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存在しない架空のサ道「TOTOPAでととのう」

行ってきましたよ。千駄ヶ谷、TOTOPA。

山本五十六と角野卓造を生んだ町、千駄ヶ谷。
東京オリンピックの舞台となった国立競技場を超えると、それは見えてくる。

引用:https://jog.blue/totopa

泰造「新宿にまだこんな風景あったんだ……」

広々とした公園に堂々と鎮座する最新のサウナ施設。副都心の一角だというのに余白をたっぷり残したそれは、モノに溢れている東京ではなかなか見なれない景色だった。

引用:https://rurubu.jp/andmore/article/21885

受付「初めてのご利用でしょうか?」
泰造「あ、はい」
受付「では、LINEで会員登録をお願いします」
泰造「あ、もう事前にやってあります」
受付「えっ……」

TOTOPAはLINEの友達登録から会員証を提示して入館するタイプ。設備も今っぽい。暖かな木目で統一されたロッカールームに服をしまって、いざ。

引用:https://www.shibukei.com/photoflash/17333/

中はグレーを基調に和の雰囲気をあしらったスタイル。シャワーで身を清めて湯船に浸かる。

泰造「あつっ……」

引用:https://onsen.nifty.com/onsen-matome/240319202453/

浴槽の温度は43度。施設によってはあつ湯に分類されるかもしれない。早くも汗をかき始めた。まずい、急いでサウナに入らないと。TOTOPAのサウナは3種類。それぞれ”左室””右室””ナ室”とシャレが効いている。

泰造「よし」

引用:https://www.shibukei.com/photoflash/17343/

右室に入ると、そこはログハウスのような空間で構成されていた。温度計は……ない。よく見ると12分計も置いてない。なるほど、本来サウナは現実から解放されて瞑想する場。そこに時間や温度という数字的な概念は不要なのだ。

体感90度のドライサウナでしっかり蒸された体を水風呂で冷やして、外気浴スペースへ。

引用:https://totopa.jp/

窓の下半分が開いた半外気浴。リクライニングチェアをしっかり倒して、体を休める。11月下旬の冷たい風が気持ちいい。……おや?外気浴を終えたサウナーの多くがサウナではない別の場所を目指している。そこにいったい何があるんだろう。

引用:https://totopa.jp/

そこではサウナーのオアシスが我々から逃げずにじっと出番を待っていた。そう、TOTOPAには無料のドリンクバーがある。

泰造「いつもは水だけど……」

デカビタとDAKARAのMIXを飲んで、水分補給完了。次はナ室に向かう。

引用:https://www.shibukei.com/photoflash/17344/

「この後どうします?」
「もつ鍋大丈夫すか、辛いのとか?」
「僕苦手なものないから全然!」

仕事終わりのサラリーマンだろうか。労働から解放された後の気持ちの良い会話が聞こえてくる。もちろんサウナでの私語は厳禁……ではない。ナ室では会話OKなのだ。普段は少し気が立ってしまうそんな状況も、お店がOKとするなら穏やかに聴けてしまう。気持ちの良い場所では、誰かの陰口なんて誰も言わない。楽しい会話をラジオ代わりにしっかりと蒸されてしまった。

3セット目、最後はもちろん左室。

引用:https://saunabrosweb.jp/pickup_totopa_1/2024/03/22/

突然の異空間。ヒーリングミュージックが流れる真っ青な空間では目を閉じても光の名残がまぶたの裏で散乱して思考ができなくなる。ここは瞑想以外の一切を禁じられた監獄。ブルーロックだ。
この後の予定も、今日の出来事も、時間もわからなくなって本能だけが頼りになる。まだ蒸されたい。まだ蒸されたい。まだ蒸されたい。熱い、もう出たい。今だ!

https://totopa.jp/

しっかり汗を流して13度の深水風呂にぐっと浸かる。

泰造「あ゛ぁ……」

つま先から頭のてっぺんまで痺れる感覚。本能のままに外気浴スペースへ。何も考えずとも、早くも体が覚えている。全てが自動化されている。
今この時、私はTOTOPAという機械仕掛けの神の操り人形になっていた。

泰造「整ったぁ〜〜〜〜!」

引用:https://totopa.jp/

おしまい。

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