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出会いの春に、外国人と仲を深めた4つの作戦を

こんにちは。
ロンドンで女子ラグビーをしています。
玉井希絵です。


なんと、もう4月に入りました。

ほんの少し前までは、あんなに寒くて暗かったロンドン。最近では午前中は太陽が暖かくて、庭のたんぽぽが一気に咲きました。タンポポ畑です。

たんぽぽが入ってこないチームメイトの存在感


ただ夕方になると「朝のあの天気どこいった?」くらいの嵐が来たりもします。そんなある程度のことはイギリスだなぁ、とうまく消化できるようにもなりました。

さて今回は4月、出会いの季節。新しい環境、人間関係、にドキドキしている方も多い時期かなと思います。そこで、こちらイギリスで私が外国人選手との関係作りで取り組んでいる作戦をお話ししたいと思います。


こちらへきて9ヶ月。

正直チームメイトとの関係づくりはとても大変でした。


想像してください…本場のブリティッシュ英語と、プレー中の英語のスピード感にタジタジ。そしてゴッリゴリの世界最高峰選手の中に日本人がぽつーーーーん。「誰やねん?」からの関係性作りで、わかっていたはずなのに、来てすぐは毎日挙動不審でした。多分。

個人的に、話すこと、面白いことで笑うのが大好きな私ですが、「言語」という壁に阻まれて。



自分らしさを出せない。楽しくお話しできない。気を遣って自分からはなかなか話しかけられない。
フィールド内でもそうです。練習中に感じたこと、意見があるのに咄嗟に発言できないので、何も考えてないと思われる。ミスが私のコミュニケーションのせいになる。(サインの)コーリングを任せてもらえない。などと、悔しい日々が続きました。


、、いや待て、記事の本題に入る前に私の英語のレベルをお話ししなければ。
私は小4から英会話スクールに通い、英検は中学で準1級を取りました。なのに高校で何があったのか、大学に入学して1発目に受けたTOEICでは380点を叩き出し、これまでの積み上げを完全解放。
それでも大学で教職免許をとりたく、「体育とりたいです」と申請したら、「経済学部は社会か英語しか無理ですよ?」と言われ、「英語で(T_T)」と英語を選んだ身です。大学を卒業してからは中学校英語教諭として、2年間教壇に立ち、「There is a pen on the desk.」を2時間かけて教えていました。(意味深)ラグビーを通じてニュージーランドやオーストラリア、スコットランド、マレーシアにも行かせてもらいました。
何となくいい感じに並べましたが、やっぱりTOEIC380点のインパクトだけ残りますよね。と、そんなレベル感です。


元の話に戻ります。これまで英語にはたくさん触れてきたし、パールズにきた外国人選手ともよく話していたけれども。本当に大変でした。
私ノリで「ウェーーイ!」っていけるタイプでもなくて。それもネックでした。根っからの日本人すぎる。笑


もちろん今現在も大変なこと全てが解決されたわけではないです。



でも確実にチームメイトとの距離は縮まって、今では本音を話せる。大笑いできる。カフェにで3時間くらい話し続ける。そんな仲間がたくさんできました。



ここに至るまでに意識して取り組んだ4つの作戦を紹介します。


①本当に軽い会話でも自分から振ってみる


外国人選手ってよくさらっと話しかけてきます。

例えば、
「週末どうやった?」
「兄弟っていてたっけ?」
「日本のどこ住んでるん?」
「今日の練習きついと思う?」
「趣味なんなん?」

そして聞かれる質問圧倒的1位。
「今日何してたん?」

(聞く割にあんまり答えきいてないんですけどね)


でも初めは言語のこともあり、相手が私に気を遣って話しかけてくれなかったりします。寂しいことではないですよ。(言うと強調されるで)

だからこそ、『私話してくれて大丈夫だよ』というのを知ってらうためにも自分から話しかけることが大切な姿勢だと思います。

でもその後会話いけるかな、、って心配になったりしますよね?


安心してください。


それもですね、よく聞いてたら普段まじでみんなそんな大した話してないんですよね。失礼な話やけど笑 なんか「壊れたペン」の話をずっとしてたり。みんな話すの好きやし、コニュニケーション能力が高いからどんな話題でも広げるのが上手い。私この前「日本来たことある?」ってふったところから「彼氏がこの前車に閉じ込められた話」にまで発展しました。間の話思い出されへん笑


と言うことで、私話してもいける人やでって知ってもらって会話に入るためにも、どんどん自分から話し出す癖をつけました。



②共通の話題(シリーズ)を持つ


これもおすすめです。
選手ごとに話す話題を持っていることです。
共通の友達がいる、いつもネイルを塗っている、寿司が好き。など。


私が実際にしていておすすめなのは、「今日の一言」という協定を結び、何人かの選手と一日1つ英語のフレーズを教えてもらい、日本語のフレーズを教えるということです。



これがあるだけで、まず練習で会ったら話す話題になり、会話が広がります。学んだ英語を積極的に使っていくと、「そんなん誰に教わったん?!私ともやろ!」となり、また他の選手とも始まります。


ただここで注意点が2つ。


1つ目が、勢いでこの協定を5人くらいの選手と始めてしまい、インプットする量が多すぎて脳がパンクしたこともあります。4人目までは覚えられたのに、5人目と話した後これまでのフレーズを全て忘れるという大変な時期がありました。契約を結びすぎるのも注意が必要です。


2つ目は、よくないフレーズを教えられがちなことです。面白いしみんな楽しそうなのですが、「コーチに言ってみ( ^∀^)」と言われて言ってしまいそうになり。違う選手に止めてもらったのですが。危うく失言してクビになって帰国させられるところでした。危な。

コーチに「KONOKUSOYAROUGA!!」って言いそうになってたって。あかんに決まってるやろが。


と言うことで、いろんな選手と趣味などの共通の話題を探ってみたり、英語を教えてもらう協定を結ぶのもお勧めしたいです。


カナダアメリカイギリスイタリア南アフリカの方々


③伝えたいことはメッセージで後からでも送る



練習中にいいプレーをした選手がいたり、疑問があった時、何か助けてくれてお礼を言いたい時なんかには、夜練習終わりにメッセージを送ります。


これは、他の選手から私自身が送ってもらって嬉しかったところから始まっています。ある日夜にチームメイトから「今日のあのプレー良かったよ!Good Job!」ってメッセージが。(ミソはこの選手が7個くらい年下の選手だと言うこと)それが嬉しくて、そうか。このタイミングで送ればいいのかと、私も始めました。


特に言い回しが難しくて直接伝えるには時間がかかってしまったり、うまく伝えられなそうであれば、後から整理して送ります。
こんな表現で伝えられるんだ。と自分の英語の勉強にもなって一石二鳥です。


これって言うほどのことかなぁ。言ったほうがいいかな。と送る前に迷うことがあれば、絶対送りましょ!伝えられる時に伝えるべきだと、私は思います。


④まずは少人数から。徐々に人前で話しすことに慣れる


これは特に練習中。フィールド上での話です。


何か意見があったとて、いきなりコーチと選手50人の前で発言するのはとても勇気がいります。話し出したはいいけど頭が真っ白になる確率が高すぎる。リスクがありすぎる。


そこで初めは練習中でもまずは隣の選手へ話す。
うちのチームは練習中に「パフォーマンスカンバセーション」、通称PCという時間があります。その時間には誰とでも一対一でそこまでの練習で気になったこと、わからないことを話します。
そのPCの時間に私は聞く側から積極的に自分が話すことを心掛けました。



その次にドリルの中でミニチームになるときに何か言ってみる。そうやって規模をどんどんと広げる作戦で行きました。最近言葉選びやタイミングは掴めてきたように思います。まだ50人の前で話したことはないですが、今シーズンが終わるまでに達成したいことの一つです。



と、こんなことを日々意識して外国人選手と繋がりながら歩んできました。上手くコミュニケーションが取れてくることで何が起きるかというと。
・練習に行くのが楽しみになる
・プレーがスムーズになる
・いろんな情報が入ってくる
・コーチからもよく話かけられる
・英語が格段に聞き取れるようになる
・自身の語彙力もかなり伸びる


まだまだありますが、良いことばかりです。本当に最初の頃とは私に話しかける時の表情も違うし、きっと私自身の顔つきも変わったと思います。

日本から遠く離れた場所だけど、わからないことがあったり困っていたら、たくさん助けてくれる仲間がいることを実感します。


この前起きた1日の出来事で。家の近くを歩いていたらたまたま道路の向こうにいたチームメイトに「おーーーい!きえーーー!」と叫ばれ、バス停で通り過ぎた知り合いの車から「わー!!きえちゃーん」って声をかけてもらい。過ぎていったバスの中からチームのカメラマンが手を振ってくれて。


「なんだ、私もうこの地で一人じゃないやん」


って、もうあいみょんが歌ってそうなエモいセリフを本当につぶやきました。


タイトルは、「たんぽぽ」かな。



(絶対ここでみんな笑っていて願)


ここまで話したことは海外の地で、スポーツチームの中でのことではありますが、今この時期。出会いの春、新しい環境に身を置く春、そんな新しい旅を始めたみなさんに何かヒントになればいいなと思って書いてみました。

日本の桜が見たいなぁ…🌸

それではまた次の記事で会いましょう!

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