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【追悼レポ/後編】【第一回ホラーホリック公式オカルトイベント】四隅の怪【廃墟・心霊スポット・降霊術】


【前回の続き】

探知器代わりに設置した鈴は一つも反応していない、つまり風が動いた形跡はない

なのに部屋の中央に設置したロウソクの火が

部屋の四隅で本番の予行練習をしている俺達の目の前で


フッ…



とひとりでに消えた。。。




おお…ついに霊降輪か???





ここで一つ、俺がこの簡易降霊術を選んだ理由の大事なポイントを伝えておこうと思う

それはこのロウソクの『火』だ


思い出して欲しい。

この旅館が廃墟になった理由…
しいてはここで悲劇的な事故が起こった原因を


そう、ここは元々火災現場なのだ

もしここに執り憑かれた霊がいるのだとすれば

この『火』はそれこそ、その霊が持つ恐怖や怨念の対象になる

ソイツらがこの『火』に反応しないはずがないのだ…

それ故に、俺はわざとこの降霊術を行う事を決めたのだ


そう考えて、よく思い返したら

前回の探索の時も、前日の下見探索の時も
何故か俺はタバコはあるのに
いつも持ってるはずのライターを持っていなくて、一服出来なかった事を思い出した。

ただの偶然かもしれないが

ひょっとすると何らかの火を拒絶する力が働いていたのかもしれない…






そんな思惑を踏まえた末のこの事態だ



みんな一斉に動きを止めて部屋の中央を黙って見つめていた






だがしかし


そのロウソクを取り囲んで
ずっとその光景を見ていたはずの俺達は

何故か誰ひとりとして


その事態を不思議に思わなかった…







www


はい、カンのいい人ならすぐに理解出来たと思いますが


簡単な理屈ですよ


よく考えてみてね?



水(コーラだけど)を張ったコップにロウソクを立てて火を点けてしばらくしたら
風なんか吹かなくても、ロウソクが水面より短くなって勝手に火が消えるのは当たり前の話なんだよ。


そんなのは始めから分かってた話です

俺達は、部屋が暗闇になるその時を待ってたんだから


さぁ、
いよいよロウソクの火も消えて

部屋の明かりはまったくなくなった…



かとおもいきや…

今夜は月も出てない曇り空ながら、窓の外から差し込むわずかな夜景の青い光が

うっすらと窓際に立つ人間を照らし出して

目視不可能

と呼ぶにはあまりにも見え過ぎた

う…確かに暗くて見えにくいけど
これじゃダメだ…

もうちょっとなんとかしないと興冷めもいい所だ…





う~ん…





うん、実はね?

前日の夕暮れから夜にかけて
俺単独で下見に来て、夜の館内の雰囲気を調べていたお陰で、この事態も俺の想定内だったのだ。

こんな事もあろうかと

Tさんにデカ目のブルーシートを用意してもらっていた。


一人での夜間探索は怖かったけど
やっぱり下見しといて良かった



俺達はそれで窓全面を覆い


わずかに差し込む薄い光もシャットアウトした。

その状態で、ライトを消す…




うん、見えない


正確にはまったくの暗闇とゆう訳ではないが

少なくても、目の前の人影が誰なのか?は完全に解らない。
輪郭意外全部真っ黒だ

しかも、窓際からちょっとでも離れると、こここそ全く何も見えない

音と感触だけが支配する闇の世界だった。

実際に一周歩いてみたら、一部腐り抜けた床に足を取られて一瞬パニクる事もあった。


目視不可能な部屋
障害物の少ない4角の部屋

よし、これで条件は揃った

『四隅の怪』実行可能だ




俺達は
部屋の4つの角をそれぞれ

   窓
┏━┿━━━┿━┓
┃A      B┃
┃       ┃
┃       ┃
┃       ┃
┃C      D┃
┗━┓     ┃
  ┃ ↓   ┃
   入 口
と決めて

事前に作ってきたクジを使って
各メンバーの配置と最初の走者を決めた。

もちろん、クジの結果は本人以外には秘密厳守だ。


そして、ゲーム時間は、話し合いの末、5分間に決定した。

いっても8畳くらいの一辺5mもない、思ってたより小さな部屋だ

角から角まで、どんなに慎重にあるいても5~8秒

一周するのに40秒も掛からない程度だから
あまり長い時間やっても、経過を記憶出来ないのだ。

タイマーをセットして

全員で部屋を出る

部屋の外でじゃんけんして
部屋に入る順番を決めた。

ひとり入る毎にじゃんけんして順番を決めるから

最初に入った奴は、音でソイツがどこに待機したのかは分かるが
それが誰なのかは解らない

最後の奴は入った順番はわかるが、誰がどこに待機しているのかは解らない。



これで完全に全員の位置関係は不明になる。

もちろんゲームがスタートしたら全員絶対に声を出さないルールだ。





しかしここでちょっと俺がまた軽くミスを犯した。


ここからは俺の視点で話をする。

まず、最初に俺が引いた配置クジはDだった。

そしてスタート走者クジはハズレ
つまり俺以外の誰かがスタート走者だ


そして、じゃんけんの順番は

1番手:Tさん
2番手:ヤギさん
3番手:俺

つまり四番手はニクさんだ


とゆう事は
俺に分かるのは
音で把握出来る後続のニクさんの場所だけだ

先行のTさんとヤギさんはどこにいるのか解らない。




Tさんが入り

ヤギさんが入り


そして俺の番になった


ライトを消して真っ暗闇の部屋へ足を踏み入れる

先に見えるのは僅かに照らされた薄暗いブルーシートの輪郭だけだった

俺は部屋の形状の記憶を頼りに
慎重に足場を確認しながら
ヨタヨタとDの位置へ着いた


この後、俺はまた一瞬パニクる事になる

後続のニクさんが入室して歩いてくる音が、早足で一直線にこっちに向かってくるのだ

俺は一瞬
『あれ?Dてここだったっけ?…ってゆうか俺Dだったっけ?』
と不安になり
何故か『あ、俺間違えたか?』
と思い込んで、そこから反対側のCの角へ移動してしまったのだ

Cの角までの距離を感覚で思い出し、この辺だな?と壁に背を向けて後ろ向きで下がった時

俺はドキッとした










トン…



背中で誰かにぶつかった


うわ…誰かいる!!


シマッタ!!

てことはニクさんBへ行く途中だったんだ


あちゃあ…またもはやとちりだ…


俺は暗闇の中で、パニクってミスった自分を恥じながら

ヘコヘコと再度Dの位置に戻った

やはり誰もいない

ニクさんはBへ行ったんだ。


その後、全員が揃ったので
後はスタート走者が動き出すのを待った

ゲーム前に、音で4人全員が配置に着いたのは分かるので、揃い次第スタートと取り決めていたからだ。



しかし…


『…あれ?』


何故か誰も動かない…


どう考えても動き出していいタイミングで

誰ひとり動く気配がない

まるでそこにいる全員が、自分以外の誰かが動き出すのを待っている様な感じだった…


3秒…

4秒…

5秒…


あと2秒遅かったら、声を出して中断しようか?

とゆうタイミングでようやく、

Cの位置にいた奴(誰か解らない)が動く気配がした。

ソイツは

ちょっとホッとした俺を驚かすかのように
ゆっくりと俺の方へと向かってくる


窓際のA~B間に比べて
C~D間は部屋の奥側なので
窓からの微かな光さえ届かないから…


んんっ!!!

マジで何も見えない

ただ闇の中から気配だけが近付いてくるのが分かる。

音も大体の方向と距離は分かるが、この距離だと正確な距離感までは掴めない。


俺は壁に右手をついて半身になり
Cの方向へ出来るだけ左手を伸ばして、ソイツを待った。

やがて俺の左手に、フッと誰かの手が触れた感触があった。

そしてお互いに、ちゃんと触れているのを確認するかのように、

2~3度お互いの腕をポンポンと叩き合って『行っていいよ?』『OK』と無言の合図をして、俺は次のBの位置へ向かった。

そこにはニクさんがいるはずだ。
しかしいくらうっすらと窓際が照らされているといっても
そこに見えるのは、ブルーシートに微かに写された真っ黒な人影のみ

顔や服の色はまったく確認出来ない

俺は足の裏の感触で一歩一歩足場を確認しながら、右手を壁に、左手を前に伸ばしてゆっくりとすすむ。


これは待つ方も、進む方も相手との距離感が解らないので、多分お互いに、近付いているのは分かるが、いつどこで相手と触れ合うのかが近付く程に解らなくなる…

しかも待っている相手が必ず角にいるとは限らないのだ
壁にもたれる様に待ってる奴もいれば、必要以上に前に出て待ってる奴もいる。

俺みたいに手を伸ばして待ってる奴や、
いきなり胸に当たったりする伸ばさずに突っ立ってる奴、

しかもお互いに手を伸ばしていても
手と手が触れ合うとは限らない

相手の手が先に俺の胸に当たる事もある。



まだか…?

そろそろか…?

あっ、手だ…

と思う事もあれば


えっ?もういるの?

と思う事もある。


そんな耳と気配だけの何事もが突然の世界だ…


その雰囲気はかなり怖い体験だが

それゆえ俺は堪能していた


なるほど

これが『四隅の怪』か…






気配と音だけの世界だが

それ以外にも相手を見分ける方法がある

まぁ、動き方の癖みたいなもんだね?

何度がやってるとなんとなく分かってくる。

ヤギさんは一歩一歩擦り足で異様に慎重にゆっくりと歩く。

Tさんもゆっくりだが、どっちかというとゆったりと余裕を持って確実に近付いてくる

そして、ニクさん

君歩くの早過ぎwww

もうちょっと躊躇しようよ?

途中で方向展開すると、ニクくんから近づいてくるんだけど

ススス… と早足で近付かれると、気配を読む余裕もなくてかなり怖くてビクっとするんだよwww

しかもそれがタッチした直後だと
タッチして遠ざかったはずのニクさんの気配が気付いたらあっとゆう間に目の前に飛び込んでくるから、

かなりビクっとしました。



結局、最初のゲームでは

1:D(反時計周り)
2:B(反時計周り)
3:A(反時計周り)
4:B(時計周り)
5:A(反時計周り)
6:C(無人スポット)(反時計周り)
7:D(反時計周り)

多分この辺りで、携帯のタイマーが鳴った。


最後に、今のゲームの再確認をした。

最初の配置は

   窓
┏━━━━━━━┓
┃ヤ     ニ┃
┃       ┃
┃       ┃
┃       ┃
┃T     @┃
┗━┓     ┃
  ┃ ↓   ┃
   入 口

で、スタート走者はT君だった。
ゲーム経過については、結局あまり不可思議の無い内容確認に終わった。


う~ん…やっぱり不思議な現象はそう簡単には起こらないみたいだ。


まぁ、そんなもんだよ


俺はその時、有り得ない事は有り得ないんだから、やっぱり杞憂だったんだな
と結論付けた。




はずだったがしかし



ちょっとまて


実はこの日記を書くに当たって

当時の事柄を事細かに思い出しながら書いていたんだけど

その途中で、変なポイントとゆうか

ある一つの疑問が浮き上がって来たのだ…


俺が気付いたオカシナ点とは


ゲーム序盤に俺がヤッチャったパニクリ勘違い事件の所です。


確かに俺はあの時、一直線に俺の方に向かうニクさんに、あれ?っと思って一瞬パニクった。

で思わずCの角へ移動して

誰も居ないと思ったCの角に誰か(Tさん)が居てビックリしたんだけど…



ここよく考えてみたら


なんで俺、Cに誰も居ないと思ったんだろう?

さらに、なんでニクさんがこっちへ向かってきた時、おかしいと思ったんだろう?

とゆう疑問が湧いてきた。


ニクさんがAやBに行く可能性だってあったはずなのに

なんで俺はあの時あんなにパニクったんだろう?


おそらくね?

俺は暗闇の部屋に入った後、無意識にニクさんはCの角(俺の向かい側)に行くと直感してたんだと思うんだ

だからこっちに向かって来ないはずのニクさんが、こっちに向かって歩いて来た事実に
変な違和感を覚えて、あれ?ってなったんだと思う。

いやまぁこれは意識的にそう思考していた訳じゃないんです

ほとんど無意識にそう思ってたと思うんです。


でもなんでそう思ったんだろう?

それはおそらく


部屋に入った直後に、無意識に感じた感覚のせいだと思うんです。

無意識の中で俺の直感を

ニクさんはAやBには行かないはずだ

と思わせた要因


それはつまりは

Cには誰もいないはずだ

と思わせた要因でもある



何が言いたいかというと





俺は、あの部屋に入った後

真っ暗闇な空間の奥に薄暗いブルーシートの輪郭を見た

その時、多分俺は

ほとんど何も見えない視界の端で
ブルーシートに二人分の陰(気配)を感じたんじゃないか?

と思うんです。



その時は、これも無意識に

ああ、ヤギさんとTさんがいるんだな

と思ったんだと思う。


もちろん一人はAの位置にいるヤギさんだろう


しかし、部屋の入口からCの位置にいるはずのTさんは
手前の角の死角になっている為

ブルーシートに陰は映らない

とゆうか物理的に視界にすら入らないはずなんだ。

俺はその直感的な先入観で

AとBにはヤギさんとTさんのどちらかがいるから

Cには誰もいない

と思ったんじゃないだろうか?

だから後続のニクさんがCへ行くと思ったのに

こっちへ向かって来たから

無意識の中で矛盾が起こって


『あれ?なんかおかしい』

と思わされたんじゃないだろうか?


これは、確実に俺がそう思っていたとゆう、記憶ではない

実際にあの時二人分の陰を見た
とゆう記憶もない

とゆうかほとんど何も見えなかったし、Dを目指していたから、ブルーシートや他の人の位置を意識して確認しては居なかった


これはあくまでも、

なんで俺はCにTさんが居て
あんなにビックリしたのか?

何故、誰も居ないと思い込んでいたのか?

とゆう疑問を、心理的に自己分析した結果の話だ。



俺は自分でも気付かない内に


Bの角に俺達以外の

まさに5人目の人影を見ていたんじゃないか?


そんな結論に至ったのでありました。




でもまぁ、それに気付いたのは本当に今さっき

その時は、ただの俺の勘違いだったで済んでいた話で


実験自体は、その後、同じ条件でクジを引き直して

もう一度だけ行われた。

その時の配置は
┏━━━━━━┓
┃T    ニ┃
┃      ┃
┃      ┃
┃@    ヤ┃
┗━┓    ┃
  ┃    ┃

スタート走者はまたもやTさん

時間は5分

部屋に入った順番は

1番がTさん
2番がニクさん
3番が俺
つまり
4番がヤギさん


ターン毎の俺の配置は
1:C(反時計周り)
2:D(反時計周り)
3:B(反時計周り)
4:A(無人スポット)(反時計周り)
5:C(反時計周り)
6:A(時計周り)

多分この辺でタイムアップだったと思う。

まぁ、この時の結果も
別段不思議な事は起きなかった


そんなこんなで、俺達はようやく一通りのイベント内容をこなした

時間を見るともう深夜2時半を回っている。



結果的にハッキリとした心霊現象は起きなかったが
色んな事があって怖かったり楽しかったりで
十分今回のイベントを堪能したので

これにて終了する事にした。


しかしまぁ一応、この降霊術には終わらせ方があるので

ちゃんと手順を踏んで正式に終わらせた。

再度ロウソクに火を付けて


『お帰り下さい』
『お帰り下さい』
『お帰り下さい』
『お帰り下さい』
『お帰り下さい』

『扉を締めます、さようなら』

最後に取った儀式の写真が異様に綺麗でかなり気に入ってます。




そして、現場の撤収作業


荷物をまとめて



最後に参加メンバー全員で記念撮影



多分全員暗黙の了解で

『なんか写れ~』

と心の中で願ってたんだと思うけど…www




今回の写真で何か見えた人いますか?

いたらご一報ください。


そして俺達は、真夜中の廃墟『一龍旅館』から脱出した



この最後の最後でまた
俺のホラーホリック症状が出た

@『よし、ここから出口までは、じゃんけんして、一人づつ出ようや?』

最後にソロ行進でのプチ肝試しを開催www



一番手はヤギさん

二番手は俺

三番手はTさん

ラストはニクさん


ヤギさんが出発後

しばらく待って俺の番


この時、俺はあえて、この暗闇を最後まで堪能する為、ライトを付けずに脱出を試みた



しかし無理だったwww

マジで何も見えないから階段あたりからまったく先が解らなくて階段折り返しの方向も見失ったwww
ちょこちょこライトを付けて方向を確認しながら戻った



最後の一階の出口へ続く長い廊下で


俺はある違和感に気付いた


それゆえ、途中からあえてライトを付けて普通に戻る事にした。

だって消しても音で居場所がわかるから一緒だな?と思ったから


そしたら、案の定


一階出口付近の客間の陰から

突然ヤギさんが『わぁっ!!』と飛び出して来た



……


あのな?

出口から先に出たはずのヤギさんが、屋外でライトも付けずに待ってるなんて変だろ?

この状況で出口先に明かりが見えない時点でオカシイんだよ?

となれば、俺同様イタズラ好きなヤギさんの事だから

どっかに隠れて驚かそうと企てている事は明白なのだよ、明智くんwww


俺を釣るには、ちょっと仕掛けが甘かったね?




と最後の一悶着終了。


全員が出揃ってめでたく現場から退散して


今回のミッションコンプリート




まるで一つの短編小説みたいな長い長いイベントレポートも

これにて終了です。

ここまで読んでくれた方

かなりの長文ホントにお疲れ様でした

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