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冬至のかぼちゃサミットに行く

今年の冬至は12/21で土曜日。冬至に開催されるかぼちゃサミットに行くのにおあつらえのタイミングである、によって、東幡豆の妙善寺に行くことにした。

名鉄金山駅7:56発吉良吉田行きの列車は名古屋本線を豊橋方面に進み、新安城からは西尾線にわかれて、蒲郡方面へ走る。名古屋本線はしょっちゅう利用するけど、西尾線というのは乗った覚えがなくて、わくわく。
西尾線は、住宅街や畑や大きな会社やめちゃデカスーパーの横などを通って、福地という駅を過ぎるとだいぶのんびりしてきて遠くに山も見えてくる。
終点の吉良吉田駅で降り、乗換改札を通って蒲郡線へ。ホームに停まっていた列車は懐かしの窓カーテン付きの車で二両ワンマン運転。
9:01発車、すぐに海が向こうのほうに見えてきて、また住宅地に入って、山を過ぎ、空き地ではゲートボールの集まりも見えた。三駅で目的の東幡豆駅に到着。

駅の目の前はすぐ海で、雲がたっぷりとしている。踏切を渡るともと魚市場だったところが臨時駐車場になっているのが見える。海沿いの道をかぼちゃ寺(妙善寺)に向かって人がぱらぱらと歩いていて、その先には緑色の出店の屋根屋根が見えてくる。
出店は、野菜や、味噌や、和菓子や、あとは年を越すための色々なもの、たとえば松、花もち、飾り花など。それを買い求める人でにぎわっていて、売り子の人の声も熱を帯びている。
その売り場をぬけてお寺へ。

立て看板によると、
むかしお寺の和尚さんが観音様に夢の中で「福徳をさずけるから浜に出てみなさい」とお告げをもらい、浜に出ると謎の丸い物体がたくさんうちあげられていた。和尚さんと村の人がその物体を煮て食べてみると、甘くてとても美味しいし、顔の色艶もよくなり生き生きしてきた。のちにその物体がかぼちゃというものであることがわかったのであった。
という由来で、このお寺はかぼちゃ寺として親しまれることになったらしい。
参道にはかぼちゃののぼりが並んで、かぼちゃしるこの貼り紙もある。全国から奉納されたかぼちゃを炊いたかぼちゃしるこ、が振る舞われる日なのだ。

門をくぐって境内にもいくつか出店が並び、拝殿の前には「幸せのかぼちゃ」なるものがどんと置かれていて、ありがたそうにたくさんの人に撫でられていたので、自分も撫でてみた。ひんやりしてつるつるしていた。
おまいりをしたあと、その横で大きなまな板の上のどでかいかぼちゃ(直径1mありそうな)を大きな包丁で豪快にバカバカ切っていたおじいさんに、これはいったいどういうことなのか聞いてみると、この大きなかぼちゃはお寺に寄付されたものだけど、このままだと皆に持って帰ってもらえないので、小さく切っているのだそう。切られたかぼちゃは薄い黄色をしていた。他にも小さないろんな形をしたかぼちゃも並んでいてかわいい。

それから、かぼちゃしるこの振る舞いをいただきくため列に並ぶ。鍋で炊かれたかぼちゃしるこは、プラ器によそわれて、湯気をたてている。とてもシンプルな黄色の液体。受け取った後、少しだけ離れたところに行きさっそく一口すすると、これがまあ、めちゃくちゃ美味しい!
かぼちゃの甘味と、いくつか小豆も浮かんでいて、あともしかしたら砂糖も少し入っているのだろう。とってもほどよい素の甘さが温かさと共にゆっくり胃に落ちて、染み渡るとはこのことであるよ。これは来年の健康にひとやく買ってくれること間違いなしである。ありがたいありがたい。
まわりを見渡すと、多くの人が白い湯気のなかかぼちゃしるこをすすっていて、おいしいねえ、の声も聞こえてくる。その奥には、葉の赤く染まり切った大きな木がそよそよしている。
かぼちゃしるこを飲み切って出店を物色。縁起物のかぼちゃまんじゅうと、干し柿も買った。干し柿は家で酒に漬けてやる。

それからぶらぶら海沿いを東に散歩。浜辺には渡り鳥がたくさん集まっている。クチバシだけ白色で身体の黒い鳥は、集団でひしめいてプカプカと、海に潜ったり、身繕いしたり、人の気配にびっくりして慌てて走ったりしてかわいい。
季節になれば潮干狩りが開催される浜なので、いつかその時期にも来てみたい。干潮時には干潟があらわれて、すぐ向こうの前島という小さな島にも歩いて行くことが出来るらしい。

お昼時になったので、駅の近くのお食事処魚直へ。本日の魚定食というのが、マメ鯛とユメカサゴのセットとのことで、煮魚にしていただく。とてもあっさりとした煮方で、ほぐした身はふっくら真っ白のまま、それぞれの味がいきていて最高に美味しかった。このお店もぜひとも再訪したいなあ。

ご飯後は、またあたりをぶらぶら散歩したのち蒲郡に向かい、蒲郡市生命の海科学館を初訪、そのあと内田珈琲店からのフォークロア谷口(タイのかわいい黒ブラウス、古布のポーチを購入)というゴールデンルートをめぐり、鈍行でのんびり帰った。

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