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海外アンティークバイヤーの始め方


海外アンティーク・バイヤーという職業の始め方です。

「あなたの様に旅しながら生きたい。どうすれば良いの?」と
よく聞かれます。

様々な職種・ビジネスの始め方は、
本やネットで溢れている昨今。

本当にやっている人間が書くアンティーク・バイヤーの始め方は、
あまり目にしない。

おおむね、日本で目にするのは、
日本の古物商の始め方とかでしょうね。

だってニッチな市場ですし、
そもそも、
プロとしてやっている人も日本では多くはないでしょう。

そして、
その手法は隠さないと真似されるから、
公にしないのは、
暗黙の了解なのです。

一応、僕は現役のバイヤーで
仕入れ業を生業としてます。

正確には販売も行うので、
ディラーでもあります。

底辺で生きてますけど。

参考にならない内容です。


さて、前置きが長くなったが、
始め方です。

絶望的な結論から言いましょう。

もし、本気でやるのであれば、
金がなければ始めない方が良い。

僕が見てきた人々、多くに共通する事でですが、
金を用意できない人は続けられません。

あまりにもキツすぎるからね。

最初に気力が尽きます。

その金額は最低でも100万円は必要です。

金がなく、生き残っているのは、
余程の変態か重度の旅中毒しか、僕は知りません。

今や海外渡航費は高額になっております。
円安でもあります。

海外のアンティーク業界、
チベット物でも、
嘘、裏切り、偽物、高額押し売りが蔓延しております。
むしろ、それが当たり前です。

簡単に、損せず、勝ち逃げできるほど
甘い世界ではござりません。

結論の続きを言いましょう。

もし、
あなたが生活の基盤が既にあるのであれば、
そう、
主婦であるとか、
本業があるとか、
趣味程度でやりたいとか、
もう働かなくても良い金銭環境であるとか、
であれば、
簡単に始められます。

究極論、
どこでも良いが、海外の何処かの国に適当に行き、
適当にアンティーク・ショップで買い物をして、
日本に持ち帰り、
SNSを開設したり、
HPを作ったり、
骨董市に出たり、
何がしかのネットで売ったりすれば、
それであなたは、もう海外アンティーク・バイヤーです。

今や、
多くの主婦がやっておりますさかい。

見極めの眼が必要?

お金が無い?

英語が話せない?

そんな心配は不要です。

旅行ついでに、
自分が良いと思った物を、
自分の予算に合わせて買いさえすれば良いのです。

海外旅行ができれば、
誰でも出来ます。

全予算、
10万円でも可能です。

ベトナムやタイなどアジアであれば、格安で行けます。

海外へ旅行できる費用と、
ちょっとした買い物ができるお金さえあれば良いのです。

売れるか
売れないか
そんなのは分かりません。

安心してください。

何が売れるのかなんて、
絶対的な事がわかれば、
みんな、すぐに金持ちです。

なんでもかんでも売れたバブル期とは今は違います。

皆、常に、
ギャンブルと商売、
自分の独りよがり、の狭間を
行ったり来たりしているのです。

続けられるか否かの、
その結果は、やってみなければ、
誰もわからないのです。


では、僕の実体験を話します。

僕はこの仕事を5万円で始めました。

「ハァ?言ってる事が違うじゃねぇか。頭、大丈夫?」と
言われるでしょう。

自分で言うと批判されるだろうが、
僕は、変な事例なのです。

僕は海外旅行が以前から好きで、
この仕事を始める前から、海外を旅行してました。
その年数は居住も含めて10年になります。

そして、古い物もずっと前から好きで、
旅する毎に現地の骨董屋やマーケットなど、
色々見ておりました。

性格的に、
表通りの店ではなく、
奥へ奥へと行っておりました。

そして、ある時、
海外でド底辺の生活をしていた頃、
現地の骨董屋で全財産の半分の5万円で買い物をしました。

「仕入れて売る」と言う事を前提にしていた訳ではございません。
今でも、何故、それを買ったか分かりません。

ただ単に、薄暗い雑多な店内に居合わせた、
外国人中年女性バイヤーの
「あんた、コレ、買ってみなさい。儲かるわよ」と
言われた言葉と運命に流されただけなのです。

日本に戻り、ネットオークションで出品しました。

時は、まだ中国人が日本で爆買いしている最中でした。

アンティークに置いても例外ではなく、
ネットオークションに1000円スタートで出品した品は、
3品で45万円以上で一週間後に落札されました。

その金を持ち、すぐに再び海外へと旅立ちました。

嘘や作り話みたいな話ですが、
本当です。

そして、
現地で卸の店を見つけたり、
地方の村や僻地へ行ったり、
仕入れては帰国、
帰国しては渡航、
を凄まじい頻度で繰り返しました。

それは、超好景気で爆買いする中国人相手に販売をしていたので、
単に運が良かったのかもしれません。

裏話を言うと、
ネットオークションで中国人相手に売れ線の物を売り、金を作り、
骨董市で日本人相手に手頃な金額で珍しい物を売り、
お客を作っていきました。

初めのうちはチベット物だけでなく、
ミャンマーの物とかも売ってましたが、
そもそも僕はミャンマー現地で真贋色々見ていたので、
ありがたい事に、偽物氾濫の骨董市では、
コレクターの方々に珍しがられました。

もちろん、
古物業界に多く見られる様な、
個人で闇で商売していたのではなく、
古物免許も取得し、
始める前に事業登録をして、
確定申告も毎年欠かさず、
泣きながら黒字申告をしておりました。

やがて、顧客対象を中国人から日本人100%へと移していきました。

わずかな売り上げを重ねていきました。

生活は余裕がなく、
一日一食とか当たり前の生活は続きました。

今でも続いております。

全てを仕事に費やしました。

友人が幸せな家庭を築くのを傍目に、
色々なものを犠牲にしたり、
諦めました。

そして、
公的な金融機関の借入審査に合格し、
お金を借り、
予算を確保しました。

その借入も昨日、完済しました。

超高額品を扱う他の業者は、
どーやって初めの一個を買ったかは僕は分かりません。

僕が知る限り、
50年前には安値だったチベットのアンティーク。

その頃に始めてたら、
今は少なくとも70歳代にはなるでしょう。

もし今の業者が、
若い人または働き盛りの年齢であれば、
初めの予算はどこから持ってきたのか、
親などからなのか、
僕は他の人は知りません。

もっとも、
安く仕入れて、高い値段で売れば予算は確保できます。
それがチベットのアンティークが高額な値段の正体かもしれませんが。

話を戻すと、
僕の場合は上述した様に、
積み重ねを繰り返し、
少しづつお客様の獲得と、
渡航・仕入れ費用の確保で予算を造りました。

買ってくれる方々には、本当に感謝しかありません。

また、
底辺バックパッカーだった経験も活き、
飛行機の乗り継ぎや経路、取得方法、
滞在場所の確保から食事、
荷物の送り方まで、
低予算で海外渡航をできる術も既に持っていました。

品物を買う交渉術も、
モロッコの強欲熾烈な業者から、
ロンドンやパリの品の良い業者、
ネパールの泥沼業者まで、
始める前の段階で、既に下地の経験はありました。

今では日本でもメジャーになった小さな骨董市とかの存在も、
かなり以前から知って、客として足を運んでいました。

僕が始める前は老人の嗜みと思われていた骨董市も、
今やすっかり若い人の間でも定着した様です。

当時、アパレル業界の友人に
「骨董市が面白いだよ」と言うと、
変な目で見られていましたが、
今の骨董市では、ファッション業界の人も多く見られます。

余談ですが、
僕がネットオークションで売っていた頃、
中国人をターゲットにしていたので、
中国語翻訳しやすい日本語で商品名や説明文を僕は書いていました。

中国人がオンラインの翻訳機能を使って商品を買っている事に、
当初から僕は気が付いていました。

だから日本語が少しおかしなタイトルを付けていました。

すぐに真似されましたけど。

当時はそんな汚い事も繰り返しましたよ。

僕みたいな立場の人間は、
金を作らなきゃ続けられませんからね。

「まずはバイトやって金作れば?」
と言われるでしょう。

今ではわかるのですが、
そんな考えでは、
すぐにバイト生活に戻ります。

もしくは、
安定した職種に就いて、
時間と気力は無くなります。

命懸けと言えば大袈裟になりますが、
明日、食事を食べられるか否かを、
考えなきゃいけない状況に追い込まなきゃ、
真剣になりません、僕の場合は。

もし真剣にやらないのであれば、
幾らでも方法はあります。

北京や上海でもチベット物は売ってますし、
タイのバンコクで中国少数民族の物も、
アフガン系の物も手に入ります。
わざわざ現地や奥地に行く必要はありません。

インドのニューデリーでも色々手に入ります。
旅の物語とか無視して商売重視であれば、
効率的に幾らでも実践できます。

僕は単にアホだから旅してるだけなのです。

イスタンブールでも卸を見つける必要はなく、
グランド・バザールの表通りの店で仕入れても、
十分商売としてやっていけるでしょう。

マニアックな国に行くのも手でしょうが、
近隣のアクセスの良い国でも、
実は手に入れるのは可能です。

英語がさっぱり通じない中国の貴州省の奥地ではなく、
タイのチェンマイでも同じ手の物は手に入れられます。

イギリスでもフランスでも同じ事でしょう。
地方ではなく、
中心地の著名なマーケットに行けば、
値段や希少性はともかく、
手に入れる事自体は可能です。

その仕入れ値で、商売が成立するか否かは分かりませんが。

でも、ここでの話は「始め方」でござる。

実は、
海外アンティーク・バイヤーってのは、
誰でも始められる商売なのです。

まずは海外へ行き、
適当に買ってくる。
そして、
ネットなどで売ってみる。

ただそれだけです。

初期費用だって、
飛行機代プラスアルファで、
最初は始めてみられます。

続けられるか否か、となると
また別の話になるだけです。

以上

全然、参考になりませんでしたね。

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