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大好きだった同僚が退職します。


今の職場で働いてもうすぐ3年目になります。
元々夫以外と話すことがなかったので、日本語を結構話せる夫との時間だけではドイツ語はなかなか伸びませんでした。

妊娠中にドイツ語コースに通ったのはたった数ヶ月間。
それでどうにかドイツ語B1を習得しました。
レベルとしてはラジオを聞き取れたり、簡単な日常会話、専門的ではない分野での就職が出来やすくなる…といった感じだと思います。

それから約7年後、息子が小学2年生になる前に今のパン屋に就職しました。
働いたばかりの頃はうまく話せるか不安だったのですが、彼女がいつもサポートをしてくれました。

ドイツ語でこれはどういう意味?って何度も聞いたり、新しく聞く単語を丁寧に教えてくれました。

彼女は私より少し年上の1981年生まれ。
ここドイツでは小学4年生までの成績で大学に進む進学コース(ギムナジウム)か10代で就職を目指す就職コース(レアルシューレ)に先生の判断によって振り分けられます。

息子は進学コース、ギムナジウムに推薦されました。
彼女の息子さんもギムナジウムに進学して無事に大学進学資格を習得しました。

彼女は私の憧れでした。
きっと私にドイツ語を教えてくれたみたいに息子さんのサポートもしてあげてたんだろうなと思います。

一気に勉強のレベルが上がるギムナジウムに進学したばかりの息子の事が気がかりでその事についても沢山相談しました。

沢山冗談を言い合ったり、お互いに散歩が好きなので散歩中に撮った写真を見せ合ったり。

でも、彼女は職場の同僚です。
この歳になると職場が変わると疎遠になっていくことも理解しています。
新しい道を歩むと決めた彼女に、振り切ろうとしている場所に居る私が付きまとってはいけない。

らしくないけど、彼女にサプライズのお別れ会をこっそり私が幹事になって計画中です。他の同僚達に呼び掛けてプレゼントも用意しました。
12年間もこの職場にいた彼女。
お客さんも同僚達もみんな彼女の仕事ぶりを信頼しています。
だから、最後は感謝を込めて笑顔で送り出そうと思ったんです。

引き留めたらいけない。
でも昨日、
「あなたの通ってるプール、新しい職場の近くなんだ。」
って聞いて、ふと、
「いつか一緒に行ける?」
って聞いてしまった。

「サウナ付き?」
「付いてる。すごく気持ちいいよ!」

思いが溢れてくる。
「ねえ、今年も一緒に移動遊園地やクリスマスマーケットに行けるかな?」

「Warum nicht?Ja gehen wir!」
どうして行かないの?うん行こうよ!

笑いながら言う彼女の言葉にぐっときてしまった。
移動遊園地が住んでる村に来るのもクリスマスマーケットもまだまだ先だ。
その時彼女は忙しいかもしれない。
もうきっと会えないかもしれない。
だって彼女の暮らしはもうすぐ新しい環境に変わるもの。
それでも充分だよ。

3年間も一緒に働けた事に感謝しつつ、この先彼女がうんとうーんと幸せになることを願っています。


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