天国旅行 - TOUGHNESS ROMANTIC

この記事では、札幌を拠点に活動する四人組バンド"天国旅行"の3rdアルバム、"TOUGHNESS ROMANTIC"を紹介する。
※適当注意


はじめに

 みなさんは素晴らしいと思える音楽に出会ったことがあるだろうか。もちろん、ここでの素晴らしい音楽というのは「世界的に流行した音楽」、「専門家が高く評価した音楽」などではなく、「この音楽に出会えてよかった」と思える、自分にとって素晴らしい音楽のこと。少し大げさだが、私はそのような素晴らしい音楽に触れる夜が度々ある。その中に入るのが、天国旅行の3rdアルバム天国旅行、"TOUGHHNESS ROMANTIC"。今回紹介するのはこのアルバムだけだが、1stアルバム"キッズ・アー・オールナイト"、2ndアルバム"くたばれ"もよしなに。
 とあるきっかけがあり、知ったこのバンド。初めて聴いた時から"天国旅行"に誘われ、未だ旅行中という気分である。だからこそ紹介したい、ぜひ一度聞いてもらいたいと思い、筆を執った。


天国旅行について

 札幌を拠点に活動する四人組バンド。東京でのライブもちらほら。

メンバー

  • Gt. , Vo. 田澤寿詩

  • GT. 室崎智也

  • Ba. 室井春人

  • Dr. 今村岳

各種リンク

3rdアルバム "TOUGHNESS ROMANTIC"

札幌を拠点に活動する四人組バンド”天国旅行”の3rdアルバム。不穏さとキャッチーさが同居する切れ味鋭いギターと焦燥感を煽る性急なリズム、人懐っこくもエモーションを掻立てるメロディと、その上を転げ回るユーモアとウィットに富んだ散文的なリリックが描写するロマンチックな夢想とやり切れない現実を往来する詩世界には、悲哀や孤独さえ愛おしくさせるドラマティックさと、爛々としたエネルギーが宿る。ヒリついたビートがノーブレーキのまま駆け抜ける、高架下のパンクと異形のロックンロール。岩出拓十郎(本日休演/フー・ドゥ・ユー・ラブ)によるライナーノーツ付き。

NEWFORK ONLINE STOREより

収録曲

一曲ずつ、自分なりに論じてみる。
無論、私は素人かつ、音楽理論についても無知であるため大目に見てほしい。(訳:適当なことを言っていたらごめんなさい)

1. エリーの嵐

行進曲のようなリズムでスタートする一曲目。かといってポップに振り切ってはいない。ポップスの中に気だるさを残し続ける。天国旅行のジャンルはオルタナティブロックなのだろうか。
また、"天国旅行"はとにかく曲の完成度が高い。多彩な楽曲で、一曲一曲違う味がするため、何度も繰り返し聴いてしまう。まずは、"天国旅行"得意とする(?) 何転も変化のある楽曲。続いて、キャッチーなサビがあるライブで盛り上がり抜群の楽曲や、心に沁みるバラードまで"天国旅行"独特の色を残したまま作り上げられている。
そして、一見何を意味するのかわからないことが功を奏している深みのある歌詞。その歌詞により深みを出し、"天国旅行"の世界観に誘うボーカルの声。各メンバーの演奏技術の高さがより楽曲を引き立たせている。

ところで、一曲目 "エリーの嵐"の話に戻るが、この曲は構成がとても好きだ。
起:Aメロ → 承:ギターソロ → 転:「予言めいた悲しみへ、果てしなく続く旅路へ」→ 結:「燦然かかる運命の〜」
勝手にこのような起承転結でこの曲を楽しんでいる。

2. ダウン・ダウン

イントロのギターのカッティングが心地よい。このアルバムの歯切れの良いギターサウンドが個人的にとても好みである。だが、この曲で一番印象に残るのはボーカルのシャウト「ゴング!!ゴング!!」だろう。いい声。

3. 八!!

一転、二転、三転と、曲の始めと終わりで全く別の曲のように変化する。この変化が面白く、聞き手を飽きさせない。先ほど起承転結に例えたがこの曲は転転転転だろうか。冗談は程々にして、この曲は言葉のリズムが面白い。ラップに疎いのであまりわからないがおそらく韻を踏んでいるのだろう。
天国旅行、この非道、でたらめ評論、これにて終了yeah…


4. 背中のブラザー

この曲のことを書くために、この記事を書いたといっても過言ではない。ドラムのグルーヴ感がすさまじい四曲目。軽快で重みのあるスネア、ずっと聴いていたい。私は"背中のブラザー"が一番好きだ。ドラムだけで相当な満足感を得てしまったが、メロディも癖になる。すっかりこの曲の虜になっていた。冒頭の「手術大電撃」からもワクワクが止まらない。何を食べて何を見て何を聴いてこの詩を書くのだろう。Vo.田澤寿詩に興味が湧く。スタンド!!


5. 転校生

詩から始まる五曲目。楽曲ラストのギターソロまで、絶え間ないメロディに独特のリリックが詰め込まれている。つい歌いだしたくなるような耳に残るメロディに乗って、怒涛の如く去っていくこの曲だが、メロディアスなベースラインに注目してほしい。一番の見せ所であると、私は思う。


6. タフネス・ロマンチック

アルバムのタイトルともなっているこの曲。唯一のバラード曲、美しく優しいラブソング。「皐月の海を泳ぐ太陽」という、えもいわれぬ表現。私の過去にそんな五月はなかったのに、誰かのロマンチックな記憶を追体験するような感覚を与えてくれた。

7. デストロイヤー

最後の曲"デストロイヤー"。この曲も変化が面白い。五曲目の"転校生"まで走り抜け、ラストは落ち着いたフェードアウトかと思いきや、「スタンド!!」。曲のテンポと同時に私のテンションも上がる。これを待っていた感がある。そして、動きの多いギターが静かになった時の、後ろでなっているドラムもまた心地よい。「鉄塔に突き刺さる~」からのメロディ。泣けるほど良い。アルバムを最後を飾るのに相応しいクライマックス。このアルバムを聴き終わったとき、舞台の幕が下りた時のような余韻に浸り、眠りについた。


他のおすすめ曲

カフカ・スー

唯一MUSIC VIDEOがある曲。イントロのベースフレーズからこの曲に引き込まれる。そして同じくイントロのギターのリフ、サウンドも素晴らしい。私のノスタルジーに干渉し、背丈がまだ半分くらいだった頃の純粋な気持ちを思い出す。


まとめ

ここまで私は"天国旅行"が売れてほしいという一心で書いた。大ファンである。しかし、ここまで書いたはいいものの、あとは何を書けばよいかわからない。ということで、勝手ながら終わらせていただく。
今後の"天国旅行"、そして次回の記事に期待。

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