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中高生が“自分の好きなもの”に一歩近づくことができる「発見型アルバイト!しごトレジャー」というビジネスチャレンジが生まれるまでvol.02~
いつかは自分でスモールグッドビジネスを立ち上げたい人のための実践型コミュニティ【Fukusen】には2023年5月現在、100名のメンバーが参加しています。彼らはどのようなバックグラウンドをもち、Fukusenという場を活用してビジネス「実験」を行っているのでしょうか?
こちらの記事ではビジネス検討が具体的に進んでいるメンバーを直撃し、その多様なバックグラウンドとビジネスの進捗を不定期でご紹介します。
前回の記事では、Fukusenメンバーの上野さんが「発見型アルバイト!しごトレジャー」を起案するまでの経緯や、ご自身の娘さんを対象に行った第一弾ビジネス実験、第二弾の無料ビジネス実験の模様をお届けしました。
vol.02となる本記事では、対象を広げて行ったビジネス実験の第三弾、第四弾の模様とそこから得られた気づき、最新の状況と上野さんがFukusenで得たものについて話を聞きました。
第三弾、有料のビジネス実験で気が付いた
サービスコンセプトの設計ミス
-第二弾のビジネス実験は社内の方に無料で行ったものの、有料化へは至らず。そこで第三弾は有料の実験をしたとのことですが、どうやって集客したのでしょうか。
細野さんのFacebookでお声がけしていただき、2名の方が実験に協力してくださいました。初回1,000円という料金設定でしたが、お金をいただくのは初めてなので失礼がないように気をつけてやりとりをしました。
どんな社会人に話を聞きたいのかヒアリングすると、一人が俳優で、一人がカウンセラーでした。当時は「なりたい仕事を探す」というコンセプトにしていました。なのでなりたい職業をヒアリングし、それに近しい人をアサインする方式にしていました。
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Fukusenメンバーに声がけをして、俳優とカウンセラーの方を必死に探して何とかアサインに成功しました。
-俳優さんまで捕まったんですね(笑)!?
そうなんです。Fukusenメンバーの知り合いの俳優さんが協力してくださいました。
ただピンポイントのアサインに成功したことで、2名の実験参加者から「ありがとうございます。話を聞きたい人に話が聞けて、大変満足しました!」と言われ…。サービスを継続利用いただくのは難しいという結論に至りました。
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そこでこの結果を週次LIVEで共有しました。細野さんと壁打ちをする中で、サービスコンセプトが良くないのではないか?という話になりました。「なりたい職業を探す」というコンセプトだと継続利用が難しい。そもそも、進路探しとはそんな単純なものではなくて。色々な人の話を聞いていると、なんとなく方向性が見えてくるもの。だから、このサービスもそういう方向性のコンセプトにしよう、と。
そこからコンセプトを「進路探しの第1ステップ」に変えて、ホームページでの打ち出し方もガラリと変えました。ターゲットもこれまでは「中高生」と謳っていたのですが、進路が具体化している高校生だと少し遅いと考え、中1・中2をメインターゲットに絞ることにしました。
-なるほど、一気に方向性を変えたのですね。
そうなんです。「ビジネス実験をして、その学びを元に細野さんと壁打ちをする。」Fukusenが掲げているステップの価値を、この時、身をもって体感しました。この時点で、最初に起案をしてからすでに半年近くが経過していました。
コンセプトを練り直して臨んだ第四弾のビジネス実験。
そこで気付いた、「真の顧客」
-コンセプトを練り直してから、どうしたのですか?
もう一度、有料実験をしました。Fukusenが活用しているuniiリサーチという、オンラインのユーザーインタビュープラットフォームがあります。そこで「子供の進路にモヤモヤを抱えている親御さん、話を聞かせてください」と募集しました。応募があった5名の親御さんと1:1でお話をしました。4名がお母さんで、1名がお父さんでした。みなさん、かなり教育熱心な方々でした。
先方のモヤモヤを聞きながら「こんなサービスあるんですけど、やってみませんか?」と営業をしたのですが5名共に刺さらず、ビジネス実験には至りませんでした。
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●子供にバイト代を払うというコンセプトが理解できない
●本当にいい人をアサインしてくれるなら、どんなに高くてもアサイン代を払いますけど
と、こんな反応でした。
「子供の進路を真剣に考えるお受験ママに、このサービスは刺さらない」という気づきを得ました。
-なるほど。そこからどういう展開に?
uniiリサーチとは別ルートで捕まった2名の親御さん、同時並行でビジネス実験を進めていました。1名が細野さんのFacebook経由、もう1名がFukusenへの興味からHPに直接応募してくださった方で、どちらもお父さんです。
一人目は中1女子でした。インタビュー相手はコンサルタントとタイ在住の人材派遣会社勤務の方の2名です。インタビューが終わったあと、かなり興奮気味にお嬢さんから親御さんへインタビュー内容の報告があったようで。実際に後日録画を見られたお父さんから「非常に価値を感じました。代替サービスもないし、子供も継続的にやりたいと言っているので、サービスが本格スタートしたら声をかけてください」と言っていただきました。
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-ついに顧客が見つかったんですね!もう一名はどうでしたか?
小5と中2、二人の子供に1回ずつインタビューをさせたいという話でした。小5のお子さんには化学メーカーの方、中2のお子さんはデザインに興味があるということでFukusenの助っ人デザイナーさんをアサインしました。
結果、小5の子には少し難しかったようですが、中2の子にはかなり刺さりました。録画を見たお父さんからは「ただ話しているだけのように見えて、実はかなり学びが多い。サービスがスタートしたら是非参画したい」という反応を頂きました。
実はこのサービスが刺さったお父さん、二人とも会社経営者でした。ここでサービスのターゲット像が明確に言語化されました。
受験まっしぐらな教育ママではない。経営者のような視座の高い親御さんなんだ、ということです。そこから細野さんと壁打ちをし、商品を設計しました。30分2名とのセッションで月額14,800円、初月5,000円という商品にすることにしました。
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Fukusen助っ人クリエーターに相談をしてコンセプトやキャッチコピーをさらにブラッシュアップし、5月からいよいよこちらのプランで本格募集をスタートします。
インタビュー内容もブラッシュアップし、
子供の心が整う内容に
-4回に渡る実験で、毎回着実にステップアップし、サービスがブラッシュアップされている印象を受けます。子供達が行うインタビューの内容も変わってきているのでしょうか?
当初は1回50分でスタートしましたが、うちの娘も質問をひねり出すのに苦戦していたので30分に短縮しました。
また、内容については質問をブラッシュアップしています。もともとは仕事の内容、やりがいを問う質問をメインにしていました。
それに対してある親御さんから
●中学時代にどんなことをしていたか?
●それが今の自分にどう生きているか?
という質問を追加したらどうかという感想を頂きました。
実際にこの質問を盛り込んだところ、子供にすごく受けがよくて、会話が盛り上がるようになりました。録画を視聴したある親御さんから「子供の心が整うサービスですね」と言っていただいた時は本当に嬉しかったですね。
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Fukusenでの学びは、本業にも生きる。
だから、転職経験のない人にこそ薦めたい
-これから始まる本格募集が楽しみですね。最後に、上野さんがFukusenのどんなところに価値を感じているか聞かせてください。またどんな人にFukusenを薦めたいと思いますか?
転職経験のない僕は、副業を頑張ってみたいという目的でFukusenに加入しました。実際に加入してからは、提供されているビジネス講座的な動画を視聴したり、毎週オンラインで開催される週次LIVEに参加したり、おすすめされている本を読んだりしてきました。
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一通りインプットをしたあとは、こうして実際に自分でビジネスを起案し、細野さんや助っ人の方々のサポートを受けながら事業を開発する経験を積んでいます。こうした経験を通じて強く感じているのは、本業へのプラスの影響です。好きなことをやりながら、結果としてリスキリングできてますね。
Fukusenを通じて確実に視座が上がっており、これが本業にも生きているように感じています。20年近く、一つの会社に勤めてきたことで知らず知らずのうちに会社の常識が自分の常識になっていることに気が付きました。転職をせずに外の世界を見られる経験というのは大変貴重です。これまで会社の中でしかキャリアを考えてきませんでしたが、自律的なキャリアというものを考えるようになりました。
僕のように、転職経験がなく1社で勤め上げている人こそ、視野を広げる意味でも参加してみるときっといい刺激になるのではないかと思います。
副業で年商1000万。そのプロセスをFukusenがサポートします
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Fukusenメンバーでしごトレジャーの起案者、上野さんのビジネス実験の模様をお届けしました。
Fukusenファームでは、上野さんのように本業を持ちながら事業開発にチャレンジしたい、自分のビジネスを持ちたい方に向けて、スモールグッドビジネスの立ち上げサポートをしています。ビジネスの種を着想するための基礎講座や、立ち上げ期の迷いを壁打ちするビジネスデザイナーによるサポート体制も充実しています。
ファームメンバーは定員100名限定。現在満席となっていますが、LINE登録いただいた方には空席が出来次第、お知らせします。
(取材・文/藤井恵)