【人生教訓】嫌なあの人も、またあなたの恩師である
何のこっちゃ?ですよね。
私は3年前、突然難病を発症し、緊急入院した。
地域にある総合病院だった。
病棟は男女とも若い看護師が多く、みな親切に日々ケアに当たってくれていた。
ただ一人を除いては────。
バイタル(血圧など)を測りに来ても数値を教えてくれない、つっけんどんな態度、怒っているかのような物言い、(特に朝の)ルーティンワークをしてくれない(ので同室の患者から苦情、他の看護師にしわ寄せ)、挙げ句の果てには難癖をつけてきたり。
詳しくは割愛するが、完全に意味不明な『難癖』であった。
この中年女性が部屋の担当になった日はものすごく憂鬱だった。
ある時私は、かつての看護学校時代の担任のセリフを思い出したのだった──。
(そう、私はかつて看護学生でした)
『あの人が夜勤でいるからイヤだなぁ、と思われるような看護師には絶対ならないでください』
と。
入院中であるその時ほど、身に染みて分かったことはなかった。
この体験がまさに『それ』である。
『イヤだなぁ、と思われるような看護師』──。
どの職業にも当てはまることだと思うが、
『この人がいたらイヤだなぁ』などと思われたくないではないか。
どうせなら、
『またこの人がいいなぁ』とか、せめて
『感じのいい人だなぁ』
ぐらいには思われたい。
そうであるなら、私が出会った“嫌な人”は、私が“そう”ならないための、恩師か神の化身だったのだろう。
身を挺して、『嫌な人間』というものを実演してくれていたのだから。
そのおかげで、私は“そう”はならないはずなのだから。
“嫌な人”に出会ったときは、そう考えてみてはどうだろう。
もちろん、自分が同じことをしないように心掛けることも忘れずにしたいものだ。