妄想『二人で一つ!ザ・たっちのスマホは二人で解除』
2019.06.15
「合言葉」というものがある。
仲間内で用いられる言葉の問答による合図の一種であり、互いが仲間であることを認証するために前もって問答を定めておいた言葉である。
日本では「山」と言ったら「川」と答えるものが有名である。西洋ではアリババと40人の盗賊の「開け、ゴマ」の呪文が有名である。
〜脱線〜
ところで、なぜアリババと40人の海賊で扉を開く合言葉(呪文)が「開け、ゴマ」なのだろうか。
英語だと「オープン・セサミ」になるのか?と思い調べたところ本当に「open sesame」だった。
本当に「開け、ゴマ」という意味らしい。
これはもともとアラビアン・ナイトでのアラビア語を英訳したものだという。中近東地域では、ごまは油を搾るための重要な農作物として広く栽培されており、貴重な財源=宝物として重用されていたという。ごまは成熟後乾燥させると、種子の詰まったさや(さく果)が割れ、なかの種がはじけ出る。このことから「開けごま!」とは、パッと勢いよく開く様子を指して使われる当時の慣用句だったという。この慣用句がそのまま呪文として使われたのだろう。
ちなみにオープンセサミといえば東京アカデミーの教員採用試験の参考書シリーズでもある。ここからきていたのか。
......というか本当に「開け、ゴマ」そのまんまの意味だったのか。
パスワードではなく自分にしかできない動作でスマホのロック解除できるようになったら、という妄想
さて、本題に入ろう。
まず、スマホのロックがパスワードではなく「合言葉」によって解除されるようになったら、という妄想をした。
本人の声の周波数、発音の特徴を感知して本人にしかロック解除できない仕様になっているとかどうだろう。
例えば、林修先生が「今でしょ」を合言葉にしたなら「今でしょ」と本人が言わなければ解除することはできない。「開け、ゴマ」なら林先生が言った「開け、ゴマ」である。
合言葉でロック解除だけではなく、お決まりのポーズや自分にしかできない動作でロック解除するというのもアリかもしれない。
そんな世界線では、芸能人や一発芸を持った人々は自分の持ちネタをロック解除キーに設定する人々も出てくるだろう。
ここで、双子の芸人ザ・たっちの二人の場合を勝手に妄想した。妄想が暴走した。
※以下のストーリーは全てフィクションです。妹との妄想トークを文字起こしし整理したものなので内輪受けのノリです。ご容赦ください。
ザ・たっちは一時は一斉を風靡した双子の芸人である。
二人は持ちネタの「幽体離脱〜」をロック解除のキーにしたが、二人揃ってやらないとロック解除できないということに後から気づいた。その上、二人ともそれぞれの持っているスマホ2台とも二人でやらないとロック解除できないネタを登録してしまったため、いつも一緒にいて解除しなければいけなかった。しかし、それはそれでセキュリティになるので好都合だった。
そんなある日、ザ・たっちの片方(兄)が帰らぬ人となった。
残されたザ・たっち(弟)は途方にくれた。
二人揃っていないとスマホのロックを解除できない。スマホの中には二人の思い出の写真や兄の写真がたくさん残されていて、遺影に使いたくても今はもう取り出すことはできない。楽しかった思い出、芸人となってからの苦労、様々な思い出が走馬灯した.......。辛い時、苦しい時、楽しい時、嬉しい時......。そう、二人はいつも一緒だった。
「なんで....なんで死んだんだ......二人一緒じゃないと......俺らは二人一緒じゃないと幽体離脱ができないだろ!!」
白い布をかけられた、動かない兄の前で悲しみのあまり泣き叫んだ。
その時。
動かぬはずの兄の上体がゆっくり起き上がった。
「にい.....さん....?」弟は問いかけつつ、持ちネタ「幽体離脱」のように上体を起こす兄の体を凝視した。死んだはずなのにどうして、と驚きのあまり動けない。
「人は聴覚は最後まであると言いますからね。そして、長年『幽体離脱』という掛け声とともに上体を起こしていた芸が体に染み付いていたのでしょう、掛け声に反応して筋肉が収縮するようになっていたようです。」と医者は言う。
これがザ・たっち最後の芸「幽体離脱〜」となり、本当に幽体が離脱した状態での最初で最後の芸となった。
ロック解除されたスマホには、二人が満面の笑みで映った写真が残されていた。
〜END〜
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