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6. デジタルトルクレンチなのにクリックの感触と音がある?!

4月からコツコツと更新してきたこのnoteも、早いもので7回目の更新となります。
いつも読んでいただきありがとうございます!
さて、前回はようやく“スタビレーのトルクレンチ”にフォーカスを当てた内容になりました。(まだ読んでいなかった!という方は下のリンクからどうぞ!)
そして今回は「スタビレーのデジタルトルクレンチ」についてです。
デジタルになっても魅力てんこ盛りですので、是非最後までご覧ください!

「デジタルトルクレンチ」の特徴

プリセット型はあくまでも、設定トルクに達したことを知らせしてくれるだけです。
スタビレーのデジタルトルクレンチラインナップ


そもそもデジタルトルクレンチの魅力とは?

スタビレーに限らず、「デジタルトルクレンチ」の魅力は掛けている力(トルク)がリアルタイムでデジタル表示されること。
デジタル表示されることで数字も見やすく、最終的な締め付けトルクが残るため、プリセット型のトルクレンチに比べてより正確な締め付けができます。(プリセット型は設定したトルク値に達したことを知らせてくれるだけなので、最終的に何Nmで締め付けたのかは分かりません)
そして締め終わったトルク値を作業データとしてPCなどに記録できるものもあります。
つまり、作業履歴を残すことでオーバートルクや締め忘れなどのヒューマンエラーを防止したり、作業者によるばらつきをなくすことが可能です。
また、正確な締め付けができることから検査用としても用いられます。


反対にデジタルトルクレンチのイマイチな点は?

まず構造が複雑でより精密なつくりになっているため、プリセット型に比べて高価です。
また、電子機器になるので電源が無くなると使うことができません。(電池や充電が必要になります)
そして、デジタルトルクレンチのほとんどは規定トルクに達したときにクリック感がありません!!!
クリック感の代わりに、規定トルクに達したことを電子音(ブザーなど)やなどで知らせるものが一般的です。


クリック感が無いとどうなる?

クリック感が無い」というのは、使用環境によってはかなり作業効率を下げてしまいます
実際の作業現場では無音というのはほとんどありません。
騒音の中では電子音は聞こえにくいため、手に伝わるクリック感が無い場合はディスプレイの数値を確認しながら締め付ける必要があります。
(実験によると、1回の締め付けに普通のプリセット型トルクレンチに比べ約20%余分に時間がかかるそうです)
ディスプレイを見ながらの締め付けは体勢も限られるため、時間がかかる上に作業のやり辛さも生じてしまいます。

(図はイメージです)

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管理者は、いざという時のために最終的な締め付けトルクを知りたい
そして作業データ記録したい
しかし、実際の作業者は作業効率化のためにクリック感/音が欲しい=今までと同じ作業感で作業したい
→スタビレーのデジタルトルクレンチはこの両方の要望を満たす唯一のトルクレンチです!


「スタビレーのデジタルトルクレンチ」ならではの特徴

①クリックの感触がある&クリック音が出る

スタビレーのデジタルトルクレンチはしっかりとクリックの感触と音が出るので、普通のプリセット型トルクレンチと作業感は変わらず連続した締め付け作業が可能です!

なぜスタビレーのデジタルトルクレンチはクリック感を出せる?

上の動画で内部の構造を見ていただくと分かるように、デジタルトルクレンチの中にもスタビレー独自の「メカニカルトリガー」を入れることで電子信号を感知し、デジタルでありながらもクリックの感触と音を出しています。


②より正確にひずみをキャッチ

スタビレーのデジタルトルクレンチはシャフトを太くしており、より頑丈です。
さらにひずみを感知するひずみゲージ4つついているので、たとえシャフトが太くても正確にひずみを感知することが出来ます。

電子信号を感知してメカニカルトリガーが動く➡クリック!

ただし、デジタルトルクレンチはオーバートルク厳禁です。(ひずみが大きくなりすぎると、ひずみゲージが剥がれてしまう可能性があるため)
スタビレーでは、25%以上のオーバートルクになると警告が表示されるようになっています。


デジタルトルクレンチならではの便利な機能

オーバートルクになると赤く光って一目でわかる!

デジタルトルクレンチは最終的な締めつけトルクがわかるので、設定したトルク値の上下何パーセント以内ならその締め付けをOKにするかを設定できます。(何Nm~何Nmの間かの設定方法でもOK)
締め付け終わった値が設定範囲に収まっていれば緑色に光り、反対にオーバートルクになっているなど設定範囲を外れていると赤色に光ります
(クリックがあった後にも力を加えるとオーバートルクになります!)
どのくらいの力をかければいいのかが一目でわかるので、トルクのかけ方に慣れていない作業者への研修にも使用できます。
(教育用としての採用事例も!)

赤に光るとオーバートルクです。


長めのヘッドを使っても自動計算でトルクを教えてくれる!

スタビレーのトルクレンチは、様々なヘッドを取り付けられる差し替え式もあります。
差込角耐荷重の関係から少し長めのヘッドなどを使う場合もありますが、全長が変わると実際にボルトにかかるトルクが変わってしまうため、正確な精度を求める場合はちんと計算し設定トルクを変える必要があります。
(アナログの計算方法についてはスタビレーのカタログに掲載されているのですが、このnoteにもいずれ書く予定です!)
その点デジタルトルクレンチはヘッドの長さを入力すれば、計算不要でターゲットトルクをそのまま入力すればOK!
(100Nmを測定したい場合は、ヘッドの長さを入力し100Nmで設定すればOK)
直観的でわかりやすく、煩わしい計算も必要ありません。

メカニカルトルクレンチはこの計算が必要…

4つの測定モードと3つの機能モード搭載!

メカニカルトルクレンチは基本的に設定したトルクをクリックでお知らせするだけですが、デジタルトルクレンチは下記のようなモードを搭載しており、1本で様々な作業が可能です。

4つの測定モード
・トルク
・アングル
・トルクアングル
・アングルトルク
3つの機能モード
・クリック(設定トルクに達するとクリックする)
・ピークホールド(その締め付けの最大トルク値を表示)
・トラック(力を入れれば表示が動き、力を入れなければ0に戻る)

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まとめ

スタビレーのデジタルトルクレンチ。
書き出すとかなり長くなってしまいました…
あまり長くなりすぎるのもちょっとな…と思ったのでイチオシポイントをメインに記載しています!

スタビレーのデジタルトルクレンチの何よりのポイントは、デジタルトルクレンチの特徴を持ちながら「クリック感がある/クリック音が出る」ところ!

このnoteをきっかけにスタビレーやデジタルトルクレンチにより興味を持っていただければ嬉しいです!
スタビレーネタはまだまだございますので今後もお楽しみに!