名古屋大学で木曽馬を観る
木曽馬の里に行き、木曽馬カワイイを実感して二週間。その木曽馬が名古屋大学にやってくるイベントがあるらしい、という情報を親切な友人に教えてもらい、喜び勇んで予約をしたのだった。
そして当日、名古屋大学教育学部附属中・高等学校へ。
駐輪場に自転車を停めて受付のグラウンドへ向かう途中、木曽馬乗馬センター(木曽馬の里の施設!)のトラックが駐車してあるのを発見。木曽馬が乗ってきたのだろう荷台は開いていて、干し草が吊るされてるのが見える。長旅お疲れ様、の気持ち。
グラウンドに着くと、すでに多くの人が集まっていて、その向こうに木曽馬が二頭見える。かわいいかわいい!
受付を済ませて、まずは教室で開催される講演会へ。
岐阜大学の先生による、木曽馬がなぜ開田高原で大切にされてきたか、という講演。
聴いた内容をかいつまむと、
開田高原は御嶽山のふもとにひろがる高原で、火山灰によって土壌は農耕に適さないものだった。ここで暮らすためにその土地をどのように改良するか。
あなたならどの動物を使いますか?
まず、豚と鶏は、雑食性であるため適しません。
草を食べる牛と馬を解剖学的に比べてみると、牛は四つの胃をもっていて、草をとてもしっかりと消化することができる。対して馬は一つの胃しかもっていないので、糞にはたくさんの食物繊維が残ることになる。その、繊維がたくさん残った状態の糞のほうが、堆肥には向いているわけです。繊維をたくさん含んだ堆肥は、土地を豊かにし、ミミズなどの住処にもぴったりです。
開田高原の農家は、家の中でいちばん日当たりの良い南側に厩をつくり、馬が外を眺められる窓を付けて、木曽馬を大切に育てました。それはただ情緒的な話ではなく、木曽馬がほんとうに暮らしをよくするための大切な存在だったからです(大意)。
20分弱の講演はあっという間に終わり、そこからグラウンドへ戻って木曽馬とのふれあいタイムへ。
引き馬体験を担当する木曽馬「けやき」さんはご年配とのことで、とても落ち着いた雰囲気で、目が優しい。
体験中、スタッフの方に以前「初花」さんに乗馬したことを話すと、「けやきちゃんはこういう外での体験に慣れているんだけど、初花ちゃんは初めての場所に来るのはキョドっちゃうんですよね。(だからここに来ていない)」とのこと。
次に、お世話体験として、「若草」さんのブラッシングをさせてもらう。今日すでに多くの人にブラッシングされたのだろう若草さんは毛並みがツヤツヤで、干し草をずっとはんでいる。スタッフの方に、馬はどこを掻かれると気持ち良いんでしょう、と訊くと、自分じゃ掻けない首周りですかね、とのことだったので、そのあたりもブラシしてみる。「気持ち良いね!」という反応は特になかったけど、とても大きな身体に手を置いて、その筋肉の動きを感じられたことがとてもよかった。あと、草を食んでいる口元の柔軟なフワフワさを見られるのもよかった。あのハンペンみたいな口元。
たいへん満足のイベントだった。
また来年も木曽馬の里に行きたいな〜