NZ life｜血の味がする

ニュージーランド生活55日目。
天気はれ。気温19度。陽射しはまぶしい。心地よい風が吹く。

久しぶりに包丁で手を切った。
あ、と思った時にはもう遅くて、人差し指の第二関節から血が滲んだ。にんじんと一緒に切ってしまった。

猫の手にしなければいけないのに。包丁を持つ時は、猫の手を借りてこなければいけないんだよ、という祖母の言葉を思いだす。ああ、すっかり油断していた。

包丁で手を切るのは小学5年生以来かもしれない。一度さっくりと切ってしまって、私にはそれがとても恐ろしい出来事で、それ以降はずっと気を付けていたのに。

慌てて人差し指を口に含む。唾液と血液が混ざり合う。鉄の味。生きてる味。一秒ごとに死んでいくいのちの味。

今日がいちばん若いのだ、とふと思った。悔いのないように生きないといけないね。