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やりたいことはどうやったら見つかるのか(あるなしクイズ方式)

決断力は「やりたい」という気持ちから生まれる

僕の周りには、決断力の高い人がたくさんいる。

大学を休学して起業した同級生、子育てをしながら映画監督になる夢を追いかけている先輩、20代中盤にして美容院の店長を務めている幼馴染。
彼らはリスクを取って勇気ある選択をしている、ように見える。
でも、実は彼らが特別に勇敢なわけではないと思っている。一番の違いは「やりたいことをどれだけ自覚しているか」だ。

やりたいことを自覚するとは?

小さい頃楽しみにしていたイベントのことを思い出してほしい。

たとえば遠足に行く日の朝、目が覚めた瞬間にワクワクしながら布団を飛び出して、すぐに準備を始めた経験があるかもしれない。普段なら布団からなかなか出られないのに、その日だけはすぐに動き出せる。
遠足があることを知らない人がこの光景を見ていたとすると、「しっかり起きてえらいね」とか「寝起きが良くて羨ましい」と言われる。

この例のように、やりたいことが明確にあると人は自然と動ける。
周りから見ると「すごい行動力だ」と思われるかもしれないけど、本人からすれば「やりたいからやっている」だけで、むしろやりたくないことを毎日頑張ることのほうがずっとすごいことだと思う。

「それは遠足のようなイベントだから楽しみなのであって、その楽しみを得ながらお金ももらえるような働き方はあるわけがない」と思う人がいるかもしれない。でも、本当にそうだろうか?

仮に遠足を好きな理由が「訪れたことがない場所にいけるから」なのだとしたら、たとえば旅行代理店が当てはまるかもしれないし、「今まで知らなかった新たな発見に出会えるから」だとしたら、取材系の仕事が当てはまるかもしれない。

遠足に行きながらお金をもらうことはできなくても、「遠足を好きだと思う理由」に当てはまる仕事でお金をもらうことはできる。「どちらかを選ばなければいけない」精神を捨てることが、自分のやりたい気持ちを自覚する第一歩だ。

「あるなしクイズ方式」でやりたいことを見つける

では、やりたいことはどうやって見つければいいのか?僕がよくやる方法のひとつに、「あるなしクイズで軸を絞る」というものがあるのでやり方を紹介したい。

あるなしクイズの例。ちなみに、この答えは「うどん」という言葉がつくかどうかとのこと
(出典:https://noikiiki.info/arunashi-quiz2/)

1. ざっくりとした軸を決める

まずは最初のたたきとして、ざっくりで良いのでやりたいことを考えてみる。たとえば、今の仕事(学生であればサークルや部活動など)のどんなところが好きか、などの切り口から考えてみると良い。ここはあくまで最初のたたきなので、完全にはしっくりこなくても全く問題ない。
僕の場合、「人に感謝されること」が好きだから、「人から感謝される仕事をしたい」という最初の軸ができる。

2. その軸に当てはまるけど、しっくりこないものを考えてみる

たとえば、僕の「感謝される仕事をしたい」という軸の場合、結構当てはまる仕事は多い。(広い意味では、どんな仕事だって誰かからは感謝されるはずだ)
ただ、軸に当てはまるものの中でも「テーマパークの運営」は楽しそうだけど、「ハウスクリーニングの仕事」はなんとなくしっくりこないとする。

そこで、「テーマパークの運営にあって、ハウスクリーニングの仕事にはない軸ってなんだろう?」と考えてみる。これが「あるなしクイズ方式」と呼んでいる所以だ。

どちらも「人に感謝される仕事」ではあるけれど、自分の中で違和感がある。その違いを説明しようとしてみると、たとえば「日常を楽にすることでの感謝」ではなく「楽しい・面白い・テンションが上がることでの感謝」をもらうほうが、自分にとってはしっくりくるとわかる。

こうして、最初の「感謝される仕事」という軸が、「ポジティブな気持ちを生み出して感謝してもらう仕事」という軸に深まっていく。

3. さらに深掘りする

「ポジティブな気持ちを生み出して感謝される仕事」には、いろいろな選択肢がある。

  • 少年ジャンプの編集者になる

  • ゲームの開発をする

  • スポーツチームの運営に関わる

それぞれの仕事に対し「これはしっくりくる」「これは違うな」と振り分け、あるなしクイズをやってみると、さらに軸が洗練される。

さらに何回か繰り返すと、その軸から出てくる選択肢が全て「あり」の方に振り分けられるようになる。そうなったら、その仕事をさらに細分化した上で、「すごくあり」と「あり」に振り分けてみると良い。
テーマパークの運営であれば、

  • 直接ゲストとコミュニケーションをとる

  • アトラクションのコンセプトを考える

  • グッズやフードの企画をする

  • 広報として魅力を伝える

  • 人事としてその活動を行う組織全体を支える

と細分化していって、その中で「すごくあり」にはなぜ強く惹かれるのかを考えてみる。

4. 最後に、軸に当てはまる具体を広げる

ここまできたらもうすでにある程度の「やりたいこと」の軸は見えてきているので、最後の仕上げとして「この軸を満たす具体的な働き方」を視野を広げて調べまくってみる。

僕の場合、最初はテーマパークに興味があった。でも、掘り下げていくと「日本人の思いやりやこだわりを価値に変えて、外貨(インバウンド)を獲得する事業をやりたい」という軸にたどり着いた。
そうすると、テーマパークだけでなく、ホテルや伝統工芸品、飲食業の支援など色々な領域で実現できる可能性があることに気づく。
最初の方の段階では「なし」に分類していたことだとしても、この軸に沿った働き方であれば「すごくあり」になることだってある。

まとめ

改めてプロセスを整理すると、このようになる。

  1. ざっくりとした軸を決める

  2. その軸に当てはまるけど、しっくりこないものを考えてみる

  3. さらに細かく深掘りする

  4. 最後に、軸に当てはまる具体を広げる

このプロセスをあえて難しくいうなら「具体と抽象の行き来を繰り返して軸を洗練する」作業とも言える。
「あり」「なし」で振り分けた具体的な働き方の比較と、その違いである抽象的な軸を行き来することで、やりたいことが洗練されていくのだ。
具体的な仕事の候補にはどうしてもあなたの主観や今知っている情報の制限がかかってしまうため、最後は抽象化した軸をもとに、インターネット検索などを通じて「今まで知らなかった具体を知りにいく」という作業を行なっている。

「やりたいことがわからない」と思う人は、ぜひこの方法を試してみてほしい。

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