カメオを売りに行く
こんにちは、ぱんだごろごろです。
指環とブローチを売りました
以前にちょっと書いたのですが、もう使わなくなった指環やブローチが気になっていたので、思い切って処分することにしました。
ちょうど朝刊に、貴金属の買い取りをする、というお店の広告が入っていたので、思い切って売って来ようか、と思ったのです。
以下は、その時に書いた記事の一節ですが、結果としては、指環2個とブローチ3個を買い取ってもらいました。
今日は、その時の体験をもとに、考えたことを書いてみようと思います。
まず、結論です。
あるものを生かすために、負荷が発生する場合は、もうそのものは務めを終えていると見做した方がいい。
これは、私が祖母からもらった、カメオのブローチのことです。
祖母は15年ほど前に96歳で亡くなりましたが、まだ元気だった60代の時に、兄姉と一緒にヨーロッパ旅行に行ったことがあり、その旅行のお土産として、ローマで買ったというカメオのブローチを私にくれたのです。
しずく型の貝の枠の中に女性の横顔が彫られており、繊細な細工の美しさに、ずっと大切にしてきました。
▼さまざまなカメオ
けれど、近年、洋服のカジュアル化が進むに連れて、カメオの出番もなくなり、ここ数年はまったく身に着けることがなくなっていました。
娘に見せたこともありますが、きれいだけれど、自分は使わない、と言われました。
ただ、祖母の形見のような気がするため、使わないからといって捨てることもできず、ずっと宝石箱の片隅で睡り続けていたのでした。
ここからは、私が実際に、指環2個とブローチ3個(前述のカメオを含む)を売った時のことを書いて行きますね。
まず、新聞のチラシ広告を見て、お店のある場所の見当を付けました。
2,3日前にも、同じような、ブランド品のバッグや時計などの買い取りをするお店の広告が入っていたので、その二つを見比べ、ネットの口コミ(評判)も読んで、目指す店をAに定めたのです。
初めての売却経験です。
ドキドキしましたが、無事に目指す店に到着し、店内に入ることができました。
店員さんは親切に声を掛けてくれ、椅子に座った私は、大伯母から母へ、母から私へと引き継がれてきた、大きな瑪瑙と翡翠の指環をまず差し出しました。
あまりに石が大きいため、さすがに手の大きい私でも、さりげなく着けこなすことができず、出番のない指環たちでした。
店員さんは指環を見るなり、
『今はこういう色石は需要がないんですよ』
と言いました。
『ですので、値段を付けるとしたら、まわりの枠だけのお値段になります』
『はい、けっこうです』
店員さんは指環を丹念に見始めました。
『金とプラチナですね。ゴールドの方が2万円、プラチナが1万円で、合計3万円です』
『それでけっこうです。あの、こちらも見て頂けますか?』
私は、カメオのブローチを出しました。
『こちらもやはり枠だけのお値段になるので、金で、2万円ですね』
2万円。
2万円で、祖母の形見の品を手放してしまうのか。
『でしたら、今回は指環だけにします』
私は、カメオのブローチをバッグにしまい、指環2個の代金、3万円を受け取りました。
帰り道、辺りが暗くなって来る中を家に向かって歩きながら、私は悶々としていました。
おばあちゃんに悪いと思って売らなかったけれど、でもやっぱりカメオのブローチは使いづらいな、この先も、気になったまま使わずに、しまい込んだままにするのかな・・・。
家を出るときに見た、もう一枚のチラシ広告を思い出しました。
ここからならそんなに遠くない。
回り道になるけれど、もう一軒寄ってみようか。
そう思った私は、今度はB店へ向かいました。
B店の店員さんにカメオのブローチを見せると、彼女もA店の店員さんと同じことを言いました。
『枠だけのお値段になってしまうんですよね。
これは14金ですから、4千円です』
値段だけが違いました。
なぜこんなに値段が違うのだろう。
だったら、さっきのお店で売ってしまえばよかった。
私は、売るのをやめて、B店を出ました。
家に帰ってからも、色々と考え続けていました。
おばあちゃんが、売らないでと言っているのかな?
何とかカメオのブローチを生かす方法はないかな?
私は、アマゾンのアクセサリーのページをあれこれ検索しました。
ペンダントにもなる型だから、ビロードのリボンでも通せば…。
でもやっぱり駄目でした。
どうやっても無理がある。
何を足してもしっくりこない。
その時に、この結論が浮かんだのです。
カメオのブローチを生かすために、新しい金のネックレスやビロードのリボンが必要になるのなら、もうカメオのブローチ自体がその役目を終えていると思うべきなのではないか。
それに、祖母の形見なら、すでにダイアモンドの指輪がありました。
翌日、私は、ネットで調べたC店へ向かいました。
昔買ったけれど、もう使っていないヘレンドのブローチと、旅行先で夫に買ってもらったシルバーの色石(ブルートパーズとシトリン)のブローチも一緒に持って行きました。
特に、自分が気に入って、それを夫が買ってくれたブローチは、買ってもらったものだから、というその一点だけで、今まで処分できずにいましたが、明らかにこの先も使う当てのないものです。
自分が使わないとわかっていて、宝石箱の中にある、ということは、娘からも要らないと言われている、ということ。
ですから、私の中にある、夫への罪悪感さえなくせば、処分できるのです(夫がそのブローチの存在すら忘れている、ということに疑いの余地はありません)。
C店では、ヘレンドのブローチとシルバーの色石のブローチは、やはり枠の銀の価格しか値が付かないので、両方合わせても、4百円にしかなりません、と言われましたが、それで手放すことができるのなら有り難いと思い、買い取ってもらいました。
カメオのブローチについては、
『これは金ですが14金ですね。1万円です』
『それでけっこうです。お願いします!』
というやり取りのあと、私のもとから旅立って行きました。
今、私の宝石箱の中には、日常使うものしか入っていません。
出番がなくて、仕舞ったままにしていたものがなくなって、心なしか引き出しの中の空気まで軽くなったように思えます。
指環のクッションには、祖母の形見のダイアモンドのリングと、父の形見のラピスラズリのピンキーリングがおさまっています。
今週のトロフィーとお祝いボード
今週はトロフィーを2つとお祝いボードを1枚の、合計3個を頂きました。
スキを付けてくださった皆様、どうもありがとうございました。
今日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
2万円→4千円→1万円というA店、B店、C店の値付けの違いについては、おそらくカメオ本体の重さの見積もりによる誤差が出たものと思われます。
目で見て枠の重さを判断するのは、それだけ難しいということでしょう。