんでした。中にはお母さんと高校生くらいの息子さんという親子連れで来てくれた人もいました。

夜活カフェ営業中のひとコマ

準備費用にかかったのはトータル10万円ほど。
セルフサービスのドリンクを準備したり、集客用のMeta広告やチラシ作成に使いました。収支面は厳しくて。
入場者から五百円もらって、カフェ側にも気持ちばかりの謝礼をお支払いしました。お店のキャパが8名だったので、利益を出すことができず……。
今後は、入場料をあげるか、キャパの大きいカフェの方が良さそうということで、今は次なるカフェの開拓に乗り出しているところです。
準備にかかったコストは全てFukusen持ち。自腹で10万円を出して実験するかというと、意外と心理的なハードルは大きいですよね。
Fukusenであれば月1万円の会費で、実験費用を出してもらえます。
こうした仕組みがあるから、参加者は動き出せる。挑戦のハードルが下がるように設計されている点に、Fukusenの素晴らしさを感じています。

夜活カフェを無人で営業、いつかカフェ経営にも挑戦したい

夜活カフェは今後、無人営業に挑戦したいと考えています。
そのためにはトラブルを回避できるよう、利用者には事前に会員登録をしてもらったり、スマートロックを導入して会員しか入れないようにしたり。
コワーキングスペースの手法を取り入れるといいのではと考えています。
会員制にすることで、カフェオーナーは顧客データを入手できる。昼営業のプロモーションにも活用できますし、マーケティングの選択肢が広がりますよね。
私自身のマーケターとしての知見も活かしながら集客のお手伝いもできそうな広がりを感じています。
今後は夜活カフェを仕組み化して、全国に広げられたら面白そうですし、ゆくゆくは自分でカフェ経営をするのも楽しそうだなと考えています。

プライベートでは野球を楽しんでいます

実はこの年末に会社員を辞めて、2025年1月からフリーランスとして独立しました。Fukusenを通してやっぱり自分でサービスを考えたり作るって楽しいなと思って。
やらない後悔はしたくない。これからも好奇心を持ったことには積極的に挑戦したいですし、そのためには時間的にも金銭的にも自由度のある人生でありたいと考え、決断しました。
会社員の時と比べて自由時間も増えたので、引き続き自分なりのスモールグッドビジネスを模索していきたいです。

●清水さん主催の夜活カフェ instagramアカウントはこちらhttps://www.instagram.com/yorukatsu.cafe/?hl=ja

(取材・文/藤井恵)

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