見出し画像

染色というのは、糸が美しく丈夫に生きるよう人が手を貸すこと

私は知らなかった。宮古島の図書館(宮古島未来想像センター)にこんな素晴らしいコーナーがあることを。

いつも草木染めの本というと3階にあるオシャレな本たちを参考にしてきました。

染め方の手順や基本的なことはだいぶ勉強させていただいたけど、やはり沖縄の植物の染めのことが知りたい。

なので結局ネットの情報が頼り。

けれど最近知りました。1階に沖縄の関連書物があることを。

植物の本も染物関連の本もあるじゃないですか!

これこれ、私が求めていた物は。

さっそく数冊の染物関連書物をお借りして読み漁りました。


素晴らしいです。

特に参考になったのは山崎青樹著の『草木染め 色を極めて五十年』

著者の山崎さんは日本中、世界中の染料を求めて現地に行き研究されていて、沖縄の植物のことも書かれています。

クール染(ソメモノイモ)
サキシマスオウ染
ヤエヤマアオキ染

名前だけだとフクギ、グール(サルトリイバラ)、ノボタン、ガジュマル、ソウシジュ、ヒルギ…

他にも藍染のこと、ご汁下地・仕上げこと、若葉による緑色染のこと…

とにかく勉強になることばかり。


そして1982年の『染織の美』の特集、沖縄の織物の中の久米島の染料のこと。

グール染(オキナワサルトリイバラ)
ティカチ染(シャリンバイ)
クルサ染(ホルトノキ)
泥染
ヤマモモとクルボー(クロキ)染
フクギ染
ご染(グジュミ染)

おばあたちが自宅や共同の染場で染める様子や染め方の手順も。

なんと地糸は100回くらい、絣糸は100回以上染めるのだとか。

す、すごいです。


久米島の染色を取材された方は、糸と天然染料の真の係り合いをまざまざと見せつけられたとか。

火、水、土、太陽の力を借り、樹皮や根、葉などからいただいた色の中で、蚕が作った糸が変身していく。

何回くらい染めるのですか?とたずねると、
「どのくらいかねー、千回も、二千回もだね、色が出るまで染めるね」と笑うおばあ。

実際にはそれほどの回数ではないにしろ、何回も何回も染めて、何日も何日もかかって色が出る。

染色というのは、単に糸に色を付けるのではなく、糸が美しく、丈夫に生きるよう、人が手を貸すことではないかと改めて思い知らされたといいます。

感動しました。

先人たちの知恵と熱意には感嘆するばかりです。

ひとりよがりになってはいけませんね。

なんて自然は豊かで偉大で神秘的で、自分は、人間は、なんとちっぽけなんだろう。

よし。染物、がんばるぞ!

いいなと思ったら応援しよう!