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『追憶の余韻』【序章】~ひとりかくれんぼ大作戦~ 【その経緯と背景】


2014年05月28日19:19


太陽が墜ち、

夜の戸張が降りて

暗闇が世界を包む頃

俺達はいつも

その闇の先に何があるのか知りたくて

その中に踏み込んでいった


思い付く限りの限界ラインに足を踏み込むその先には

いつも結局何もなかったようで、

実は沢山のナニカがあった。。。


『追憶の余韻』
~ひとりかくれんぼ大作戦~

この話は
2011年8月15日
@KIDを筆頭に、mixiで集めた有志三名を加えて行ったホラーホリックの原形となったオカルトイベント
京都のとある心霊スポットで実行した『ひとりかくれんぼ』実況中継の追憶録である。

今回は現場に居合わせた三名のメンバーそれぞれの視点で起こった、それぞれの怪現象=現実を別々に記していく。

一つ一つは意味不明で不可思議な三つの怪現象(主観の現実)

この三つの視点を重ね合わせた時

その場で起こった、たった一つの真実が見えてくるだろう。




序章『その経緯と背景』

否応なしにその感情を揺さぶる『恐怖感』とゆう感動の虜になったKとゆう男がいた。

その男はある夏、とびきりの恐怖感を味わう為に一計を案じた。

実際に廃人になったり、行方不明になった人がいる事で
絶対にやってはいけない危険な交霊術として有名な都市伝説

『ひとりかくれんぼ』

これを最高に怖い最悪な心霊スポットでやってみたいと言い出したのだ。

しかし只でさえ危険な交霊術だ

霊障が相次ぐ心霊スポットでの実験は非常にリスクが高い

万が一の不測の事態が起きる事を十分に考慮しないといけない

そこでKはこのmixi内で協力者を募った

ひとりかくれんぼの最中に何か事故が起こった場合の補佐役として誰か協力してくれる人はいませんか?



まず始めに名乗りを挙げたのは
Kのオカルト仲間であったYだった

いや、
『お前はもうメンバー決定してるから絶対来いよ?』
となかばKが強引に引き入れたといってもいいだろう

そんな強引な誘いにYは少しビビりながらも快く二つ返事でOKした。

KとYは一回り程歳が離れていたが、趣味の合う二人で、ネット以外でもプライベートで遊んだりしていた仲であった。

YはKのこういったオカルトに対する奇行に、時々『この人、頭おかしいんじゃないか?』と思いながらも
そんな突拍子もないアイディアを、直ぐ様行動に移すKの行動力に振り回される事は然程嫌ではなかった
むしろ『次はどんな場所に連れていってくれるのだろう?』と期待すらしていた。


Kがたてた最初のプランは
『このひとりかくれんぼをmixiのひとりかくれんぼコミュニティにて、実況中継する。

その際の内容は全てビデオや写真、テープレコーダー、湿温度計等で詳細なデータを記録する。

後にそれを編集して動画サイトにアップする計画だ

メンバー構成は
Kが実行部隊として、心霊スポットの廃屋に忍び込み、ひとりかくれんぼを実行する。
そのKをフォローする補佐役メンバーは合計三名を予定
補佐役は屋外にて、携帯やトランシーバー等でKと連絡がとれる状態で待機、
補佐の役割は、Kとの連絡係が一名、緊急事態の際でもその状況をコミュニティに実況出きるように実況係が一名、
この2名は万が一の緊急事態に置いてKの救助役も兼ねている。

他、Kが廃屋内で撮った携帯動画をメールで中継して順次ヨウツベ等で即時アップしていく自宅待機役のアップロード係

以上
現場内にKがひとり
現場外(車内)にYを含めた2名が待機
そして外部スタッフとして一名を自宅のPC前で待機していてもらう布陣だ』

KとYは、残り二名のメンバーを募集しつつ、

一番大事な『ひとりかくれんぼを行える廃屋スポット』を探すべくあちこちの候補地を探し回った。

当初は惨殺事件の現場だとも言われる『皆殺しの館』が最候補であったが
残念ながらその廃屋は既に焼失していた事を知る。

計画は頓挫したかに思えたが
Kと同様に廃墟好きなYが過去に訪れた事のある、
とある有名な心霊スポットの近くにある謎の廃屋がKのアンテナに触れて詳しく調査する事になった。
現場付近の図書館等で昔の新聞記事や風土資料等の過去の事故、事件を調べているうちに
そこは過去にとんでもない事件が発生した事件現場であることが判明した。

そこは、京都の裏鬼門を護る大神殿『石清水八幡宮』の山麓にある地元でも『血の病院』として忌み嫌われている戦時中の野戦病院であったと噂される廃病院跡地である有名な心霊スポット『G病院』

ある雑誌の『日本一怖い心霊スポットランキング』で堂々一位に輝いたこともあるこのスポットだが
その要因には
『霊に引き寄せられた』としか考えられない事故が実際に起きて新聞沙汰になったこともあることからきている。
夜中心霊スポットに遊びに来ていた若者集団の内の一人が近くの踏み切りで電車に牽かれ死んだのだ
しかしそこは見通しのいい踏み切りで『なぜ牽かれたのかわからない』『何かに引き寄せられたのではないか?』と関係者は噂している。

彼等が目をつけた廃屋は
この事故現場である『呪いの踏み切り』の目の前に建っていて
ちょうど『G病院』と『呪いの踏み切り』の間に存在しているとゆう最悪のロケーションなのだ。

ここには絶対何かある

と狙いを定めたK達が調査の末見つけ出したのは
とある地元新聞の事件記事だった

『親父にやられた』と題されたその記事は『突然豹変した父親が自分の家族を皆殺しにして自殺した』とゆう怪奇な一家心中を報じたものだった。
記事の内容から、その事件現場は紛れもなくその廃屋である事がハッキリした

犠牲者は妻、娘、兄

兄は唯一の生存者だったが発見されたときには頭蓋骨が陥没していて、後に病院で息を引き取ったという。

ここだ…

『G病院』『呪いの踏み切り』に挟まれた『猟奇的な一家心中事件の現場』

こんな『死のスクランブル交差点』

名実ともに最恐のホラースポットといって過言ではない

ここでひとりかくれんぼを行えば…

必ずや何かが起こる

そんな根拠のない確信を胸に

決行日を霊の一番活発な8月15日『お盆』の深夜三時から
と決め、儀式の準備に取りかかった。

そして、後日、Yの友人から『待機班』なら
とゆう条件付きで
稲川淳二の大ファンを公言している最年少『T』が補佐役として

そして、『自宅待機でフォローします』とKとYの共通のマイミクである動画サイトやネット関係に強い『P』の参加が決定した。

準備は整い

いざ決行となった時

Yが
自分も現場で『ひとりかくれんぼ』をやりたいと言い出した

しかし二人で現場に居たら『ひとり』かくれんぼじゃなくなるじゃないか?

だがオカルトファン同士その気持ちわからなくもないと

Kの出した結論は

二人別々に『ひとりかくれんぼ』を同じ場所でやる事になった

つまりKは自分の人形を使い単独で『ひとりかくれんぼ』を行い
YはYで単独でひとりかくれんぼを行うのだ。
もちろん
隠れる場所もスタートも別々だ。


問題は『待機班』のTが一人きりになってしまう事

そっちはそっちである意味現場よりも怖い一人ぼっちの待機役になる

そう

三者三様に『ひとり』になってしまうある意味リアルな『ひとりかくれんぼ』

ひとりかくれんぼコミュニティでの実況中継を行うトピックスも完成し


2011年8月15日
深夜24時

準備期間一ヶ月
Kの思い付きで始まった
『ひとりかくれんぼ大作戦』が

ついに幕を開けた。




『序章』~その経緯と背景~

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