副腎疲労と摂食障害①
副腎疲労とは?
わたしが長年、あらゆるダイエットとリバウンド、過食嘔吐に苦しみ、もうどうしようもなくなって辿り着いた分子栄養学で、"副腎疲労"という病気、症状を知ります。
日本ではまだメジャーではありませんが、欧米ではよく知られているようです。
ちなみに分子栄養学とは、一般的な栄養学とは違って、体がきちんと機能するように細胞レベルで考え、個体差を踏まえて、栄養素を摂り入れようという学問です。
副腎とは、腎臓の上にちょこんとついている、とても小さな臓器です。
以前の記事↓にも少し書きましたが、わたし達のからだに必要不可欠な、様々なホルモンを分泌する臓器です。
副腎からは、主にコルチゾールというホルモンが分泌されていて、このホルモンは、抗ストレス、抗炎症など、たくさん良い仕事をしてくれます。
しかしわたしたちが、長期的にストレスにさらされることで、常にコルチゾールを分泌させてしまい、だんだんとホルモンの調節がうまくいかなくなることを副腎疲労といいます。
と言っても、副腎自体が疲弊して、ホルモンの分泌が減るわけではなく、脳から副腎への指令と、副腎から脳へ届くはずの信号が、うまく繋がらなくなることで起こる機能障害です。
この副腎ホルモンのコルチゾールはわたしたちの血糖値が下がりすぎないように、血糖値を維持する役割も担っていて、そのおかげで、夜、寝ている間にごはんを食べなくても、一定の血糖値を維持することができます。
この仕組みをおかしくさせてしまう大きな原因に"ストレス"があるのですが、ストレスとは精神的に受けるものだけではありません。
寒さや暑さ、血糖値の乱高下なども大きなストレスとなります。
また、からだの中の慢性的な炎症(虫歯や、歯の根っこの炎症、副鼻腔炎なども)が長期に続けば、それを治そうとして、コルチゾールが分泌され続けてしまいます。
このコルチゾールは本来、わたしたちの祖先がその昔、狩りの最中に敵と出くわし、"戦うかor逃げるか"の時に分泌されるホルモンなのです。
そうです。ものすごい緊張状態の時にだけ、使われるはずだったのに、現代人は敵に襲われることはなくても、仕事や人間関係など、様々な要因が緊張状態を生み出し、それが常態化することや、
食生活の乱れなどから、腸内環境が悪化して、血糖値の乱高下を頻繁に起こすことが、このホルモンを常に分泌することに繋がり、その結果、機能障害を招いてしまうのです。
そして、このコルチゾールがうまく出なくなることで、血糖値が維持できなくなります。
脳は血糖値が下がることにとても敏感です。
血糖が下がるということは、エネルギーを作れなくなる。細胞が飢餓状態=死を意味するからです。
ですからバックアップ機能として、他にも血糖値を上げるホルモンたちがいます。
それが、アドレナリン、ノルアドレナリンなどです。
このホルモンたちはコルチゾールとは、少し性質が違っていて、動員させることで、自律神経を緊張させ、身体症状以外にメンタル面にも、様々な影響を及ぼします。
胃腸の動きを止めて血圧や心拍を上げ、気が張ってピリピリし、筋肉を硬直させたりと、心身がまさに戦っている状態になるのです。
夜、眠っている間に血糖値が維持できず、これらのホルモンが分泌されれば、寝ているのに戦っている状態になるので、何度も目が覚め、当然眠りは浅くなります。
歯を食いしばり、力むので、頭痛や、首や肩の筋肉は硬直して痛み、たくさんの寝汗をかいたりします。
わたしの場合は目の奥の痛みで何度も目が覚め、眠れずに辛い時期が続きました。
この状態を[夜間低血糖]といいます。
この時点で何も対処せずにいると、夜間だけに限らず、日中、食事を摂っても、血糖値を長く維持できなくなって、結果、低血糖の症状が強く出ることになります。
この低血糖が、酷い疲れなどの身体症状だけでなく、パニック障害の原因にもなるのです。
また、イライラやメソメソ以外にも、自信のなさ、人からどう見られているかなどを必要以上に気にしたりという精神状態を作ります。
なぜなら。体にとっては、生きるか死ぬかの状態と同じだからです。
周りを観察し、敵かどうかを見分けないといけないからです。
それは持って生まれた性格などではなく、低血糖による、生理的な反応です。
そういった状態が続くと、身体症状に加え、朝起きれない、やる気が出ない、食欲が出ない。楽しかったはずのことが楽しくない。涙ばかり出る。
これで病院に行けば、うつ病だと診断され、抗精神薬で治療することになります。
しかし、わたしたちが勉強している分子栄養学界隈では
【様々な不調は、低血糖の海に浮いている】
と言われているくらい、低血糖は大きな大きな原因なのです。
実際に、うつ病と診断を受けた方が、薬は一切飲まず、食事や生活習慣を見直し、ストレスフルな職場を変えたことで、すっかり治ることがあります。
他にも、生理が重く生理痛が酷い。便秘や下痢。
アトピーやアレルギー。偏頭痛や貧血。
甲状腺機能の低下などの様々な不調が、副腎や胃腸のケアすること、ストレス源から逃げることで、本当に良くなっていくのです。
ここまで、副腎疲労が低血糖を招き、それによって、心身の様々な不調が現れることを書いてきましたが、また長くなってしまいました。
副腎疲労が招く低血糖と摂食障害との関わりについては、また次回にしますね。
どうか、みなさんの心身の健康への一助になればと切に願っています。