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世界最高峰への挑戦が成功か失敗か、決めるのは私だ
こんにちは。
季節は夏。
一年の中でイギリスが天気で本気を見せる時期です。明るくて、暖かくて、カラッとしています。
冬は驚くほど暗くて、寒くて、雨ばかり。
足して12で割って欲しいくらいの差です。
イギリスに渡って11ヶ月が経ち、
合計で22試合をチームとして戦いました。
そして
一年目のシーズンが終わりました。
長かった。とにかく長かった。
「シーズンが長くて沢山試合ができるから」
というのもイギリスに来た一つの理由だったのに、これが私をめちゃくちゃ苦しめた。笑
以前からnoteを見てくださっている方はご存知かもしれませんが、今シーズンなかなか出場時間をつかめず、かなり苦しいシーズンでした。
シーズン途中の『激的もがき苦しみ時代』の記事はこちらです。
この時以降も含め、私の今シーズン試合出場時間を公開します。
1、スタメン 70分プレー
2、ベンチ 25分プレー
3、ベンチ 25分プレー
4、ベンチ 15分プレー
5、ベンチ 5分プレー(日本人観客70人泣)
6、ベンチ 10分プレー
7、メンバー外
8、メンバー外
9、メンバー外
10、ベンチ 5分プレー
11 、メンバー外
12、メンバー外
13 、ベンチ 25分プレー
14、メンバー外
15、メンバー外
16、メンバー外
17、ベンチ 20分プレー
18、ベンチ 15分プレー
19、ベンチ 10分プレー
20、ベンチ 20分プレー
21、ベンチ 15分プレー
22、ベンチ 10分プレー
…さてさて。恐る恐る計算しましたが、
出場時間を合計すると3試合ちょっと。
あれ、日本にいた方が試合出来、、、
これ以上言わないどこう。
涙で画面が見えなくなるから。
![](https://assets.st-note.com/img/1721462885741-6Zph5Cqg7M.jpg?width=1200)
この出場時間を見ると、
本当にイギリスに来た意味はあったのか?
華々しい結果じゃなくて、今回の挑戦は失敗なのか?
私は今後の日本人に何もバトンを渡せない、むしろ日本人選手の名を汚したのか?
これらがシーズン中、何度も頭に浮かびました。
そう考えて、
胸が痛くなるほど悔しくて
たくさん涙を流しました。
「出場機会」という結果をみるとその通りなのかもしれません。
外側から見えるのはやっぱり結果だから、
たくさん試合に出て活躍することが一番だと思います。
1試合目にスタメンをもらって、70分出場した時の自分は
そんな大活躍の日々を想像してワクワクしていました。
その先に何が待っているのかも知らずに…
今回の挑戦。
『女子ラグビー世界ランク1位のイングランドにある、世界最高峰のリーグに挑戦する。現地で学び、日本女子ラグビーの未来に貢献する。ひいては女性が輝く社会を実現したい』
これがタイトル。
いい感じの見た目です。
ただ、その裏側で現実に起こることを噛み砕くと、
毎回の練習を自分が持てる体力、技術、精神力全てを200%で取り組まないと戦えない中で、信頼を得て、完成されたイギリスラグビーに適応して、実力を証明して、ジャージを狙う。
練習から冷蔵庫みたいな選手が四方八方から走り込んできて、油断は許されないし毎回目立ったプレーを何かしないと、もうジャージは遠のく。
言葉の壁はやっぱりあって、テンポよく意見できないのでモヤモヤは募る。
寒くて暗いイギリスで、落ち込んでいる間もなく
どんどんやってくる試合に一喜一憂しながら
練習一回たりとも手を抜けない。絶対進化と成長を止められない。
とっても長いのですが、
これが現実でした。
あと大きかったのが、
このイギリスという地でポジション変更したこと。
ポジション変更についてもこちらの記事に書いています。
これまで過去10年間キリンとして松阪ふれあい動物園で生きてきたのに、
最高峰のシルク・ド・ソレイユでゾウになって玉に乗ってくださいね。
みたいな話で。
イギリスでは各ポジションの中でも特に給料が高いとされているほどの重要職、プロップに変更しました。これまでのプレースタイルを大幅に変えなければいけなかった。
そんな日々を過ごして、
目にみえる結果はわずかな出場時間。
側から見ると、「失敗」ですよね。
うん。
ただ私、
心から、今回イギリスに来てよかった。
この経験ができて幸せだった。
ここに来たことは正解だった。
そう断言できるんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1721462942034-b8Uybxefnu.jpg?width=1200)
これは、もし、全試合スタメン出場できたとして、その後感じるであろう
「来てよかった」とはかなり内容が異なります。
なぜそう思えるのか。
私はこの経験から、何を得て、何を失ったのか。
それをここに書き残したいと思います。
ここまでが前置きです。長い!
最初の天気のくだり、絶対いらんかった。
得たもの
・闘争心をむき出しにすること
闘争心。
ラグビーって闘球って書くのに。
私はこれまで10年以上ラグビーをしてきましたが、これは万年の課題でした。
「お前には闘争心がなさすぎる。本当に気持ちがあるのかが見えない。闘争心を見せてくれ。」
何度もいろんなコーチに言われてきました。
私のイメージは、闘争心を見せるって
全身からメラメラが湧き出るような、
一本ネジを外して、思いっきりアグレッシブに戦う。
無我夢中で体当てまくる。
そんな感じなんです。
そういう選手を見ると自分もそんなプレーをしてみたいと思ってました。
ただ私にはそれがどうしても難しくて。
内心は間違いなく燃えまくっているのですが、
それが外からは見えなかったり
どこか冷静にプレーしてしまう。それが「闘争心ない」に見えるのだと思います。
そんな私が今回イギリスにきて、
ついに闘争心を見せ、自分でも殻を破ったような感覚が(多分人生で初めて)わかりました。
毎回出場時間が5分から15分だと、
相手の様子を伺う時間も、
自身が冷静にプレーを選ぶ機会も、
タックルにビビる時間もない。
もう、
ボール、私にくれ!
パス?しませんよ、私が行きます!
こんなフレッシュな私のところによく突っ込んできたな!!
押し返したんねんボケェ!!(タックル)
てなもんです。
時としてそれが正しい判断じゃなくても
私が輝かないといけないんで!!
という感じ。
![](https://assets.st-note.com/img/1721463124792-aMu2B2EzK3.jpg?width=1200)
文字通り、「血眼になって」プレーしたら
20メートルくらい(体感は80メートル走った感あった)ラインブレイクしたり、100キロの相手を押し返すことができました。むちゃくちゃ褒めてもらえて、ああ、この境地かと。
これを知れたことは個人的にラグビー選手として、
長年の課題を克服できたような感覚でした。
▪️築き上げたコーチとの関係
私はチームでたった一人の日本人で、あまりノリが良いタイプではないので、コーチにとって普通に「絡みづらい存在」だったと思うんです。
言葉の壁もやっぱりあったし。
ああ、日本語やったら今こうツッコんでたなぁというタイミングが、
10万回くらいあったくらいです。
それはさておき、そんな関係の中で選手として認めてもらうために、
前の記事にも書きましたがとにかく自分からアプローチしまくりました。
・練習映像を切り取って送る
・1対1ミーティングを申し込む
・普段まず自分から遠くにいても挨拶する
・いつでも笑顔でいる
など。
最後には、どうしても気持ちを伝えたいけど
英語で対話になると相手のペースに持っていかれると思い、
超絶長文の手紙を音読しました。
これら全ての経験からわかったことは、
相手はとにかく思っている以上に
ちゃんと言葉にしないと伝わらない
ということでした。海外は日本のような
察する、とか空気を読むといった奥ゆかしい文化が皆無です。
はっきりと言葉にして伝えることが大切なのだと学び、
この経験を通して今ではコーチといろんな話をしたり、
自身のプレーについて日々一緒に考え成長するような関係性ができたように思います。
、、さて。
かなり長くなってしまったので、今回は「前半」として、
ここから先は次回に持ち越します。
(え、これで半分なん)
次回は後半として、
得たもの、
▪️胸で大泣きできる仲間
▪️10年プレーしてきた後に見つけた新しい自分
と失ったものについて書いていこうと思います。
こんなに長い(しかも完結してない)文章をここまで読んでいただきありがとうございました。
後半もぜひ読んでください!
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