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辛と四緑とアフガンと

みなさんこんにちは。気学Style西島です。

9月に入って京都は急に涼しい日々が増えてきました。
過ごしやすいのはありがたいところではありますが、8月までの暑さはなんだったのかと思えるほどの落差には流石に少々戸惑います。

9月は下の盤面を見ていただいても気候を表す八白土星の上に一白水星がやってきますので、9月は少し冷え込みそうですね。雨も多いかもしれません。

「喉元過ぎれば」と申しますが、涼しくなって一気に秋の雰囲気が強まりそうです。秋の美しい景色が楽しみですね。
そんなふうに四季を楽しめる国に生まれて本当に感謝です。

辛の節目と、アメリカ

8月30日をもってアメリカのアフガニスタン撤退が完了いたしました。
思えば2001年の米国テロに始まった一連のアフガン問題ですが、ここにきて一つの決着がついた格好です。

さて今年の十干の「辛」ですが、こちら普通に読むと「辛い」と読みます。
そしてまたこの「辛」はこのコラムでも何度か取り上げておりますように、物事の「新生」を示すものです。

「新」生=「辛」生

と、その音が転ずるように、辛の年には

「物事が新しくなってゆく」ためには何らかの「辛い・厳しい」試練のようなものがある

という意味合いがございます。

米国の「9.11」同時多発テロは2001年でしたが、この年は辛の年。
テロ組織アルカイダの首謀とされたビンラディンはやがて捕捉され、処刑されますが、これが2011年。これもやはり辛の年であります。
そして今回のアメリカによるアフガン撤退。
今年2021年はいうまでもなく「辛」の年です。

アフガニスタンに関連するアメリカの節目節目が辛の年にあたることはとても興味深いところですね。
2001年の同時多発テロ・2011年のビンラディンの処刑は大きな時代、あるいは流れの転換点になってきたと思います。
そう考えますと今年のアフガン撤退もやはり大きな節目になってくることでしょう。

また、物事の変わり目の年である辛の年にあたって、アメリカに関連するイベントが都度都度発生してくると言うことは、翻ってみればやはり世界の大きな流れを作り出しているのはなんだかんだ言っても依然としてアメリカなのだとも考えることができるかもしれません。

アフガン撤退と辛

2001年に起きた「9.11」テロ。
その首謀者とされる人物が2011年に討たれてなおもアフガンへの侵攻は続いていました。

テロへの反撃・復讐という意味合いでは既に2011年にひとまずの決着はついていたはずです。ですが、その後も
「アフガンをずるずると攻略しているアメリカ」
という図式は残り続けました。

2011年のビンラディン処刑がある意味落とし所であったはずなのですが、その後も侵攻を続けているアメリカには既に明確な落とし所はなくなってしまっていたはずです。
そして一方でアフガンへの対応において現在まで人命も含めた莫大なコストが投じられていることは想像に難くありません。

アフガン対応へのコストは不本意なものでありつつも年々どんどん嵩んでいっている不毛な状況です。

しかしながら上手に体裁を整えて「アフガン対応をやめる」という口実も今更見当たりません。

もしここでアフガン対応に意味はないとしてその対応をやめてしまうと、

これまで(特に2011年以降の10年)は無意味にアメリカの予算・国民の命を浪費してきたのか?

と責め立てられる状況が起こることも容易に想像できます。

こうした板挟み的な状況にあって、アフガン撤退を実行に移したバイデン大統領の行いは、今年であればやはり英断であると言えるでしょう。

辛の年は物事が新しく発展してゆくために不要なものを「痛みを伴って」切り捨てる覚悟がいる年です。

アフガンからの撤退は、明らかにこれまでの行いが失策であったと責められる痛みを伴うものになると思いますが、ある意味不良債権的な位置づけであったアフガンを切り捨てることができました。
ゆえに、これによってアメリカは新たな局面へ向かってゆくことができる…となるわけです。

バイデン大統領率いるアメリカは「辛」の流れにはきっちり乗っているように見えますね。

四緑木星・バイデン大統領の決意

そんなバイデン大統領ですが、この人の本命が四緑木星です。
2021年8月、アフガン撤退の月の盤面を見てみますと興味深いことに大統領の星、四緑木星は北に廻座しています(下図)。

北に廻座することは坎入と言いまして、ある意味冬の時期に差し掛かっているという状況を示します。

そういう意味合いで考えてゆきますと、今回のアフガン撤退を行うことで大統領ご自身、相当の苦労があることが想像できます。
国内での批判も多そうです。ひょっとしたら政治家としての地盤を揺るがすレベルになりかねません。

しかしながら、この坎入というのは苦労「だけ」の時期ではありません。
自分の心をしっかりと定めるための時期でもあります。

坎入にあっては「苦労」ばかりが取り沙汰されがちですが、この時期は自分の「性根を入れる」時であり、心をしっかり固めることをその主とすべしという時期です。

今回バイデン大統領は実質の「アフガン撤退」という動きまでおこされましたが、坎入の時期にこれが起こったのであればこの「アフガン撤退」は大統領の「性根が入った」が故の行動と考えるのが妥当です。

「坎入の時期に何かを始めるべきではない」という嘘

話は少しそれますが、「坎入の時期に何か物事を始めるべきではない」という話を耳にすることがございます。

坎入は冬の時期なので、物事を始めるには大変で不適切である

というのがその主な言い分ですが、これに関しては正直疑問を抱かずにはおれません。

坎入とは「心を決める」「性根を入れる」時期であると述べましたが、そうして心が決まったのでしたら何か物事を初めていっても問題はありません。

そもそも、物事の始まりは「苦労の星」一白水星が担当いたしております。
何かを始めるということにはどういう状況であれ、多かれ少なかれ苦労が伴うものなのです。

物事の始まり・坎入…いずれも結局苦労するのですから「苦労の時期」である坎入の時になにかものごとを動かし始めても問題はないというわけです。
そもそも「それをやる」と心が決まったのですから多少の苦労が増えたからと言って心を揺らがせる意味はありませんね。

アフガン撤退という決意

さて話を戻しましょう。

・アフガン撤退にはバイデン大統領の決意が裏にある
・そしてそのアフガン撤退を行ったのが、8月=四緑木星が北、一白水星の上に来ているタイミング
・一白水星は坎入や苦労をテーマとして持つ一方、新しい始まりを担当する星である

こうしたことを並べて見ますと、

アフガン撤退は何かを新たに進めようとするバイデン大統領の決意の現れ

というふうに考えることができそうです。

ニュースなどでは
「アフガンという不良債権(あるいはエネルギーの浪費)に関する問題解決を今の代でやりきってしまうためにそこから撤退するのだ」
と大統領が説明をしているとされています。

しかしながら、この発言は単純に
「不良債権を解決する」
というだけの内容に過ぎず、
一白水星の上にいる四緑木星が新たなことを進めようとしている決意のほどが伺えないのです。

対中国

昨今の企業同士のいざこざ、あるいは
菅総理就任時のアメリカにおける会談で台湾の話を持ち出しての中国への牽制など、
アメリカが中国を意識している状況は次第に強くなってきております。
物理的な部分はもとより、それ以外の部分ではデジタル通貨や通信(5G)など、様々な部分で米中の競争は激化してきております。

「アフガンからの撤退」
これは、一見アメリカの力が弱まったような印象を与えるかもしれません。
出来事を単体で見ればアメリカがアフガン問題の対応に疲弊して諦めたとも取ることはできます。実際にそうした部分もあるかもしれません。

が、その一方で、実はこの動きは
アフガンという地域に割いていたコストを別の方向…すなわち「対中国」に割り当てる試み=対中国に本腰を入れる準備…であるというのは穿ち過ぎでしょうか。

アフガンからの撤退は、実は
バイデン大統領が対中国との競争にアメリカとして本格的に力を入れることを決断し、そのスタート・皮切りとして行ったというのが本当のストーリーですよね?
…というわけです。

コロナという出来事は世界に様々な大きな影響を与えてきましたが、その状況の中で先にも述べましたように米中の競争は次第次第に白熱してきております。
そんな中、アメリカがアフガンをこの時期に
「痛みを伴いつつも切り捨てた」
ことは辛という年の動きに対しても、バイデン大統領の四緑木星の動き対しても相応に流れに則った動きであることも興味深いところです。

そして、そういう流れに則ってのこの動きには非常に大きな意味があると思います。

痛みを伴い「辛」かったアフガン撤退によって、アメリカを中心とする世界は新しい方向へ舵を切ってゆきそうです。
特に中国との間にて起きる2つの超大国の競争は今後、よりその熾烈さを増してゆきそうですね。

そんな中やってくる総裁選。

果たして日本の総理大臣が誰になるのか?
そして日本は今後どのように振る舞ってゆくべきなのか?

8月から9月にかけて日本と世界の情勢はかなり興味深いところに来ています。

この秋からの日本・世界の状況はいつも以上にしっかりと見守ってゆきたいところですね。

次回の投稿は9月16日。
「10月の運気の流れ」での投稿です。お楽しみに!

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