通信制大学生が就活で聞かれてモヤっとするあの質問の攻略法を教える
社会人や主婦が、習い事/生涯学習感覚で入学することが多い通信制大学。
そんな通信制大学に、高校卒業後の10~20代の「現役の大学生」として入学する人たちには、持病、家庭の経済的な事情など、皆それぞれ様々な背景事情がある場合がほとんどだと思う。少なくとも私が見てきた中ではそうだった。
そして、そんな「現役」の通信制大学生の彼ら彼女らが、卒業が近づくにつれ必ず直面するのが、就職活動だ。
通信制大学生の就活について、ネットでは驚くほど頼れる情報がない。
そもそも通信制大学自体、生涯学習を主たる目的として運営されている教育機関なので、通学制の大学と違いキャリアセンターのように進路について相談できる窓口もないことが殆どだ。
私自身もそうした情報のない中、「現役」の通信制大学生としてかつて就活し、無事成功を収めた経験をnoteでシェアしているのは、少しでも同じような境遇の人の役に立たせたい気持ちからだ。
通信制大学生の就活方法や強み弱みなどについて、これまで上記の記事で書いてきた。
今回は、通信制大学生が就活で聞かれてモヤっとしがちなあの質問について書いてみようと思う。
「学生時代頑張ってきたことはなんですか?」
学生時代頑張ってきたこと、所謂「ガクチカ」問題。
学生時代の主語ではなく、「これまでの人生で頑張ってきたことはなんですか?」と聞かれることもある。とにかく、この手の”頑張ってきたことを聞くことを通して相手のグリッドや実績を見たい”という質問を受けて、モヤっとしない通信制大学生はいないんじゃないかと思う。
こちとら、学生時代どころか、人生ずっと頑張ってきたんやが???
そう思って面接官の胸倉を掴みたくなるのではないだろうか(私がそうだった)。就活の場で自分を選考する面接官は、基本的に恵まれた環境で大学を卒業した相手と思った方がよく、基本的に相手は通学制の大学生の選考を想定しているので、普通にゼミ活動やインターン、アルバイトなどをして適度に遊んで過ごした大学生を想定している。だから、体育会系の部活動の試合でこんな結果を出しましたとか、ゼミでこんな研究をして入選しましたとか、そんな模範解答だらけが並んでいる就活対策本を手にとっては当時の私は失神しそうになっていたものだ。こんな実績、私にはないよ…とすっかりしょげかえっていた。
冒頭でも書いた通り、現役の大学生の年齢で通信制大学に入学する人は、多かれ少なかれ事情を持っているものだ。(家庭の事情なり、持病の関係なり理由は人それぞれだけれども、何もかもに恵まれてきましたという人がわざわざ通学制ではなく通信制を選ぶケースは稀と思われる)何らかの事情を抱え、現役で通信制大学に入学し、通学制よりも留年リスクが高く勉強にも真面目に取り組まざるを得ない過酷な環境の通信制で卒業を目指す、というのは、通学制で大学生をやるよりも、ずっと大変なことなのだ。そもそも「通信制大学で学び、卒業が見込めるほど単位を修得した」というだけで、立派な誇っていい実績だと、身をもって経験した私は思う。頑張っていない通信制大学生などいないし、頑張らなければ卒業できないのが通信制大学だからだ。しかし、それを通信制の環境で学んだ経験のない面接官にアピールするのはいささか分が悪い。
そのため、通信制大学生として真面目に学問に取り組んできたことに加えて、アルバイト先なりインターンなり、何かしら進路に結び付きそうな職能(もしくは実績)を獲得できそうな活動を、就活の強み作りのために、学生時代に学問と並行して行うことを私は強く勧めたい。
ただでさえ単位取得が難しい通信制大学生の立場で、更に何かをするというのは精神的にも体力的にも大変かもしれない。けれど、その活動の差が進路を大きく切り拓くし、私自身、本業の学問と並行して行ったインターンで実績を作ったことを大きな強みにして就活に挑み、無事成功を収めた。
頑張っていない通信制大学生などいない
繰り返しになるが、頑張っていない通信制大学生などいない。
その上で、本業に加えて+α、何かを興味のある進路に繋がる活動を行ってみてほしい。そこで様々な経験をして、実績らしきものを作れば、それを強みとして例の質問に答えられる。
例の質問をされて、ずっと頑張ってきたよ…とつい感情的になってしまうのが自然な反応というものだ。けれども、その気持ちをグッと抑えて、就活における強みを用意して答えてあげるのだ。どうか耐えて、切り抜けて勝利を獲得してほしいなと思う。
人よりも、多くのことを頑張らなければいけない通信制大学生だからこそ、得られる強さとガッツは一生モノの宝になると思う。私自身、通信制大学生として過ごしたあの学生時代の経験があるからこそ、何とか今でもやってこれているなあ、と感じる部分が多々ある。通信制大学生という過酷な環境下で卒業まで辿り着いたこと、それを通じて得られる自己管理能力、年齢差を気にせず多様な人種の中に溶け込む適応力、人と違う経歴を獲得し、それを強みにするという経験、ハードな学問と並行して何かしら活動をつづけたバイタリティー。そのすべてが、この先あなたを助けてくれる強みになる。どうか、「現役」の通信制大学生として就活に挑むすべての人が、各々の幸せな進路をつかみ取ってほしいなと思う。