アウツと勝率

「ターンの1アウツって2%ですよね。そしたら、9アウツって18%ってことになるけど、他に降りた人がアウツのカードを持っていたら、アウツが減るから、引ける確率は18%より低くならないの?」

こういう疑問を目にすることが結構あります。今回はそれに答えていきたいと思います。


まずそもそも、1アウツ=2%って覚えていると思うのですが、それってどこから来たんですか?

1アウツ=2%って誰かに言われた。

○○って本で書いてあった。

うん、で、2%ってどこから来たのでしょう?


カードは全部で52枚あります。

ターンで4枚出てて、自分のハンドに2枚あります。

なので残りのカードは

52ー4-2=46枚ですよね。

ここで、46枚中1枚で勝ちなら、勝率は

1÷46=0.0217

    =2.17%

です。まあ、ざっくり2%です。

1アウツは2.17%です!じゃあ9アウツは?

これをさっと暗算出来る人なんてそんなにいないし、そもそも20%のものを18%だと思ったとしてもそこまでプレーに影響はありませんよね。

なので、1アウツ=2%としておきましょ、という感じなのです。


ではフロップの勝率を考えましょう。

フロップで1アウツあるとします。フロップでは3枚出てて、自分の手札2枚あるので、残りのカードは

52-3-2=47枚。

ターンで引けるのは1/47

ターンで引けなくてリバーで引けるのは

46/47(ターンで引けない確率)×1/46(リバーで引ける確率)

=1/47

なので、ターンかリバーで引ける確率は

1/47+1/47

=2/47

=4.25%

ざっくり4%ですよね。これが、

「フロップの1アウツ=4%、ターンの1アウツ=2%」

という話のからくりなのです。でも、本当は4%じゃないのです。近似したらざっくり4%になる、というだけであって。


ところで、フロップで8アウツあったら、引ける確率は正確には何%でしょうか。

4.25×8=34%!

とやりたくなりますよね。でも違うのです。また元に戻って考えていきましょう。

フロップでは47枚あって、そのうち8枚がアウツです。

なので、ターンで引ける確率は

8/47

ターンで引けず、リバーで引ける確率は

(47-8)/47(ターンで引けない確率)×8/46(リバーで引く確率)

=(39/47)×(8/46)


なので、全部で引ける確率は

8/47+(39/47)×(8/46)

=0.314


あれ、34%より小さいですよね。

なんでかと言うと、34%はターンとリバーで両方引ける時を2回カウントしちゃっているのです。

二回引ける確率は

8/47(ターンで引ける確率)×7/46(リバーで引ける確率。ターンで引いたので1アウツ少ない)

=0.026

=2.6%

なので、その分引かないといけないのです。確かに

34-2.6=31.4%

となってますよね。


フロップで引ける確率を1アウツ4%とするのは

・本来の1アウツは4.25%なのでもうちょっと大きくしないといけない

・でも、2回引ける時を考えないといけないのでもうちょっと小さくしないといけない

この2つが打ち消し合って、ターンでのオールインよりも1アウツ=4%に近くなるのです。



では最初の疑問に答えていきましょう。

「ターンの1アウツって2%ですよね。そしたら、9アウツって18%ってことになるけど、他に降りた人がアウツのカードを持っていたら、アウツが減るから、引ける確率は18%より低くならないの?」

9アウツは実は20%に近いことはここまで読んでくれた方なら分かるかと思います。でも、他に降りた人がアウツのカードを持っていたら?の疑問は依然としてそのままでしょう。式でもう一度書くと

ターンの9アウツ=9/46

        =19.6%

です。

「9じゃなくて7アウツかも知れないじゃん!」

と言うけど、よくよくこの式を見てほしいのです。

9の部分だけ減らして46の部分を減らさなかったらフェアじゃないと思いませんか?

そこまで降りた人が7人いるとします。

降りた人がアウツのカードをもっていた枚数は、降りたカード1枚あたり

9/46

アウツです。全員で14枚のカードがあるので、降りた人7人の合計では

14×9/46

=2.76アウツもっていたことになります。

じゃあそれを考慮すると

アウツが

9-2.76=6.24枚

全体の残りカードが

46ー14=32枚

なので、

引ける確率=6.24/32

     =19.5%

途中で四捨五入した関係で0.1%ずれちゃってますが、四捨五入しないで計算したら、他の人の持っていたカードを考えずに計算した9/46と全く一緒になるのです!


結論:降りた人のカードのアウツを考えるなら、総カード枚数も考えないといけない。両方考えるのは、両方考えないのと同じ計算結果になるから、降りた人のカードを考える必要はない



こういう感じで、必要勝率やバブルファクターについても式を書いてゆっくり説明してますので、有料記事ですがこれらもどうぞ。

(必要勝率)


(バブルファクター)



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