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花の色は/うつりにけりな/いたづらに/わが身世にふる/ながめせしまに …香港

みなさんこんにちは。気学Style 西島です。

3月も終盤に差し掛かるというのに東京では先日また雪が降ったようですね。昨年でしたか、桜が咲いて雪が降るということがありましたが、その状況を少し彷彿とさせます。

五黄土星の年はいろんな意味で「荒れ」ますが、気候も政治も年の初めからほんとうに荒れ模様ですね。

依然としてトップニュースのウクライナ情勢

国会ではゼレンスキー大統領がリモート演説を行い、制裁の強化を訴えました。
「もう少し強い要求が出るのかしら」など思って聞いていたせいか、
存外に普通の話であったなというのが個人的な印象です。

国外の義勇兵を募ったり、リモートで各国に演説を行ったり、核兵器もなくロシアと比べればどちらかと言えば非力な国であるウクライナの戦い方として、「利用できるものはなんでも利用する」というスタンスは理解できます。

しかしながら、元俳優であることに想いを馳せてしまうせいでしょうか、どうしても彼のアクションの一つ一つが芝居がかっているように感じてしまい、私的にはどうしても最近はどことなく胡散臭く、「話半分」な感じで彼のことを見てしまいます。

だからといってプーチンを良しとするわけでも勿論ありません。

このコラムでも繰り返し書いておりますが、戦争で国民に命の負担を強いている以上、この両者はどこまでいっても戦争屋でしかありません。
英雄などと称することはもってのほかです。

早くこの戦いが終わり、国の復興や国民を労わる動きに切り替わってほしいと望むばかりです。

何にせよ、このウクライナのニュースは毎日ネットやテレビを賑わせております。

ですが、そんな中、ふと気にかかった国がありました。

香港

ウクライナのゴタゴタが起こる前、その他の国でも勿論いろいろあったと思いますが、日本近隣で今のウクライナに近いことがあった国のことは皆さん覚えておられますでしょうか。

タイトルに書いておりますのでもうネタバレしているようなものですが、そう、香港です。

紛争的な軍事衝突こそありませんでしたが、多くの若者がデモを行い、しかし中国の強引なやり方によってこれがどんどん潰されてゆきました。

みなさんは周庭さんのことを覚えていますでしょうか。
香港では「学民の女神」と呼ばれデモの先頭に立って戦ってこられましたが2020年12月の彼女の誕生日を前に中国当局に逮捕・投獄されていました。

投獄中の恐怖は如何程のものであったかと思います。

彼女は2021年6月に釈放されましたが、その後何かを発信するといった行動は見受けられていません。
これが意味するものは何でしょうか。…そして香港はどうなってゆくのでしょうか。

彼女の釈放の知らせを始めその後の香港については、「コロナ」という話題もあったとはいえ、何となくうやむやになってしまっています。

なお、現在の香港はコロナがかなり大変な状況らしく、感染力のより強いオミクロンBA.2型が蔓延していて現在第5波の真っ最中だそうです。
コロナ で言えば既に半数の人口が観戦したとかいう話です。

中国当局に助けを求めたいところですが、それを行うと当局の影響がより強くなってしまうというジレンマが香港には少しあるようですね。

花の色は、うつりにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに

これは小野小町の有名な和歌です。

桜の花の色は、むなしく衰え色あせてしまった、春の長雨が降っている間に。ちょうど私の美貌が衰えたように、恋や世間のもろもろのことに思い悩んでいるうちに。

…というのが本意ですが、ウクライナの話を前に香港へ想いを馳せますとこの歌は

香港の話題は虚しく忘れ去られてしまった
世間がコロナやウクライナの問題でもちきりになっているうちに

…という、世間の関心の移ろいゆく様を嘆く歌のように見えました。

下手をすれば戦術核兵器なども飛び出しかねないウクライナの情勢は、もちろん注意深くその動向を見守ってゆく必要はあるでしょう。

しかしながらその陰で、香港のように本来ならなんとかすべき地域が忘れ去られていることもまた事実です。

ロシアがウクライナを占領したら、


中国は香港の支配を改めて当然のこととするでしょう。

これは即ち「獲ったものがち」「やったものがち」が世界で認められたということを意味し、中国・ロシアのやり方がある意味正当であると証明することにもなるでしょう。

しかしながら、

もしロシアがやられたら

西側の次の矛先は中国に向くかもしれません。
中国はなんだかんだいいつつもロシアを助けていますから、国際秩序を乱す国として何らかの不利益を被る以上の影響があるかもしれません。

ウクライナの敗北はウクライナだけにとどまらない

どちらが勝つかはさておき改めて、今現在、ゼレンスキー大統領の演説と言い、ウクライナのことが大きく取り沙汰されています。
もちろんup-to-dateな話題ですからそれは無理からぬことですが、
しかしウクライナが敗北し、ロシアの思惑が通るようなことになるならば、独裁者にとっては「戦争しても既成事実ができればOK」だとして認識されるようになる可能性はとても高いでしょう。
つまり中国は、

香港は中国のものだったから中国が支配してしかるべきもの。
軍事侵攻で黙らせてしまえ。
台湾も同じく、中国のものなので中国が支配すべきもの。
軍事侵攻で黙らせてしまえ。
…経過はともかく、侵略完了すれば世界は何も言えなくなるだろう。
放っておけば皆忘れてしまうだろう。

…そんなふうに思うことでしょう。

日本にとっては、「北方領土もロシアが支配しているものだからロシアのもの。返還する必要などない」
…などといったことがまかり通る世界になってしまいます。

ウクライナにシンパシーを抱き、応援すること。
それは結構なことと思います。

ですがこのウクライナ問題の影には、独裁国が調子に乗るかどうかという分岐点も潜んでいます。

目の前の紛争の陰で忘れ去られそうになっている他の国や人。
そうした人たちに想いを馳せて物事を考えてゆけば、きっと考え方を誤ることはないと私は思います。

ウクライナの負けは、香港の負け、台湾の負け、日本の負け…の呼び水になりかねません。

ウクライナを応援するのも勿論結構ですが、できればその時は他の国の行末などにも想いを馳せ、考えながら動いてゆきたいですね。

2022年、五黄土星の年。
全体を大きく見渡して考え、行動することに大きな実りがある年です。
是非広く大きい視点にたって考える習慣をつけてゆきましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


次回は3月30日(水曜)の投稿になります。




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