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UL考 #07 ザック編

今回はザックのお話し。


何でもあなたは道具から入るよね

そうです、道具が好きなんです。道具が。ギアが。その代表格と言えるバックパックについて今回は記録を残しておこうと思う。奥さんによく言われる。「あなたはモノから入るよね」と。かくいう奥さんもなかなかなモノから入るタイプ。お互いにいままで沢山のバックパックを買ってきた。今年はその集大成で私のザックに対する想い(投資)も頂点に達した。2024年はほんとうに恵まれた年だ。ムーンライトギアチャンネルでもそのことが語られているので、興味がある方はまず↓の動画を観ていただきたい。

計らずしも

ほんとうです、、、↑で紹介されているバックパックを買ったのは、動画を見る前。たまたまなのか、運命に手繰り寄せられたのか、2024年の春は結果的に↑の二つのHMG「WAYPOINT」 と Pa'lante「Mini Joey」を買ってしまった。そしてそれに至るまで、Pa'lante「Joey」とSAMAYA「ALPINE PACE」もこの春に買ってしまった。なんかやっちまったなぁとは思う一方、、、買うだけではなく、自分のスタイルが整理できて手放したザックもあった。なので一旦よしとしようではないか。今日はいままでのザック遍歴を振り返っていこうと思う。

これまでのULザックの歴史と自分の購入ザックの一覧表

歴史って面白い

何事も発展の歴史を知ることは面白い。歴史を知ればその道具の背景にどんなニーズがあり、どんな想いが込められて作られたかがわかるからだ。ザックは体と触れ合う道具であることと、ギアを収納するモノであるので、登山スタイルやギアの進化にあわせてかなり高速度で進化を遂げてきたと言える。そのことを語っているのが下記の動画だ。ハイカーズデポの土屋さん、、、めっちゃ面白いです。この動画はかなり面白いのでご興味ある方はご覧ください。いままでのULザックの歴史を語ってくれています。

ミステリーランチから始まった僕のザック遍歴

初めて登山用のザックとして買ったザックは2019年に購入したミステリーランチの「3-ZIP 50」だった。この頃は訳も分からず「かっこいい見た目」と「なんかいっぱい荷物が入りそう」という二つのポイントで購入を決めた。じつは2013年にも登山用ザックを買っていたが、これは旅行用に購入したMOUNTAIN HARDWEARの「SummitRocket 40」だった。こっちは登山もしないのに、パックパッキングの海外旅行に憧れて選んだモノで、今思うと海外旅行のためになぜこんなアルパインザックを購入したのか謎すぎる。当時の店員さんは私のことをどんな目で見ていたのだろう。とても興味深い。

MYSTERY RANCH
3-ZIP 50
50L:2,300g
MOUNTAIN HARDWEAR
SummitRocket 40
40L:805g

なんか重い

ミステリーランチのザックを数回登山で使って、気がついたことがあった。「周りの登山者の人たち、めっちゃ軽そうなザックをつかってるやないか。。。」奥さんは「あなた一人だけヒマラヤ登山にでもいくかのよう」と言われたことがあった。

日帰り登山の伊吹山で50Lを使う

山と道の沼

家に帰って色々調べると「山と道」というなんかオシャレなブランドがあるではないか。よくわからんがULという登山スタイルがあるらしいことをここで知るのであった。購入するにもECサイトの在庫や実店舗が限られていて、なかなか手に入れられない。思い切って2021年、半年先の納品だが予約して購入したのが山と道の「MINI2」だった。このザックは容量もちょうど使いやすくお気に入りとなり、数年使うことになった。

山と道
MINI 2
30L:390g

テント泊登山用のザック

一度ULザックの身軽さに慣れてしまうと、、、容量はあれど、ミステリーランチに戻る気は起きなかった。2021年の秋、半年使ったMINI2が良かったので、に山と道の「ONE」をカスタムで購入することにした。生地はコーデュラナイロンのカーキで写真とは異なるが、これでテント泊ができると思ってワクワクしていた。

山と道
ONE
50L:527g

冬用のザック

3シーズン山を楽しんで、いよいよ冬山にも行ってみたくなった。初めて行った冬山は葛城山だった。この時はミステリーランチの「3-ZIP」に荷物を詰め込み、山頂でテント泊の練習をした。続いて、高見山に「MINI2」日帰りで行った。「3-ZIP」はやはり重く、、、「MNI2」は、ネットに雪がまとわりつき、苦労をした。なるほど、厳冬期用のザックがひつようだと悟った。そうして購入したのがHMGの「ICE PACK 55」だった。僕がいくような日帰りの登山であったり、一泊程度の冬山ならこれで十分だった。

HYPERLITE
ICE PACK 55
55L:1,001g

何度かテント泊を経て

テント泊の経験や、道具のUL化が進むにつれて違った悩みがでてきた。たとえば日帰りの登山のパッキングで「MINI2」の容量を持て余してしまう。一泊二日の登山のパッキングで「ONE」の容量を持て余してしまうのだ。これは持っているギアをコンパクト化していったからだ。思い切って「MINI2」に一泊二日のパッキングをしてみた。外の収納も使うとギリギリパッキングはできた。しかし背負ってみると「肩が痛い」。僕は一眼のカメラをHMGのCameraPodに入れて前にぶら下げているので、それだけで、荷物が1.5kg重い。どんなに頑張ってもPackWeightで9kg程度になった。それでは「MINI2」の適正荷重を超えていたのだ。

HMGのCameraPod

どうしたものか

「ONE」では容量は持て余すし、「MINI2」では耐荷重が上回る。うーん、どうしようと思い調べているとHMGから「WAYPOINT」というザックが発売されていた。「WAYPOINT」は容量こそ35Lと「MINI2」とニアリーだが、耐荷重が違った。なんと耐荷重は18kg。さすがしっかりとした腰ベルトがあるだけのことはある。カメラをいれても、奥さんの荷物を多少持っても、十分に背負えそうなスペックであることは明らかだった。そしてポチった。届いたものを確認すると肩パッドもしっかりしているし、腰ベルトもしっかりしている。これは奥さんとの登山でテントが大きい時や、カメラ機材をたくさん持っていきたい時に最適だ。

HYPERLITE
WAYPOINT
35L:666g

よしこれで一泊二日は完成

一泊二日のテント泊のザックは決まった。では、日帰りのザックはどうしようかと考え始めた。そこで目に止まったのがSAMAYAの「ALPINE PACE」だった。容量は20Lで日帰りにはちょうど良い。色も黒でカッコ良さそう。(最近黒にハマっている)早速購入してみた。ポチ。二日後に手元に届いた。そしてパッキングをしてみて気がついたことがあった。。。日帰りのパッキングでは「まだ容量が余るぞ、、、」と。更には、「MINI2」にギアをなんとか収めるために、一泊二日の、1人で行くテント泊セットも同時に見直していた。1人用のテントも購入して、ギアはかなり小さくなった。一泊二日の荷物が「ALPINE PACE」に全部入ればいいのだが、微妙に足りない。「もう少し容量あれば一泊二日のパッキングできないか?」ということに気がついた。20L+αあれば、1人で行く一泊二日のテント泊くらいであればパッキングできそうだった。「ALPINE PACE」はスノシューなどの接続ができそうなので、冬の日帰り用の想定だとぴったりだ。では違うザックを探すかとなり、探し始めた。

SAMAYA
ALPINE PACE
20L:490g

真打Pa’lante

単独での一泊二日はもしかすると25Lで行けるようになるかも知れない。そう思い立って25Lのザックを探し始めた。以前からPa'lanteがムーンライトギアで取り上げられていてものすごく気になっていた。「Joey」はFKTの文脈のザックで自分にはあわないかなぁ、、、と思っていたが、なぜだか惹かれる。日本の代理店やムーンライトギアには在庫はない。USのECサイトを見ると、なんと在庫があるではないか。円安ではあるが試しに買ってみるか!となり、ポチった。送料が高いので、せっかくだから、、、夏の日帰り用に「Mini Joey」も買おう。ポチった。便利な世の中だ。しばらくすると、パランテのECサイトのクルーから「英語の住所送って」と言われたので、英語の住所を送った。決済サービスのSHOPに英語の住所を登録していなかったからだ。1週間も経たないうちに「Joey」「Mini Joey」が家に届いた。早速パッキングしてみた。いいサイズ。単独での一泊二日のパッキングがちょうど行えた。

Pa'lamte
joey
24L:379g

夏の日帰り

夏の日帰り用として「Mini Joey」のパッキングもちょうど良かった。「Mini Joey」「Joey」共に「Camera Pod」を前につけているが肩が痛くなることもない。ちょうど良い。後から気がついたが、USのサイトでももう完売してしまったようで手に入らない。メルカリでは転売ヤーがここぞとばかりにとんでもない高値をつけて販売している。

Pa'lamte
mini joey
12L:345g

日帰りと一泊二日の山小屋

週末となるとテストを行なった。大台ヶ原、雨飾山、谷川岳で日帰りのテストを、一泊二日の山小屋泊の立山も「Mini Joey」がちょうど良いことがわかった。とてもしっくりきている。

雨飾山の頂上で

2024年春の散財記録

かくして、今年の春ザックの投資は終わった。もう使わないであろう「3-ZIP」と「ONE」は友人に買い取ってもらった。もうここから何年かはザックを買わない!自分のスタイルはもう完成した!そう思っている。(今のところ)
考えてみても、今年はULザックの黄金期ではないかと思う。下記の山と道のガレージメーカー史や、ミステリーランチのYoutubeでも語られている通り、ガレージブランドや、マスプロダクションのメーカーが熟成してきているということだと思う。日本のUL史、土屋さんの存在、山と道の出現、ムーンライトギアの出現、それらが交錯している様子が見て取れるので興味がある方は見てほしい。

ガレージブランドとマスプロダクション

個人的にはガレージブランドとマスプロダクションの話がとても面白かった。僕は建築設計の仕事をしているが、組織設計事務所という、どちらかというとマスプロダクションの文脈にある設計事務所にいる。ガレージブランドはアトリエ設計事務所の文脈にあって、この対比が設計事務所の対比と全く同じだなーと思った。トレードオフになってしまうのだなぁ。。。自分としてはエッジの効いたガレージブランドでありたい、、、そう思ったのであった。
今回はザックの散財記録でありながら、ザックの使い分けの想定などを整理してみた。皆さんの参考になればこれ幸いです。


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