有力VCから探る起業のネタ(過去分)
こんにちは。
このnoteでは米国有力VCからの調達事例を参考に、日本で起業するネタについて発信していきます。
主観ですが、米国でシリーズA,Bを終えた段階の会社の業種は日本で起業するネタとしてちょうど良いと思っています。シードだと早すぎで、シリーズC以降は日本にも波がきているころで少し遅いかなって感じがしてます。
今週もあまりネタになるような投資がなかったので、過去の中からピックアップし紹介していきます。
4月23日:Digits
●設立:2018年
●調達:シリーズB
●リード投資家:Benchmark
●事業概要:
企業の支出をダッシュボードで管理する機械学習を利用した経費監視ツールを提供する会社。
Digits for Expensesと呼ばれるこのダッシュボードは、事業主がカテゴリーごとの支出などを表示したり、ベンダーや繰り返し発生する経費を特定したり、リアルタイムのアラートを提供したりすることにより、企業がどのようにお金を使っているかを追跡してくれる。
●解決課題:
・ブラックボックスになっていた企業の出費を可視化
●所感:
当社が参入している領域は、日本でも十分応用可能であり、可視化することによるビジネスチャンスもあるのではないか。当社が将来的に何を目指しているか不明だが、細かい企業収支の流れを可視化することで生まれるビジネスもあると思うし、可視化するだけで企業にとっては無駄な支出を削減することができるだろう。
6月10日:Alpha Health
●設立:2018年
●調達:シリーズA
●リード投資家:a16z
●事業概要:
医療機関が扱っている医療システムの収益サイクル管理(RCM)にUnified Automationを提供する。これは、米国の医療償還の複雑さを効率的、正確、自律的にナビゲートするソリューションであり、医療システムが医療費を削減し、より良い管理を可能にする。
●解決課題:
・病院の支払いシステムが複雑すぎることによる医療費の高騰
●所感:
米国の医療費は先進国の2倍であり、これは医療費や保険などの支払いシステムが複雑すぎることによる原因が大きい。ビジネスアイディアを出すときに業界他社と比較するのもいいが、外国と比較したらいつもと違った気付きがあり、そこにビジネスチャンスはあると思う。当社も同様である。
6月10日:Transcend
●設立:2017年
●調達:シリーズA
●リード投資家:Accel
●事業概要:
企業がユーザーの個人データを簡単に制御できるようにするデータプライバシーインフラストラクチャを提供。個人データは整理されておらず、特定が困難であり、多くのシステムに保存されている。そのため、データの削除など、データの権利を企業に提供することは非常に困難である。当社は、企業内のすべてのデータシステムとベンダーにわたって、データ主体の要求を自動的に満たすことができる。
●解決課題:
・大量の個人データを保有することにより発生するリスク管理の煩雑さ
●所感:
欧米では企業の個人データを厳格に管理する規制が徐々に採用され企業側は必死に対応しておりそこを簡易化するツールとしては良いと思う。この規制がどれぐらい影響があるかは分からないが、規制や法律などの市場の変化率を捉えたサービスは歴史を振り返っても伸びる傾向にあるのでピックアップ。
6月16日:Drishti
●設立:2017年
●調達:シリーズB
●リード投資家:a16z
●事業概要:
Drishtiは同社は工場ラインで働く人の手作業を分析して生産性を向上させる。製造業の工場ラインにカメラを設置し、工場労働者の手作業を動画撮影。労働者の行動をデータ化し、大規模な学習データセットを生成する。
●解決課題:
・工場労働者の感覚と技術を頼りにした非効率な手作業
・属人的な工場労働者の技術レベル
●所感:
行動認識技術で手作業のポイントにおける動画分析をし、リアルタイムでミスを見つけたり、プロセスの最適化(スピードアップやボトルネックの特定等)、各作業者にトレーニングを行うこともできる。導入先企業は専門的な知識不要で現場の人間が分析等を行えるようになる。
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今週は以上です!
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