「気位の高いひと」の他人との向き合い方~<他者への心遣い>とは
あなたは他人に振り回されていませんか?
他人から何か言われる度に、気になったり、不快感を消せなかったり、何度もその場面を思い起こして、あれこれ考えたり。
【「気位の高さ」が消してくれるあなたの悩み】で、気位の高いひとは、「相手からの悪意を受け取らない」、「自分と他人との距離をしっかり取る」ことで、人間関係に悩むことなく過ごしている、ということをお話ししました。
今回は、この事について、さらに詳しく書いてみようと思います。
「気位の高いひと」は、他人から煩わされることがありません。
もちろん100パーセントではありませんが、「自分」と「他人」を、しっかり分けて考え、むやみに他人とかかわらず、適切な距離を常に取っていることからそうできるのです。
他人と深く関わらない代わりに、決して敵意を持たれないように、注意します。
周囲の人には挨拶は欠かさず、誰に対しても愛想良く接し、笑顔を絶やしません。
万一、嫌な相手が現れて、面倒事に巻き込まれるようなことになった時に備えて、自分を理解し、味方になってもらえるよう、常日頃から周囲の人たちと良好な関係を築いておくのです。
では、なぜ、気位の高いひとは、相手との距離を取るのでしょう。
それは、そうすることが、気位の高いひとにとって、「他人を尊重すること」だからです。
そして、同時に、そうすることで、他人との間に、余計なトラブルや厄介な面倒ごとが発生することを防いでいるのです。
気位の高いひとは、他人にお節介を焼きません。
助けを求められれば、喜んで全力を尽くして助けますが、自分からしゃしゃり出ることはしません。
むやみに他人に力を貸そうとする行為は、自分の能力に自信と誇りをもっている人の気持ちを傷つけることだと知っているので、気位の高いひとは他人に対して、いっさい出過ぎた真似はしません。
それが、相手の自尊心を尊重する、ということなのです。
気位の高いひとは、相手が何らかの意思表示をしてくるまで、じっと待っています。
口出しするのは簡単なことですが、それでは、相手に自分の考えを押し付けることになりますし、相手には現状打破の能力がないと思っているように受け取られかねません。
相手は、自分の力で人生を切り開くことの出来る人、自分が相手をそう評価していることを示すためにも、安易な口出しはしないのです。
今述べた例は、親しい人に対してですが、では、さほど親しくない人、あるいは気の合わない人に対してはどうでしょう。
気位の高いひとは、基本的に他人を尊重しますが、一度心を許す相手ではない、と判断したら、その相手に対しては、きっぱりと線を引きます。
礼儀正しく、にこやかに接しますが、個人的にかかわることがないように、注意深く振る舞います。
さらに、相手がこちらに悪意を持っていた場合にはどうでしょう。
悪意、と言うと大げさに聞こえるかも知れませんが、相手があなたのことを勝手にライバル視していて、足を引っ張ってやろう、とか、あの人ばかり上司や先輩に可愛がられて狡い、と恨んでいるなどの場合ですね。
気位の高いひとは、相手の悪意を受け取りません。
飛んできた悪意を、ラケットで打ち返してしまうイメージです。
悪意のある相手が、あなたに失礼なことを言って来たら、あなたはむっとしたり、傷付いたり、そうではないと抗弁したくなったりするでしょう。
でも、感情に振り回されてはいけません。
他人の言葉であなたが傷付くことはありません。
あなたではなく、失礼なことを言った相手に、失点1が付くのです。
これは、あなたではなく、失礼なことを言った相手の問題。あなたに関わりはありません。
イメージの中のラケットで、失礼な言葉を相手に打ち返したあとは、放っておきましょう。
何やかや余計なことを言ってくる嫌な相手には、興味を持たないのが、一番の方法です。
何を言われても、ハイハイと受け流して、すぐに忘れてしまいましょう。
どうしてあの人はこんなことを言ってくるのかしら、何か私があの人の気に障る事をしたのかしら、なんて考えてはいけません。返事だけしたら、あとは無視しましょう。
支配欲のある人、傲慢な人にとって、関心を持たれないこと、無視されることは、一番の恥辱なのです。
勿論、相手に気付かれないように、上手にやって下さいね。
あなたの身を守るためです。
まとめます。
気位の高いひとにとっての、<他者への心遣い>とは、他人に干渉しないことです。
親しい友人や家族に対しては、彼らの自尊心を尊重して、口を出さずにあたたかく見守ることであり、親しくない人に対しては、距離を置いて接し、影響を受けないようにする、ということです。
他人から振り回されがちな方は、ぜひあなたの気位を発動して、面倒な相手からは、悪い影響を受けないように、十分距離を置いてください。
相手が何かを言ってきたら、にこやかに受け答えをし、離れたあとは、すぐさま忘れてしまいましょうね。