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人生は生きやすい場所に導かれてるのかな。


多分人生でいちばん辛かったのは中学生の頃です。
思春期が来た頃の私に両親の不仲が重なり、私を巻き込んでの夫婦喧嘩。
深夜2時頃まで喧嘩に付き合って、泣いてるだけの日々。
誰も答えを持っていない、意味のない喧嘩。

消えてしまいたい。
毎日そう願っていました。
学校に行く道も、電車に乗っている時も、コンビニの入り口に立った時も、いつだって息苦しくてまるで自分だけが水の中に居るみたいだった。

楽しそうに笑えるクラスメイト達がとても羨ましかった。
深夜に集まってる不良の子達の、この世界への静かな抵抗に何だか共感した。

このまま30歳になったら人生を終えよう。
これは希望の言葉でした。
いつまでもこんな事は続かない。
続くのなら自分で見切りをつけていいんだと、それを胸にずっと抱いていた。 
胸に抱いていただけで実行出来るかは別として、それでも心が少し楽になった。

でも、知りたかった。
生きていれば何かあるのかを。
小学生の頃、同級生に父の日のプレゼントを一緒に買いにいこうと誘われた事があった。
文房具屋さんに二人で行った。
同級生はこれもいい、あれもいいって色々と選ぶんだけど、私は何を買っていいのか分からなかった。
だから同級生と同じものを買った。
でも父親は帰ってこなかった。
自分でも使えそうな文房具だったし、お小遣いから買ったけど全部捨てた。
同級生はどんな夜を過ごしたんだろう。
お父さんはどんな反応をしたのかな。
悲しくて聞けなかった。

当たり前の事が起こる世界に住みたかった。
水の中じゃなくて空気の中で生きたかった。
家族が仕事を終えたら帰ってきてくれる家に住みたかった。

同じ頃、夫も水の中でどうにか息をして生きていた。
日本とドイツ。
その頃の私達はこの二国が繋がるとは考えてもいなかった事。
でも不思議と繋がった。

同じものを心から求めていた者同士が、どういう訳か突然お互いの言語を学ぼうと試み、私からのメールを夫が受け取った。

人生捨てたものじゃないよね。
きっと全ては今に繋がる為に起こった出来事だとしたら、私はあの息苦しさも受け止めていける。

空気の中の世界だって大変な事がいっぱいあります。
だけど、息が出来る。
息抜きだって出来るよ。

この世界は本当に偶然で出来てるのかな?
俄に信じられない私です。

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きいろ
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