"質量のあるキッズワークショップ"に変える【ワークショップの組み立て方】
はじめに
子ども向けのワークショップは、ショッピングモールや学童、博物館など、いろいろな場所で展開されています。学校や家庭ではない環境で、はじめましての人が集まるたった数時間のアクティビティです。その中で、ワークショップに参加した皆さん、特に子どもたち自身が、"満足だなあ""また来たいなあ"って思うポイントはどこにあると思いますか?
明確な正解はないでしょうが、私は子どもの『感情*気分*習慣*刺激』の4要素である程度決まると考えています(もちろん、社会背景や対象年齢によってこの要素も変動するでしょう)。一つの仮説です。
子どもたちは、地球の未来。子どもたちの心が豊かに育まれることが、豊かな未来につながっていきます。そうであれば、子どもを対象にした活動をされている皆さんにとって、ほんの少しでも一助になれば、あるいは情報共有になれば幸いです。そんな想いもあって、【ワークショップの組み立て方】についてnoteを書いてみました。
※自身の研究からの見解であり記事に責任を伴わせるために、一部有料noteにしています。無料パートもたくさんあるので、お気軽に読んでいただけると嬉しいです。
要素1:「子どもの感情」とは
子どもには、年齢による発達段階別の特質や明確な個性というものがありますが、ここではもう少し緩やかな意味で捉えていきたいと思います。年齢に関係なく、広義に捉えています。
私が子どもの「感情」と言っているのは、特定の目的に向けられた「感情」のこと。芸術教育活動で著名な美術評論家ハーバード・リードの言う、誕生の瞬間から子どもが備えている“自由な表現”の一部に近いものです。
例えば、ああしたい!こうしたい!作品を完成させたい!これは楽しい!というように、何かに向けられた「感情」でどちらかというと欲求に近い表れです。ワークショップの中でも、子どもたちのこういう感情を目の当たりにすることがあると思います。この子どもたちの「感情」は、バーバルであってもノンバーバルであってもとても大切な要素だと思っています。
要素2:「子どもの気分」とは
一方で「子どもの気分」とは、特定の目的に向けられていない「感情」のこと。
例えば、なんかうまくいかない、なんとなく嫌になってきた、緊張する、今日は家族と一緒のお出かけで嬉しいというように、その時の状態を表すものです。
要素1の「子どもの感情」と要素2の「子どもの気分」は、その日その時々で入り混ざった状態になっているはずです。それが、その日のその子の個性を構成するもの。つまり、朝、出がけにお母さんに怒られた!とあれば、その子の気分と空気は怒られた悲しいという気持ちを心に残したままワークショップに入り込んでくるのです。逆も然りで、今日は誕生日だからなんだかワクワクするという気分でやってくるお子さんもいるでしょう。
ワークショップという短時間のセッションの中では、その子がもつワークショップ以前の状態(気分)も、ワークショップ最中の状態(感情)も尊重すべきその子らしさだと捉えています。
ここから先は
¥ 300
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?