封印した言葉
僕には5,6年前から封印している言葉がある。
そしてこの先も封印しておこうと思っている。
きっかけとなったその日、
僕は奥さんとケンカをした。
原因は些細な事だ。
僕がちゃんと片付けてなくて散らかしてたとか、そんな事だった気がする。
僕は特に疲れてグッタリしている日だった。
「ゴロゴロしてないで片付けてよ!」
奥さんに怒られた僕は咄嗟に言い返してしまった。
「そんな事言ったら自分だって先週は疲れて寝てたじゃんか!だから休ませてあげようと思ってオレは何も言わなかったのに、そんな言い方しなくてもいいじゃん!」
僕の中では、しんどい時はお互い様でしょ
という気持ちがあった。
相手の分まで自分がやる事はないけど
せめてそっとしといて欲しい、
そんな風に思ってつい感情的に言ってしまったのだった。
それを聞いてもまだ奥さんはプリプリしている。
奥さんいわく、
僕はケンカになると
「あの時ああ言ったのにおかしいじゃないか」
だとか
「だったら言わせてもらうけど、前は君もこうだった」とか
前にあった事実を反論に持ち出していたらしい。
まったく自覚はなかった。
「それを言われるとすごく正しい事言われてて自分が良くない人間に思えるから辛くなる。それズルイよ!」
奥さんはそう言ってついに泣き出してしまった。
僕としては言い負かしたい訳じゃなくて、
「そうか、お互い悪いとこあったよね。
ごめんね。じゃあこれからはお互いを思いやっていこうね。仲直りだね。チュッ👨❤️💋👨」
みたいな平和的な解決がしたかっただけだった。
だから泣いている奥さんを前にして
語気を弱めて僕の気持ちを伝えたものの、ズルイと言われた事には全然納得できていなかった。
そしてもちろん奥さんも納得していないご様子😓
その後も少し話をして、
お互い納得は出来ないものの何となく気持ちが落ち着いたのでケンカは終了。
でも僕はずっと考えていた。
僕はズルイか?
いや、ズルくない。
間違った事言ってない!
その日の夜はモヤモヤした気持ちのまま眠った。
次の日、起きてからもう一度考えた。
スヤスヤ眠る奥さんの可愛い寝顔を見ながら考えた。
スマホのバイブ音みたいなイビキをかきながら寝ている奥さん。
うーむ、、、やっぱり、、、
僕はズルイかも知れん!
ごめんよ奥さん😭
奥さんに対して
「疲れてそうだから今日は何も言わないでおこう」と思って何も言わなかったのは
僕の勝手な想い。
僕がうるさく言わずそっとしておいた事でその日の奥さんは助かったかも知れない。
だけどそれを相手にも望んだり、
後から持ち出してあーだこーだ言うのは
確かに卑怯だと思った。
善人のフリしてなんともイヤらしい所業だ。
僕は決めた。
「そんな事言うくせに自分だってさぁ、、、」
みたいな事はもう二度と言うまい。
その言葉を封印する事を決心した。
ただし、言いたい事をずっと我慢する夫婦ではありたくない。
だからこうする事にした。
言いたい事があれば、その場ですぐに言う。
その場で言わなかったのであれば、後で持ち出さず、二度と言わない。
そう誓って
奥さんのほっぺをそっとツンツンした。
イビキが止んだ。
それから今まで封印を解いていない。
特に我慢しているというストレスは感じていない。
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