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フランスの新年はガレットから…

1月1日に引っ越しを終え、

次の日からすぐに仕事が始まった。

以前の家より更に職場から近くなり、

徒歩3分で更衣室に着く。

真っ暗な朝なのに、小さな町の歩道には何人も歩いている人たちがいる。

みんな同僚だ。

朝から、挨拶のビズ。

1月は、フランスではガレット・デ・ロワを食べる習慣がある。

1年の良し悪しを、ガレットで運試しするのがこの国のならわし。

日本で見たことのあるガレットは、

パン屋で売っていて、厚みのあるサクサクしたパイだったけれど、

初めてみるフランスのパティスリーのガレットは、

とても薄く、中のダマンド(アーモンドクリーム)が、何種類かあった。

朝食がわりに、適当に切り分けて置いてあるそのガレットを味見すると、

今まで食べたこともない、バターを贅沢に使った魔の食べ物だった。

美味しすぎる。。

日本で出会うことはないだろう、サクサクさ。

フランスの気候ならではのクリスピーさ。

中に入るフェーブ(陶器の人形やモチーフ)も、色々あって、

年によっても違うらしい。

私は、いつも通り早朝出勤のシフトで勤務していたが、

他のメンバーは、深夜1時とか2時とかから出勤して、ガレットをひたすら焼いていた。

交代で、ほぼ一日中焼かれるガレット。

なぜそんなに焼く必要があるんだろう?

と最初は思ったが、

それほどに人気なのだ。

しかも、日本ならガレットは新年の何日かだけしか見ないが、

フランスでは、1月中ずっと売ってるのだ。

クリスマスのブッシュでさえ、新年に売っていた。笑

1月がまさかこんなに忙しいとは思わずびっくりしたが、

私にとっては、大好きな食べ物リストが1つ増えた瞬間だった。

最初は朝食がわり、という名目だったつまみ食いが、

ガレットを焼くオーブンの前を通るたびに

つまむ。というペースに変わっていった。笑

誰も非難したり注意したりしない。

なぜなら、みんなひたすらつまんでいるからだ。

仕事が終わる頃には、いい感じにお腹も気持ちも満たされていた。

日本では、つまみ食いしながら仕事できるパティスリーなんてないだろう。。

日本では、ロスで捨ててしまうケーキも、

フランスではちゃんとパティシエの勉強のための試食に変わる。

私は、ミルフィーユなどのパイ系が大好き。

というか、バターが大好きすぎるんだけど、

それを知っている同僚たちは、いつも私のためにガレットもミルフィーユも

確保してくれる。

優しい同僚たち。

おかげで、帰国前の私の顔はパンパンなのは言うまでもない。


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