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Sonny Stittインタビュー(1965)

今回はSonny Stittのインタビューを訳しました。

この記事はインタビュアーの質問が載っていないのでSonny Stittが1人で話してるような形式になっています。

翻訳元の記事↓

それではいきましょう。

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ジャズサックス奏者であるSonny Stittが自身のスタイルや「一匹狼」としての存在、他のミュージシャンとの共演についてLes Tomkinsに語った。それからジャズの起源について議論している。

1963年に音楽評論家Steve RaceがSonny Stittのことを「精一杯のCharlie Parkerのコピー」、「すべてを個性に見せかけている」と非難した。同時にStittへのアドバイスも行っている。「今こそ彼はParkerのプレイをやめて、Stitt自身のプレイに立ち返るときではないのか。」この批評への彼のアンサーが込められた次の文はSonnyによって私に向けられた。1965, Les Tomkins

SS: おれらは完全に自分自身の演奏スタイルを持っている。どう演奏をするのか、ライブをやるのか、どうフィールするのかを誰かれ構わず話すことはできない。その話をしようとする人には、その人が知ってることをそのまま話す。おれは自由なマインドを手にするぜ。自由になれなかったらどうやってプレイするっていうんだ。プレイに関して言うことは無い。誰しも自分のスタイルを求めたがるべきなんだ。

おれはいつも自分自身でいる。彼らがおれとCharlie Parkerについて語ってるときみたいにさ。
おれとCharlie Parkerはずっと昔は同じ手法でサウンドを出していた。Parkerは "おまえおれみたいなサウンドだな。" って言ってた。それに対して ”あんたおれみたいなサウンドだね。” って返したよ。"おれらじゃどうしようもないね。"ってことでおれらはそれで同意した。それからおれらは街に繰り出して、ビールを飲んで、音楽をやったのさ。

おれの今の演奏についてひとつ言うべきことがある。今のおれには前やっていたようなテンションは無い。その代わりに世界中を旅していろんなレストランで食事をすることがおれの情熱になる。でも音楽への熱が冷めたとは考えちゃいけない。家に帰ってリラックスして美味しいディナーを食べて子供を見ることと音楽は同じじゃない。それも楽しいんだけどね。おれは音楽をやって家族を食わせて行かなくちゃいけない。おれは音楽にすべてを懸けている。どっちでもいいがな。

アルトサックスとテナーサックスの間の好みがあるように、どっちがおれのベストな楽器なのかわからない。ただ2つの違うキーなだけでサックスはサックスなのさ。
おれはオーディエンスの望みに寄り添っている。オーディエンスがおれのアルトを聴きたがっているなら、おれはアルトでプレイする。もしおれのテナーが聴きたいなら、おれはテナーを演奏する。そういうこと。それこそが5月のRonnie Scottのクラブでテナーをたくさん演奏した理由。求められていたのがおれのアルトじゃなかったんだ。おれはそのアルトには明るくないし、めちゃめちゃ好きってわけでもなかった。
アメリカにあるおれのホーンは修理に出していたんだ、ゴールドプレートとか諸々をね。修理工の男がめちゃくちゃ遅かったから家に帰ってホーンが戻ってくるまで待とうって決めたんだ。自分のアルトのマウスピースすら手元に無かったんだぜ。オーディエンスのリクエストがあればおれはアルトを演奏したよ。見たろ?おれは音楽の奉仕者なのさ。人々を楽しませようとしている。

毎日仕事をする人やおれのプレイを聴きに来てくれる人のためにおれは仕事している。一方でおれは他のミュージシャンのソロにリスペクトを示さない行為を非難しなくちゃいけない。"ステージを見ろ、彼らに拍手の一つもしたくないのか?" っておれは言う。彼らの手は止まって退屈そうに見える。ときどきヒップに感じている客もいるけどね。彼らは本当は楽しんでなかったんだろうな。おれにはわからない。複雑な問題さ。絶対にわかるわけがない。

おれがRonnieのクラブでやってたような良いリズムセクションを聴いたとき、客は誇りに思っていいぜ。そういうリズムセクションは毎晩ベストなプレイを提供するんだ。おれは自分のホーンを自分の方法でプレイする。おれらはただ技術を持ち寄るんだ。すごく良い時間だぜ。おれはオーディエンスだけではなくバンドにもコミュニケーションを図ろうとする。おれらを気持ちよく演奏させてくれ。1通の手紙を書いてるとき、それは返事を受け取る唯一の方法なんだ(テイクのためにギブするという意味だと推測)

ライブや劇場でのおれの仕事のルーティーンはクラブと同じだ。ほとんどの場合カルテットなんだ。ときどき2ホーンとリズムだったり、ビッグバンドってこともあるけど。おれはいわゆるフリーランスってやつなんだ。一匹狼みたいな感じさ。ときには厳しい状況もあるよ、だって小さいバンドはそれぞれ音楽に対して違った臨み方をしているからね。
フリーランスの人間はまず最初に仕事をするバンドの分析をしないといけない、それから彼らが演奏することをプレイするんだ。バンドを困らせるな。おれは多分3000曲ぐらい知ってる。彼らが知ってるのは100曲ぐらいだろうからおれは彼らが知ってる100曲をプレイしておれが知ってることは自分の中にとどめておくのさ。わかるか?協力だ。この世界にはたくさんの争いとストレスがある。誰かのフィーリングを傷つけるべきじゃないだろ。おれの仕事はいつもハッピーなものなんだ。

おれは良いもの、フレンドリーな雰囲気を作らなければいけない。キャッツたちに良くして彼らがリラックスするようにしろ。おれは自分の仕事を陰気なものにしたくないんだ。おれが客でも一緒。おれは演者に聴きたいものを演奏させる。彼が演奏できるならの話だけど。おれが拒絶するって?おれは誰の何もジャッジしない。"パーティーに来なよ、初めてだろうけど。おれができる限りの音を出すから落ち込んじゃいけないよ。" 彼はおれに向けて音を出してくれた!おれはそこから長らく離れて、人々とのライブを学んだんだ。

自分ひとりで演奏しても何も楽しくないぜ。やってみなよ。みんな人に伝えることをやってるんだ。人間はだれしも違う。この人はこのやり方でプレイするだろうし、あの人はあのやり方で演奏するだろうな、おれはまた別のやり方で演奏するぜ。いろんなやり方で一つのスケールを演奏することができるし、いろんなやり方で一つのアイデアを持つことができるんだ。

おれは年を取るとともに円熟味を手にしてると思う。これだよ。これからもいろいろ学んでいきたいと思っている。音楽で人々を踏みにじることはできない。音楽好きが集まる現場に行かずに彼らがやってることを嫌悪することはできる。彼がやっている間違ったことの揚げ足を取ることができるかもしれない。でも彼に必要以上に突っかからなくてもいい。彼は彼の考えがある。同じビジョンを持つ2人のパートナーを持つんだ。彼の心の目、彼のやり方でそれぞれ見るんだ。だから2つの違った考えを知るのさ。

もちろんジャズ好きからやり方を着想するようになる。いろんな人たちが正確なノートとコードを確認して彼らのアイデアの共通点を使おうとする。少し無謀なこともいくつかあるし、特異なものをやろうとすることもある。音楽は素晴らしい色どりを加えるためにリズミカルなビート、タイム、明瞭なノート、アイデア、イマジネーション、感情を伴うべきだ。本当に怒るんじゃなくて怒りの色彩を創り出すんだ。

ジャズの新しい道はない。ジャズはジャズ。彼らはノートをミックスすることができるし、それをやりたがる。でもジャズを変える方法なんてない。彼らは知識を推し進めているんだ。ジャズのすべては奴隷の強制労働から来たものだ。不幸な境遇だった彼らは嘆いて歌を歌った。それが彼らができる精一杯のことだったのさ。そうやってブラックミュージックはスタートした。スピリチュアルミュージックなんだ。彼らは絶対にこれを変えられないぜ。

ジャズは奴隷に由来するってことを忘れたがってるミュージャンが少しだけ見受けられるが、おれは絶対に忘れることは無い。どうやったら自分や身の回りの人たちの身に起こったことを忘れるんだ?おれはそんなことできないね。直接おれが体験したことじゃないけど、おれらができる唯一のことは状況を良くしようとすることだけ。
モダンジャズはBirdと共に始まったんじゃない。「Tickle Toe」って曲を聴いたことがあるかい?それとDon Byas。DonはBirdがNew Yorkに来る前からモダンジャズをプレイしていた。Teddy Wilson, Benny Goodman, Jimmy Blanton, Duke Ellington, Charlie Christian, Charlie Shavers, 彼らが最高のミュージシャンじゃなかったとでも考えてるのか?これは今の話じゃない、ジャズが始まった地点だ。彼らはすぐにジャズを発展させなかった。彼らは彼ら自身に満足して停滞したのさ。それがすべて。でも皆ジャズのことを素早く学んでいる。

世の中の人たちは特別な音楽センスを得るために日雇い仕事をする人たちのことに頭を回すことができないんだ。彼らの認識できるクオリティはあまりにも低い。彼らは知りたがっている。まるでおれがロックンロールを聴くみたいに。おれの奥さんはおれにツイストを見せつけてくる。おれはすべての音楽に寛大であろうとしているんだ。そしてMemphos Slimのすべての音楽をプレイするのさ。
おれはいろんなことをやるだろうな。良いセンスは持ち合わせてないんだけどね。ジャズ以外をやるときは自分自身に笑ってしまうよ。OrnetteとColtraneは独自の演奏の方法を持っている。これに尽きるぜ、彼らの耳と思考がさ。彼らはおれらがやるノートと同じものをプレイする。彼らの違うところは独自のアプローチなんだ。彼らは月に行くだろうね、知らんけど。ボンボヤージだぜ。おれは地球に残るよ。

人々が彼らを見て足でリズムをとって指を鳴らして楽しんでるのを見るのが好きなんだ。おれは人を当惑させたくない。これは理解しなきゃならないぜ。彼らはある理由で音楽をやる。彼らは何かを考えてるんだ。彼らはただ騒々しいノイズをやってるんじゃない。だってColtraneは正しくプレイしてるじゃん。彼はただ急速な演奏をしてるだけ、Johnny Griffinみたいにね。ときにそれが人々の頭によぎると思うんだ。彼らはかなり速くやっている。人々はすべてを理解できないよ。

Lester Youngがだいぶ前にこんなことをおれに話した "Sonny, すこしだけ自分の時間を作れ、彼らの足を踏み鳴らさせるのさ、baby." Coleman Hawkinsも同じことを言ってたな。だからおれはそれを実践したまでだ。彼らにとっては簡単なことだけど、おれは自分を緊張のない状況に置くことはしない。何人かのジャズキャットはナーバスだ。彼らは自身の楽器でなにかもっとやらなきゃいけないように感じている。おれには前に終わったことのように思える。彼らは突破口を何とか探っているんだ。

だけどもう既にやられてること以上のことはできない。Art Tatumを思い出せ。今あれ以上のことをしているやつがいるか?おれは彼の演奏を聴きに行っていた。一番それに近い人間はOscar Petersonただ一人。それからCharlie Parkerを負かすことができるやつは誰がいる?のちのジャズシーンにはLester Young, Dizzy Gillespie, Roy Eldridge, それからLouis ArmstrongとかColeman Hawkinsがいる。最後の2人は若くはないんだけど、さっき名前を列挙したミュージシャンとバンドスタンドに上がったミュージシャンはいるぜ、両手じゃ数えきれない人数のな!おれを信じたほうが良い。もしジャズを汚し始めるようなことをしようもんなら、そいつはこのレースから脱落することになる。

敵意としみったれたジェラシーをもってる若手は誰かに攻撃的になるだろう。なんで彼らがそんなことをするのかおれには理解できないね。馬鹿げてる。そういうやつらがするべきことは現場に行って学ぶ、そして先人がやってることを思いっきり楽しむことだ。ジャズはハッピーなものであるべきなんだ。ひねくれた若手をBen Webster, Don Byas, Illinois Jacquet, Dexter Gordon, Gene Ammons, Al Cohn, Zoot Simsらと同じバンドスタンドで演奏させてみ?そいつは頭を抱えてお家に帰るぜ。そういう奴は人に向けて演奏するべきじゃない。ミュージシャンは人々にメッセージを送ろうとしたり、平均的な人が理解できるぐらい音楽をシンプルにするものなんだ。

おれは時々子供たちに向けて演奏をする機会がある。子供たちはこういうんだ "Oh, Sonnyおじさん。僕たちに演奏してくれるの?" おれはエレクトリックピアノの前に座って、演奏し、歌うんだ。子供たちはおれがやることを理解するよ。一人が理解できるかどうかなんだよ。おれの小さい甥と姪はおれのレコードでダンスするぜ。おれは新しいダンスをたくさん学ぶよ。おれは時間的、能力的にできる限り若くいるつもりだ。おれのお母さんはもうすぐ60歳だけど彼はランニングできるし、ダンスとかそんなことは一通りできる。それに加えおれのお祖母ちゃんは105歳だけど自分で起き上がれるし、早歩きもできるよ。

歌?Oh, yes. おれは調子付いてたよ。これはひとつのショーだ。少し人々を温めてアットホームみたいな感覚にするためみたいなものさ。ノートを理解できないなら、リリックなら理解できるだろ。オーディエンスがリラックス、ハッピーになるよう試みるんだ。いかなる時も自分のやり方をオーディエンスに押し付けるべきではない。Okay. 誰かがおれに "Mr. Stitt, おれらに「Misty」を演奏してくれませんか?" とリクエストしてきたんだ。彼らはその歌をリクエストする理由を持っているんだ。彼らは「Misty」が大好きなのさ。"おれはそんな音楽やらねえよ" というミュージシャンはどういうやつらなんだ?子供たちはおれのやり方、おれの家族のやり方を尊重してくれている。子供たちはおれの音楽、そしておれのことが好きなんだ。おれが子供たちのことを喜ばせちゃいけない理由は無いだろ?出し惜しみするべきじゃない、だけど簡単に手の内すべてを見せつけてはいけない。

粗探しをする人間が自分自身の欠陥に気づかないみたいな、その人は完璧なのか?地球上に完璧なんてものがあるのか?おれは批判する人たちほど暇じゃない。おれは自分自身の批評に忙しいんだ。自分自身に目を向けようとすることが吉だよな。
二度同じ過ちを繰り返すな。おれは自分の失敗をする。おれは人生でそんなに失敗しなかったなんてことは言わない。だけどジャズのリスペクトよりも自分のことを学ぼうとしてたし、馬鹿みたいに振る舞わなかった。これがおれらのプロ意識だ。これはもっとリスペクトされるべきだよ。野球、フットボール、クリケット、競馬、歯医者みたいなものさ。

おれは一般の人に一つ言いたいことがある。ミュージシャンは薬物中毒者や素行の悪い人間にちゃんと向き合っている。世界中の人たちが互いに理解することがおれの望みだ。人間は皆間違いをするもんだよ。性別問わずミスする人間が修正するとき、その人に報いを与えるんだ。自分を変えたり、社会の生き方を確認することは簡単なじゃないからね。おれは良い人間でいることや自分の能力のベストを尽くして1人のクリスチャンの人生歩むよう努力している。

以上です。

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