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新居からの通学

フランスに滞在し始めて3週間が経った頃、

私は、2ヶ所目のホームステイ先に引越ししました。

新しいホストは、70代の綺麗なマダム。

昔モデルをやっていたこともある、元保険の外交員だったそう。

話好きで人懐っこく、体型維持に気を配る色気ムンムンのおばあちゃん。

前回のホームステイでは家族にごはんを準備してもらう契約だったけど、

トラブルもあったことから、自分で準備する契約に変えてもらった。

新しいホスト宅は、小さな公園の目の前。

週に何日か、マルシェが開催される。

いろんなことが、前回のステイ先と異なるので、新鮮でした。

学校は、というと、

バスや電車が使える便利な場所。

夜遅くまではバスがないので、早めに帰宅すれば、何の問題もなかった。

バスならすぐ近くから出ているけど、乗り換えをしないといけないのが面倒。

そんなこともあって、最初のうちは、

バスにするか、少し歩いて大通りまで出てからトラムに乗るか、

検証の日が続いた。

運動にもなるし、トラムで通学しようかな。

と決めた週。

その日の朝の通学は、自分の乗った車両が一段と混んでいて、

切符を刻印機に入れることすらできず、車内で身動きが取れずにいた。

次の停留所で人がたくさん降りてくれれば、きっと隙間ができて刻印できるはず。

そう思って、次の停留所まで待つことにしました。

トラムが次の停留所でゆっくり泊まろうとした瞬間、

私は「しまった!」

と顔色が真っ青になりました。

タイミングよく間に合うか。。

いや〜、時すでに遅し。。

SNCF(フランス国鉄)のコントロールの人たち(監視員)が、

集団で待ち構えていたんです。

よりによって、今刻印しようとしてたその時に。。

扉が開くと、すぐにコントロールの人たちが、

各車両に入ってきました。

刻印機に入れようと思っても、「ダメです。もう遅い」って、

私の前にはだかり、切符のチェックをし始めました。

もちろん、車内での一部始終を説明しましたが、

私のほかにも、同じように刻印できなかった人、

最初から不正を働こうとしていた人、の計10人くらいが、

この時、罰金を支払うことになりました。

罰金は、40ユーロ。(日本円で、当時5000円くらい)

その日持っていた所持金は45ユーロ弱。

ギリギリ持っていたけど、ランチ代が。。。

思わず、「カード使えますか?」と言ってみたけど、

「NON」

と跳ね除けられてしまった。。

朝からついいてない。。

学校についてクラスメイトに話すと、

「トラムは、よくあるのよ〜。だいたい決まった停留所でやってるから気をつけて!」

って。

みんな経験してたみたい。笑

それ以来、トラムは怖くて乗らないことにした。

切符を持ってちゃんとお金払ってても、刻印しないと無賃乗車扱いになるから。

結構、フランス人のコントロールの人たちに食い下がってみたものの、

全く歯が立たなかったのは悔しい。

それからの通学は、もっぱら40〜50分かけて歩いていくことに切り替えた。

少し早めに家を出ないといけないけど、

それが経済的にも、健康的にもいいかな。。

という判断。

何事も、人より経験が多いことがモットーなんで。

って、よりポジティブシンキングになっていった。

そう、どんな出来事が起こっても、

それを、どう受け取るか、どう考えるか?

が、その後の現実に影響してくるんです。

そこまで深くは考えていなかったけれど、

当時の私は、自然とそれを理解していったのでした。



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