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ノンデリ・モラハラについて考える

ハラスメント。
ハラスメントを起こす人間なんて、この世にそうそう居ないと思ってました。

だけど、結構、ザラに遭遇しません?
なんなら、無意識に自分がハラスメントしている可能性すらあるのでは?

最近、俗に言う「ノンデリ・モラハラ上司」に友人が苦しめられているのですが、思えば、かつて自分もモラハラされた経験があって、大変心を削られたのを思い出しました。

これだけ巷に跋扈するノンデリ・モラハラについて、自分なりに考察して乗り越えてきたので、メモ代わりに記載してみます。

1. ノンデリ・モラハラの定義

ハラスメント気質(ノンデリ、モラハラ、ロジハラ等)の人って、なんとなく男性を想像しそうになるけど、性別関係なく、相手の自尊心を貶める発言をして、自分の自尊心を保つ行為を行う人全てを指しています。
そして、これらは往々にして無自覚なんですよ。

ノンデリ(ノンデリバリー)、、 ?

ハラスメント発言の具体例がパッと思いつかないので、ChatGPT君に聞いてみたんですが、すごいですね。そうそう、こういうやつ。再現度高すぎて、見てるだけでもイラッとしますね。

共通してるのは、 相手を無能扱いして、相手の自尊心を下げることで相対的に己の自尊心を上げているってことだと思うんですよ。

もしかしたら、言われてる側になにか落ち度があったのかもしれない。
だけど、相手に対するリスペクトや思いやり、言い換えれば精神的な余裕や、大局を観察する広い視野があれば、別の言い方になるはずなんです。

例えば、仕事のシチュエーションにおいて、「こんな簡単なこともできないの?」なんて言ったら相手が萎縮して、生産性が下がるって、自明の事実ですよね。でも、生産性よりも己の自尊心を守りたくなるんですよ、大局を観察する余裕がないからハラスメント発言になっちゃうんです。

さらに、こういう発言をする人は「正しい自分像」をめちゃくちゃ大切にしています。ガラスのように脆く、エベレストのように高い自尊心が、何よりも大切なんです。
だから、なにかがうまく行っていないとき、他人の責任にするんです。だって、自分が間違ってるって認めたら、「正しい自分像」が傷ついちゃうから。だから、相手のやり方を否定するんです。お前が間違ってる、自分が正しいんだ。お前が愚かだからこっちが迷惑被ってるんだ、と。

要は、相手を尊重する余裕がなくて、自分を守るのに必死ってことです。

それだけ、ハラスメントをする人って弱いんですよ。
ハラスメントの裏側の心理は「もっと自分を認めてくれ」でしかないってことです。そこに生産性などの合理的な思考はありません。相手を下げて、自分の価値を確かめたいだけの幼稚で感情的な主張です。

実際、ハラスメント発言の相手って、自分より下だと思う人間に対してがほとんどなんですよね。部下とか、女性蔑視(男性蔑視)とか。

そして、少し論点が変わりますが、傾向としては、後天的な努力による自己承認によって、ギリギリ自尊心を保ってる人が多い気がする。この辺がハラスメントの発生原因につながってきますのでこれから説明します。

2. 発生原因

さきほど、結局は「もっと自分を認めてくれ」という自己承認がハラスメント発言の裏側の心理だと述べました。

では、なぜ自己承認できないのでしょうか?
トートロジーになりますが、自分で自分を認めきれないからです。そうすると、足りない部分を他人に承認を求めるようになりますよね。
みんなから「すごい!有能!あんたが正しい!」って言ってもらわないと、壮大なエベレストみたいな自尊心は、安心できないんですよ。ありのままの自分を認められないんです。

この症状は、自己愛性パーソナリティ障害が近いんじゃないかと思っています。

自己愛性パーソナリティ障害ってなあに

大体こういうのは過去のトラウマが起因していることが多いです。
幼少期にめちゃめちゃ親から厳しく育てられて、なにやっても認められなかったとか、クラスの劣等生扱いされていじめられたとか、自分自身がモラハラ上司に激詰めされてたとか。色々要因は考えられますが、「これらのどうしようもなく他人から認められなかった経験」が彼らの自己承認を下げる原因になってるんじゃないかと思うんです。

そして、彼らがこの経験を努力で切り抜けたとします。勉強、仕事、スポーツ、自分磨き、なんでもいいです。これ自体は素晴らしいことなのですが、そうやって努力でカバーすると、「よし、やればできるぞ」という自分発信の自尊心が育つと同時に、他人を攻撃するときの言い訳にもなります。

「自分は努力してここまで至ったのに、お前は努力してないじゃないか。だから、お前が悪い」と。

私が知るハラスメント気質の人は、大変勤勉で真面目な努力家ばかりです。そこに自信も自負もあります。ちゃんと自尊心が高いのです。
でも、他人から認められないと、満たされない。それくらい、過去にトラウマが深いから。だから、もし、物事がうまくいかなかったとき、そして、彼らの物差しで相手に少しでも落ち度がある場合、「なんでこんなに努力した自分が、お前のせいで失敗しなきゃいけないの?」となって、ハラスメント発言につながるわけですね。

上司と部下など、相手の方が立場が弱い場合にハラスメント発言が多いのも、部下のせいにしやすいからだと思います。

実際には、上司が部下をサポートしきれなかったという落ち度があるんですけどね。当然彼らの精神性は幼いので、向き合うどころか攻撃してくるわけですが。

(余談ですが、過去「その発言、生産性低いし矛盾してるけど大丈夫ですか?ちょっと冷静になったらいかがです?頭、いいんですよね?」と煽ったら烈火の如く逆ギレされました。そりゃそうだ笑)

3. 対処方法

じゃ、どうすればええねん、と。
これを語る大前提として、「決して、相手を変えることは出来ない」ということを念頭に置く必要があります。

相手が中学生くらいならギリギリ間に合うかもしれません。でも、大体は大人じゃないですか、もう人格が変わることなんてないんですよ。
例え恋人だろうが、伴侶だろうが、親ですら。もう人格形成は終わってるんです。彼らの人格を正せたのは、彼らの幼少期の親だけです。

彼らは承認に飢えていて余裕がないので、なにかをアドバイスされること=今までの”正しい”生き様を否定されていると脳内変換されて逆ギレしてきます。さらに、こちらを下に見ているのですから、「そっか、自分が間違っていたな」なんて思うわけがないんですよ。(それができる人はそもそもハラスメントしない)

故に、相手が変わらない前提を念頭に置く必要があります。
解決するには、自分が変わるしかないんですよ。

個人的な意見ですが、最善は相手と関係を切ることです。

正直、もうどうしようもないんです。
私を大切にしてくれない人を、大切にする必要なんてありません。
思いやりのない人間との関係は、どちらか一方が搾取されるだけで、平等ではありません。そんなのに付き合う義理なんてないんですよ。
その分、思いやりを持ち合える他の人を大切にしたいと思います。

ただし、これがビジネスや家族ならどうでしょう。
今すぐ切り捨てることができない場合。ま、ありますよね。

正直、根本解決は難しいので対処療法にしかなりませんが、何パターンか書いてみます。今回は、職場の上司部下を例にします。

証拠を集めて人事部にエスカレーションする
非常に理性的で合法なやり方です。
もはや二者間でどうにかなるフェーズは通り過ぎているので、第三者に介入してもらうしかない、といったところです。しかしながら、根本解決には繋がりません、おそらく本人からは嫌われます。
だけど、嫌われてもいいんです。ここの割り切りが難しいと思うのですが、「殴られているけど、申し訳ないから警察に連絡したくない」と言っているのと同じなので、自分の身を守るためにも警察(人事部)へ行ってください。

その際、証拠集めだけは徹底的にしましょう。そして、報告は淡々と行えばバッチリです。

会社としては、ハラスメントは撲滅する、以外の選択肢は取れないので、これがきっかけで、部署異動などで離れられるかもしれません。(会社が機能してない場合はブラックなのでできるだけ転職をおすすめします。。。)


相手に直接話す
私の経験上、99%逆ギレされます。「なんでお前ごときが自分を認めないんだ?ふざけるな!」っていう心理ですね。彼らは自分の自尊心のためなら、相手を貶めることを厭わないわけですから、想像の100倍の威力で反発されること間違いなしです。小石を投げたらダイナマイトで返ってきます。

ただ、相手にナメられないようにするために、毅然とした態度で冷静に、「〇〇だからやめてほしい」ということは本来は必要だとは思います。なにも間違ったことはしていません。毅然とした態度で、感情的にならず、冷静に。真心で話しかける必要はありません。無表情で、淡々と告げられたら最高です。例え、反発されても、あなたの心は傷つく必要はありません。でも疲弊はすると思います。そのときは、よく頑張った自分を労ってあげてください。

相手の望むように演じて回避する
精神的にタフで器用な方であれば、こんなやり方もあります。
対ハラスメント用の仮面を被る、というやり方ですが、当然こちらの負荷も高いです。仕事だから、と割り切ることができる器用な方しか出来ないと思いますし、基本的にはハラスメントを受けないよう受け流す技術が高いので、そもそもハラスメントに合いにくい人が成せる業な気がします。

ただひたすら耐える
一番手軽で、一番しんどいです。が、実際一番多いと思うんですよね。
耐える期間が短いなら良いのですが、耐えているだけでは彼らは「こいつは何言ってもいいんだ」と助長されていくだけなので、個人的にはおすすめしたくない方法です。短い期間だけであれば良いのですが、長期間に及ぶ場合、こちらが耐えきれません。そして、どちらにしろ、証拠集めは必須です。

3. 最後に

つらつらと長文を書いてしまいましたが、以上が私の分析です。
ノンデリ、モラハラの人たちを変えることは出来ない。できれば距離を置いて、私達の世界から消してしまったほうがお互い幸せだと思います。
だけど、そう言ってられないときもある。

そんなときは、対処療法で、いつか離れられるその日まで、どうにかするしかありません。その際、何があっても優先すべきは自分の心です。

ハラスメントをしてくる相手は、こちらを尊重していません。
自分を尊重してくれない人のために、自分の心を犠牲にするなんてしなくていいと思います。
何があっても、どんなことがあっても、ハラスメントしてくる側が悪いのです。だから、自分を悪いと思い込みすぎないでください。

どうか、自分の心を大切に
あなたの心を大切にしてくれる人は他にいっぱい居ますよ!!


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