手洗いについて

キッズキッチン協会通信 2020年3月号の再掲載です。(一部内容を修正しおります。)

手洗いが最も有効な感染症予防と言われています。教室に来たら、トイレに行き、直ぐに手を洗います。何よりも大事なのは、流水で20秒以上洗うこと。子どもには、固形石鹸よりも触らずに泡立てられる非接触性ハンドソープ(手をさし出せば泡が出てくるタイプのもの)がおすすめです。
 小さな子の場合はきっちりと石鹸で手が洗うことが難しいので、一緒に洗う、またはすすぎをしっかりとします。霜焼けやアトピー性皮膚炎など手に傷があって手洗いを渋る場合でも、37℃程度のぬるま湯でしっかりと洗い流します。石鹸を嫌がる場合は使わなくても構いません。30秒以上、流水の下で、手をこすり合わせて洗い流しましょう。
 感染症流行時は、通常時よりも手洗いに時間がかかると思われますので、手洗い渋滞がないよう、子どもの流れを見ておきます。
 流水洗いの次に有効なのが、ペーパータオルでしっかりと手を拭き、乾かすことです。髪の毛や、服で拭くことがないよう、紙を渡し拭いてもらってください。子どもでも1回につき2、3枚は必要です。ハンカチやタオルを使おうとすることがありますが、ペーパータオルを渡してください。自宅などで教室を開催する場合で、自分しか使わないとわかっているタオルでも、キッズキッチにおいては必ずペーパータオルを使うようにしてください。
 手がしっかりと乾いていないと、そこに菌が付着して繁殖します。手荒れの原因にもなります。
 大人も子どもも生まれつき顔を触ったり髪を触ったりする癖があります。実は生まれ持っての癖で、大人はともかく、未就学の頃や発達障害のある子どもは我慢することが非常に難しいことがあります。調理前にもう一度流水で手を洗うか、アルコール消毒をしてください。
 なお、アルコール消毒が有効なのは、コロナやインフルエンザで、ロタ、ノロといった効きにくいウイルスもあります。

◇感染症を移すことを予防するためのマスク◇
 感染しているけれど自覚症状のない人には、周りに感染させないために必要です。感染症にかからないようにするためのマスクにはあまり意味がありません。ウイルスの大きさは非常に小さく、花粉症用のマスクなどでは通り抜けます。誰もが「自分が感染している」と思って対処します。
 子どももデモ中〜いただきますの時まではマスクをしておき、マスクを外して試食します。ペーパータオルと同じように不織布で使い捨ての新しいものを用意しておくとより安全です。

◇汚染と清潔について◇
 生物の分野において「清潔」とは、放射線や高圧・高温で決まった方法で消毒・滅菌してあるもののことをさします。「清潔」でないものは全て汚染されたものです。微生物や有機物などが付着している状態であり、それは見た目のきれい汚いではありません。単に、滅菌されていないもので触れたら不潔です。例えば、滅菌ガーゼはわたしたちが素手で触ったら「汚染されて不潔になった」と見なします。料理教室でここまでの厳密さは求められません。しかし、たとえ目視できれいに見えても疑わしき場合は食器や手は洗う、アルコールを噴射するなど、清潔にしてください。

大変な時期ですが、皆様引き続きどうぞご安全にお過ごしください。

坂本佳奈

参考:
花王 ビオレ https://www.kao.co.jp/bioreu/family/hand/himitsu/himitsu01/

手洗い過程における手指の殺菌数の変化から見た有効な石鹸と流水による手洗いの検討
https://ci.nii.ac.jp/naid/10010831586

新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html


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