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「補習校設立」で本当にいいのか?~決断のその前に➀~
そもそも「補習授業校」って?
簡単に言うと、在外教育施設の中で、➀日本の公立学校の学習の一部を、②現地校に通う児童向けに、放課後や土曜日に行う学校です。条件を満たし、正式に日本政府に認められることで、資金援助や教材斡旋の支援が受けられます。
その条件については、こちらの記事(第②弾)に書きました。
反対に、私が当初考えたいたものは「私塾」です。日本政府による指定や認定もない代わりに、援助もありません。1つの企業が設立し、塾生から授業料や教材費を集めることで、講師の給与や家賃などの経費を賄い、教室を維持・運営していきます。
補習授業校と私塾、どっちがいいの?
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お金と環境でいえば補習授業校
当然、学校運営に関わる経費は、保護者のみなさんから徴収する授業料に直結します。外務大臣の指定を受け、資金援助が受けられる補習授業校になれば、必然的に授業料が安くなります。
実際に外務省が提示している資金援助のし方は、次のとおりです。
1.校舎借料支援
校舎(体育館及びプールを含む)の建設または購入経費の50%
2.現地採用教師・講師給与支援
一定数の教師・講師に対し月額給与の45~95%
3.安全対策支援
ガードマン・警報機器等のリース契約額の65~98%
何割が支援対象になるにせよ、「お金」の面では圧倒的に補習授業校がよいと言えるでしょう。
実際、授業料にどれくらいの差が出るのかについては、こちらの記事(第➂弾)を参考にしてください。
さらに、指定補習授業校になることで、「海外子女教育振興財団」による教材の斡旋が受けられます。現在も無料で配布されている教科書のほかに、ドリルや実験キット、教室で使う教具などを日本からルワンダまで送ってもらったり、講師の斡旋を受けることができます(費用は学校負担)。
つまり、日本の学習指導要領に即した学習環境が整いやすい!
もちろん、私塾でも、学習環境を整えることはできますが、多くの資金が必要となるので、補習授業校並にそろえることは、厳しいでしょう。
手間のかからなさでいえば私塾
あくまで、保護者目線での話です。私塾は、環境整備も経営も、塾を運営する民間企業にお任せです。保護者のみなさんは授業料を収めればいいだけ。
経営の責任もコストも、すべて当該企業がもつことになりますから、設置科目や運営方針について、意見が反映されにくくなります。
一方、補習授業校の運営は、「運営理事会(または委員会)」が担います。
設立者は個人ではなく「非営利目的」の「団体」であり、運営に関しても運営理事会を中心に、保護者会や講師会が協力して総意に基づいて行います。
まさに「of the people, by the people, for the people」です!
保護者のみなさんが学校運営に協力する主だったものは、行事への参加や資金集めです。前述の資金援助でまかなえない経費があった場合、バザーなどを開催して、経費の足しにします。
さらに中には、先に述べた「運営理事会」に選出される人もいるでしょう。
運営理事会の仕事がどこまで忙しいものかは、蓋を開けてみないと分かりません。年に数回会議をするだけになることも考えられますが、学校運営に責任を負います。
言うまでもないですが、講師はあくまでも、運営理事会と雇用契約を結ぶ被雇用者なのです。
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まとめ
・補習授業校は公立の塾のようなもの
・家計負担や学習環境面では補習授業校
-なるべく日本の公教育に近づけようとしたもの
・補習授業校はみんなでつくるもの
-これからルワンダにやってくるJapanese Communityに残せる宝物。
-資金集めはアイディア次第
また、外務省の指定を受けられるのは、最短で2年目からになりそうです。その根拠については、第②弾でお話します。